EP0勇者の器
ヘイワーの村-ここは先代の勇者が築いた村である。
「むにゃむにゃ、もう食べられないよ〜zzZ」
「ヒロー、ヒロ!早く起きなさい!」
「えぇ〜何ぃ〜、、、あ!今日ってもしかして」
「そうよ、選定の刻の時期よ」
「どうせ俺も無理だと思うけどね〜」
「そんなこと、、、あるかも」
「母さん!」
こんなちょいボケツッコミをかまして朝を迎えるヒロだった-早速ヒロは着替えて、街の中央広場に歩いて行くのだった。
「えぇ〜これよりこの台座に刺さっている勇者の剣を引き抜けるか、18歳以上のものにやって貰う」
「まず一人目、ゴリ・ゴリ男!」
「俺が引き抜いてやる!ふんっっっんぬぉぉぉりゃぁぁぁ!!!ぜぇはぁぜぇはぁぜぇはぁ」
「そりゃあお前さん、力任せでは無理じゃよ」
「精霊がなんとかって、筋力が通用しないなんて有り得ない!おりゃぁぁぁぁ!!!非科学的なもの信じないぃぃぃ!」
「ヘイワーの村一番の剛力でもびくともしてないや」
「俺達がやっても無理だろうな」
「次!カナ!」
「はい!」
「ふんぬ!無理ぃ!」
「次!」「次!」「次!」
そうして最後までみんなが引っ張るがびくともしなかった。
「最後、ヒロ!」
「俺の番か、、、無理だろうなぁ〜俺は農民の一族だ」
スポッ。
「、、、なんか軽い、あれ?なんなんだ」
「あぁぁぁ、うわぁ〜!!!抜けたぁぁぁ!?」
「代々勇者を選定する剣はいずれも血筋を無関係に未来を切り開くものにへと受け継がれて来た-その剣は、将来的に生まれてくる諸悪の根源を妥当して未来を切り開いて来たんだ」
「、、、(ええええぇ!!!本気[マジ]かよ!)え?つまりは、俺が勇者?え?俺が?え俺?」
「ちょ落ち着けヒロ!」
「まぁ〜いっか!」
「急に落ち着くな!」
「(諸悪の根源、そして配下を統括する者な訳だし、魔王と言うべきなんだろうな、、、)魔王討伐するんですか?」
「(魔王、、、か、魔とは人心を迷わし善事を害するもの、そして不思議な力をもち、悪を成す者、悪者の総称で、それを従えてる訳だし魔王と言う表現であってるか)そうじゃ」
「それで、討伐までの道では色々必要だと思うんですが」
「あぁ、旅に向けて貯めておいた金銀や勇者キッドがあるぞ」
「勇者キッド?」
「歴代の勇者が考案した冒険に必要なアイテムを詰め込んだバッグだよ」
「なるほど!心強いですね〜」
「それでは今日1日はゆっくりと休み、家族との時間を過ごしておきなさい」
「はい、、、」
ヒロは家に帰ると。
「お帰りヒロ」
「お母さん、、、」
「抜けたんだね」
「察しが良いな我が母親ながら」
「なら今日はお祝いだね、勇者様誕生のお祝い」
「な!?辞めてくれよ、いつも通りで良いから」
「あらそうなの?てっきり盛大に祝ってくれとか言うかと」
「、、、」
ヒロは表面上は取り繕いながらも、内心は複雑な気持ちでいっぱいだった、、、そんな日に限って時間はいつもより早く流れて行く-気づいたら既に太陽は沈み月が頭を出していた。
「、、、」
「ヒロ、明日のためにもう寝なさい」
「分かった」
ヒロは早々に自室に行くとベッドに横になりすぐさま眠りについた。
「ヒロ、、、頑張ってね」
お母さんも勿論、複雑な心境ではあった-月も隠れて朝が回って来た。
「頑張ってねヒロ、これ」
するとお母さんはヒロの手に小袋を手渡した。
「これは」
「代々一族に伝わる御守りだよ、豊穣を司る神様の加護があるんだとか」
「あはは、いま効力あるの?」
「分かんない」
「あはは、はは、、、」
ヒロはまたも中央広場に向かうと村長と数人の兵士がいた。
「彼らはヘイワー村を管轄区域とする国家の迎えだよ」
「勇者様、こちらの馬車にどうぞ」
「あ、はい-よいしょっと、リュックに御守り、んでお金、よし、それじゃあ行ってくるね」
「健康には気を付けるのよ、ヒロ!」
「うん!お母さんも帰ってくるまで元気でいろよ!」
「言われなくても!」
母子の清々しい別れを遂げて、なんだか知らないがヒロは、複雑な感情が晴れていた。