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5−1 乙女達の憂鬱1

これは春蘭、秋蘭姉妹と桂花で作りました     ご意見あれば感想にどうぞ

 


春蘭&秋蘭SIDE




「しゅ〜ら〜ん、今からかりんしゃまのおへやにいくのら〜♪」


「そんな状態で行って華琳様に醜態を晒す気か、姉者…」


秋蘭がひっそりと溜息をつく…酔って舌の回らない姉もかわいいが何をしでかすかわからなくなるのは非常に困る…


「わたしはじぇんじぇんよってらいっ!!」


…こういうところも姉者はかわいいな〜…等と考える自分を捨てそのまま外へと向かう、今この状態の姉を連れていくのは得策ではない


「しゅ〜りゃん!!かりんしゃまのおへやはむこうら!!どこへいくきら〜!!」 


もう既に歩けぬ程に酔いの回った姉を背負って歩く秋蘭、背中で暴れる姉には頓着しない


「…姉者、華琳様は今日は誰も閨に寄越すなと言っていたのを聞いていなかったのか?」


「…そ、そんにゃ…かりんしゃま〜(泣)」


「…やれやれ、やはり聞いていなかったか…姉者?」


春蘭が嗚咽を漏らしている…


「…さびしいのら…かずとがいらくらって…」


「それは姉者がか?それとも華琳様がか?」


「かりんしゃまはくちにはだしゃないけどさびしいのら…わたしらって…」


「…今日はみんなやけに泣き上戸だな…おかしいな…私まで…涙が…」 


…本当に今日はみんなダメらしい…まったくそれもこれも一刀のせいだ


「どうも今日は飲み明かした方がいいらしい、姉者、付き合ってもらうぞ」


「まて!しゅうらん!わたしはかりんしゃまになぐさめてもりゃうのだ!」


「閨は侵入禁止だ、外に飲みに行く」


ズリズリと春蘭を引きずりながら秋蘭は夜の街へと繰り出すのだった…


桂花、毒舌(甘め)編




「…油断したわ、魏の軍師たる私をあれ程に追い詰めた者は今だかつてあの男だけよ…」 


危うく鼻血で出血死する所だったわ…


無駄に血の気の多い春蘭ならまだしも私のような頭脳労働型の人間には殺傷兵器並の効果があった(…風の血止めでも後から後から出血が続き現在救護室で治療中である)


「あぁ…華琳様…桂花は…桂花は貴方様の愛の奴隷ですぅ〜!!」


衛生兵達は先程からこの調子で5分置きに卒倒する桂花をそろそろ三国一の針医と名高い華先生に見せるかどうかの相談を始めたのだが…急に桂花が立ち上がった


「荀文若様、大丈夫でございますか?」


女性の衛生兵が声をかける


「…心配ないわ、迷惑かけたわね…」 


「もう少し休まれては…」


「問題ないわ」


 


…サラリと言い放ち、桂花は外に出ていった…


………


……



ツカツカと廊下を歩き自室の扉を開く


扉を閉じ、両開きの窓を開く


ほてった頬を撫でる風が心地好い


「…最後の最後に素晴らしい物を残して逝ったわね、北郷一刀…傍にいるときは迷惑の塊だったくせに…」


本当に腹が立つ…これならさっさといなくなれば良かったのだ




奴がいなくなったおかげで私の精神的に随分楽になった


アイツの出す余計な献策は減ったし、仕事の邪魔もないし、何より華琳様の寵愛を受ける時間は増えたし…


…時間は増えた…しかし…華琳様の笑顔が減った…


…前に私は奴に言った


軍師の仕事の半分は王の心身の安定を図る事だと


私の前では華琳様は笑ってくれる…しかしあの笑顔はアイツに向けていたような笑顔ではない、あいつがいなくなってから華琳様は心の底から笑っていないのではないか…?


…悔しい…華琳様に安寧を与えられない自分が


…憎い…華琳様に安寧を与えられるはずの男が華琳様の傍にいないのが




「…帰ってきなさいよ…馬鹿…これ以上華琳様を苦しめるなら私は絶対許さないんだから…」




…桂花はあの男に向け久しぶりに毒を吐いた…

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