異世界転生と初めての出会い
俺の名前は星宮 瑞希。
29歳独身の世間一般ではごく普通のサラリーマンというものをしている。
今日も何事もなく仕事を終え、家に帰宅し、いつものように布団の上でスマートフォンを触りながらくつろいでいた。
そして、そのまま寝落ちした・・・。
俺はハッと目が覚めた途端、突然、空中に放り出されていることに気づいた。
わけが分からないまま、地面に向かって落下している。
まさにパラシュートを持たないスカイダイビングの状態だ。
俺はなぜ、自分が空中に放り出され、しかも落下しているのかがわからない。
だが、そんなことを考える暇もない!
『誰か・・・。誰か助けて・・・・!!』
声が出る限り泣きながら叫んだ!
一生懸命に助けを呼んだがむなしく、どんどん地面が近づいてくる
なんなんだ!これ!!
夢?! 俺は何で空中から地面に向かって落ちてるんだ!
あと少しで地面だ。
俺はもうダメだと思い、助けてと叫ぶのをあきらめた。
俺はわけの分からないまま空中に放りだされ、あげくにこのまま地面に衝突する。
ほんと何が何だか、わけが分からない。もう地面だ!そう思った瞬間、すごい風が俺を包んだ。竜巻?というのかわからないが、その風のおかげで俺の落下速度が一気に弱まった。
俺はそのまま、地面にふんわりと落ちた。
何が起こった? ここはどこ? 夢?
そんなことを考えてると、空から女性の声で
『ちょっと!!大丈夫?!ケガしてない?風魔法間に合ったかな・・・』と聞こえ、俺はとっさに上を見上げた。
見上げるとそこには青い長髪の女性が箒に乗っているのが見えた。すごい優しそうな雰囲気のお姉さんというべきか、とにかく優しそうな見た目の女性だ。
でも俺はますますわけが分からなくなっていた。
いや、わかるはずがないのだ。俺の最後の記憶はスマートフォンを扱っていた。そして、気づいたら意識がなくなる、いわゆる寝落ちというやつだ。そんな俺が突然、空中に放り出され、しかも箒に乗った女性、まるで魔術師が目の前にいるのだ。
異世界転生のアニメなどでこういった光景を見たことはあるが、やけにリアルだ。いや、本物だ?!
そんなことを考えている間に、先ほどの女性が俺の前に降り立ち、近づいてきて俺の頭をなでる
頭をなでながら
『大丈夫?痛いところとかない?君、いくつ?名前は?なんで空から落ちてたの?お父さんやお母さんは?』とあれこれ聞いてきた
俺はこの女性が何を言っているのか理解できなかった。まるで小さな子供に聞くようなことをこの女性は俺に尋ねてくる・・・。
俺はとっさに『ミズキ、ホシミヤ・ミズキ』と答えた。女性は、何かを悟ったようにさらに聞いてきた。
『君、もしかして、日本という国を知ってる?』と。俺はもちろん知ってると答えた。
すると女性は『そっか。君もか』と言ってきた。
俺は思わず『ここは、日本じゃないの?』と聞き返す。
女性は小さくうなずき『うん。ここは君から見たら異世界。君はこの異世界に転生、いわゆる異世界転生をしたんだよ』と答える。
『い、異世界??え、夢?これは夢なの・・・?』と俺は動揺しながら聞き返す
『ううん。夢じゃない。これが今の君にとっての現実よ。 ねぇ、君、日本にいるときは何歳だったの?』と聞いてくる。
俺は『29歳・・・。』と答える。すると女性は『そっか。じゃぁ、今から今の君の姿を見せるけど、驚かないでね。』という
俺はこくりとうなずく・・・。
女性は不思議な力で、鏡を出し、俺に向けた。
その鏡を通じて俺の目に映ったのは、子供の姿。何歳ぐらいだろうか、10歳ぐらいの男の子だ。俺は思わず『え・・・?』と声が漏れる
女性はまた、俺の頭をなでながら、こういった
『私はユラ。サクラセ・ユラあなたと同じ異世界転生者よ。この世界にきてもう200年ぐらいになるかしら』
俺は『200年?!』とかなり動揺して聞き返した。なにせ、この女性の見た目は20歳ぐらいなのだ。いや、もしかするとそれよりもう少し若い見た目だからなのだ。
どこからどう見ても、200歳以上の年齢には見えない。しかも、どうして長寿なのか??といろいろ混乱している頭がさらに混乱し、なぜか唐突に涙が溢れてくる。
それを見た女性は『落ち着いて。心配しなくて大丈夫だから。』と俺を抱きしめた。
抱きしめられた際にすごく優しい匂いが俺を包んだ。香水かなにかかわからないが、ふんわりと優しい匂いが俺を包み込み、少しだが落ち着きを取り戻すことができた。
女性は『ちょっとは落ち着いたかな?』と優しく微笑みながら聞いてきて、また俺の頭をなでた。
俺は深く、うなずき、『うん。』と答えた。
俺はふと、この女性をどう呼べばいいのかと思って、『ボクはあなたのことをなんと呼べばいいのでしょうか?』と聞いた。
普段、自分の一人称は俺なのに、なぜかこの時はボクと言ってしまった・・・。まぁ、今の見た目の年齢は10歳ぐらいなので、この方が良いかとも思って自分で納得した。
女性は『名前で良いわよ。ユラと呼んで』と笑顔で答えてくれた。
『ユラ…。うん!ユラ様と呼ぶね』とボクは返した。この世界で200年も生きてる方に呼び捨てなど恐れ多いし、やさしく接してくれていることに感謝をと思い様をつけることにしたが反応は微妙のようだ。
『えっ、んー、様とかいいから・・・。それならせめて、お姉ちゃんとかで呼んで』と女性は慌てる。
『わかった!ユラお姉ちゃんって呼ぶね!』
『あの...ボクが地面にぶつかるところを助けてくれたのユラお姉ちゃん?』
『うん。森の中を歩いて旅をしていたら、助けてって声が聞こえたから空から探してみようと思って上空に上がったら君が落ちてるのが見えて、箒では間に合わないと思って風魔法を使ったんだよ』
やっぱり、ボクを助けてくれたのはユラお姉ちゃんだった。
『ユラお姉ちゃん、助けてくれてありがとう』とボクは言った。
ユラお姉ちゃんは『いえいえい。ほんと間に合って良かったよ』とほほ笑んで言ってくれた。ボクも笑顔で返す。
ボクが異世界に転生することになった理由は今の時点ではわからないが、ユラお姉ちゃんと出会えたことはとてもラッキーだ。
ーこれからボクの新しい人生物語が始まるー




