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5−3 乙女達の憂鬱3

今回は季衣と流琉の親衛隊コンビと風&稟の軍師コンビストーリーです

 


親愛なる者より


「季衣〜、いい加減帰ろうよ、城のみんな心配するよ〜」


「大丈夫だよ流琉〜、今日は『ぶれいこう』だから朝まで騒いでても良いって華琳様言ってたし」


「だからって外まで買い出しに行くのは…」


「だぁってさっきの『立食ぱぁてぃ』で春蘭様達鼻血出しちゃって料理どころじゃ無かったじゃんかぁ」


…季衣は確か十数人前が乗る大皿を一人で食べていた、それにそのあとは鈴々ちゃんと焼売で大食い対決をしていたはずだが…


…こうなっては季衣が満足するまでとことん付き合うしかないとひそかにため息をつきながら諦める流琉


最近は盗賊等もめっきり少なくなり、ある程度の実力を持つ護衛を着け、夜のうちに行商に行く人間も多くなった


そしてそれは相対的に夜間に営業する店を増やす効果を生み北郷一刀の提唱していた『首都不夜城化計画』ならびに『24時間営業こんびにえんすすとあ計画』を推し進める結果となった


当初華琳はこの計画は昼間と夜の兼任など不可能だと思っていたが昼間は店主、夜は店の二番手に任せて稼働すれば良いし、人手の足りない店はその分新しい人間を雇うので雇用問題の解決にも一役買った


(兄様はここまで考えてたんだ…、平和になった後まで…)


そう考えると感慨深いものがある、この明かり一つ一つに彼の思いが詰まっている様な気がした


流琉が思案に耽っていると前を進んでいた季衣が戻ってくる



…両手一杯の食べ物を抱えて…


「流琉〜、どうしたの〜?早く行こうよ〜」


「…ハァ…季衣は悩みがなくて良いね」


「はにゃ?どしたの?急に?」


「…何でもないよ」


ゆっくりと流琉が歩きだし、慌てて季衣がついていく


「急にどうしたのさ?流琉〜?」


「…兄様の事考えてたの」

「…兄ちゃんの事?」


流琉は一度コクリと頷き…


「兄様、こうやって平和になってからの事、きちんと考えてた、それってやっぱり兄様も平和になったこの国で暮らしたかったんじゃないかと思って…」 


王と同じ位国を愛し、国を愛するのと同じ位王を思いやり、王を思いやる程に自分達を大切にしてくれた


…そんな彼は国を見ずに消えてしまった、統一された三国の姿を知らずに…


「…兄ちゃんにこの景色、見せてあげたいね…」


「…うん…」


今、彼は何処にいるのか、二人の少女は御遣いのいる天へと思いを馳せる


………


……



マイペース軍師×2



「稟ちゃん、今日の鼻血は久しぶりに多かったですね〜」


「風の鼻血止めが効かなかったのが原因です!…あぁ…また華琳様の前で恥態を曝してしまった…」


「稟ちゃんの恥態はいつもの事ですがそれを風の鼻血止めのせいにするのは良くないですよ」


 


「い、いや!…ですがまさか華琳様があのような格好でいらっしゃるとは…へぶっ!」


またも鼻血を噴いて倒れる稟


んでいつもの如く首筋とんとんで治す風


「稟ちゃ〜ん、風は一度城壁に行きますので〜」


「ふがっ?どうするんれふか風?」


鼻を手巾ハンカチで抑えながらついてくる稟


「星を占おうかと思いまして」


「星占いれふか?そうええば風は最近よくやってまふね」


「最近星の動きが怪しいので、様子を見ているようにしているのですよ」


「では私も付き合いまふ」


「稟ちゃんはちゃんと床を綺麗にしてから来て下さいね〜」


するりと消える風


「ちょっ!?風っ!手伝って下さ…」 


…既に風はいなかった

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