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十二歳の通過儀礼

※要素が含まれるためガールズラブのタグを付けていますが、メインの組み合わせは男女です。予めご了承下さい。

 この国には、男女貴賎問わずの通過儀礼が存在する。新年七日の朝七時から。その年十二歳になる子供全員が集められて、国王陛下に目通りをするのだ。

 ただ、顔を合わせて礼をして見せると言うだけの儀式だが、その場で眼鏡に適えば、たとえ平民であっても王城勤務の道が拓ける可能性もあると言う。

 ……まあ、建前はそうでも結局は出来レースだろうけど。

 牛歩で進む長い行列に混じりながら、わたしは小さく息を吐く。

 だって目を見て礼をして、それで何がわかると言うのか。貴族の場合は事前に魔力を測られるけれど、平民貧民はそれすらない。もしそれで相手の能力がまるきりわかると言うなら、王様は全知の神か何かではないか。

 実際、平民からの大抜擢なんて聞いたことがないし、低位貴族からの抜擢も、全員事前に魔力が高いとわかっていた者からだと聞く。

 つまり魔力が高くなければ、お話にならないのだ。

 だから、昼日中ひるひなかにこんな列へ入れられているわたしにとって、この儀式は成り上がりの好機でもなんでもなく、単なる面倒な通過儀礼でしかない。

 目通りは、時間を指定されてその時間に登城する。登城と言っても、指定の集合場所は城前広場だったけれど。朝一番が平民貧民、昼頃からが低位貴族、夕方近くが高位貴族。

 低位貴族の中でも、午後一番に、こんな風に十把一絡げで並ばされているわたしは、見込みナシってことだろう。

 姉や兄たちの時はもっと夕方近い時間だった。これでも伯家の娘だ。曲がりなりにも上流階級の人間である。それが、こんな平民に毛が生えたような低位貴族に混じっているのは、ひとえに。

「まあ、魔力なしの落ちこぼれじゃあね」

 わたしが、魔力測定で計測器をの針をちらりとも揺らせない、魔力ド底辺人間だからである。

拙いお話をお読み頂きありがとうございます


完結まで一日四回(六時、十二時、十八時、零時)の更新を予定しています

お盆期間中の暇つぶしにでもお付き合い頂ければ幸いです


続きも読んで頂けると嬉しいです

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