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28話 別れ時々華琳からのお土産、の事


…淋しいはずの別れ…しかし今回の場合は違う、俺は必ず戻ってくる…そう誓った…みんなも俺の言葉を信じて待ってくれてる


「「「「………」」」」


そう、みんなの視線が氷ように冷たかろうとみんなも俺の言葉を信じてくれてるはずだ




…そう信じたい


「…えっと、じゃ、そろそろ行くよ」


「さっさと消えろ、首を飛ばされたいか!」


春蘭からは殺されかけ


「………」


霞からはジト目で見られ


「早く消えなさい全身精液男!華琳様のお目汚しだわ、蜀の娘にまで手を出すなんて節操すらないんじゃない?」


桂花からはなじられ…


華琳からは


「まったく、桃香には困ったものね、蜀の王として少しは自覚が足りないわ」


怒られて…ない!?


「あの〜、もしもし華琳さん?昨日の件での叱責はございませんでしょうか?」


「あら、怒って欲しいのなら怒りましょうか?」


「いや…そんなつもりは」


俺桂花とは趣味嗜好が違うし


「…春蘭にやらせて気絶させてしまったせいで夜話す時間がなかったからよ、昨日の事を怒るよりも言いたい事があるから怒らないだけ…」


「言いたい事?」


「一刀、約束して…必ず私のもとに戻ってくると…」


「いや、そりゃもちろんそのつもり…」


「約束して」華琳の表情は硬い、俺もきちんと返事しなければいけない


「華琳…誓う、俺は必ず君の下に戻ってくる」


「何に誓うの?」


「この腕輪にかけて誓う」


昨日買った腕輪を取り出す、昨日注文の時に一つだけ多く買ったのだ


華琳へのプレゼントにしようと思ったのだがちょうど良い、渡しておこう


「華琳、受けとって欲しい、君へ渡そうと思って買ったんだ、この腕輪に誓わせて欲しい」


そっと華琳の左手を取りはめる、サイズはある程度融通利くとは思ったけどぴったりだ


「あ…」


華琳の頬に朱が刺す、気に入ってくれただろうか…


「…良いわ、貴方の誓いを我が腕輪にかけて貰う、必ず帰って来なさい」


「あぁ!」


もう約束は違えるわけにはいかない、俺が彼女を泣かせる事などあってはならないのだから…



……


………


別れを済ませ蜀のみんなと合流する、彼女達は先に別れを済ませ城門で待っていたのだ


「別れは済みましたか、一刀殿」


「あぁ、待たせて悪かったねみんな」


「おそいわよ!一刀っ!!」


「すまん、詠」


「詠ちゃん…一刀さんはまたしばらく魏のみんなに会えないんだからゆっくりで良いんだよ」


「いや、月ちゃん、詠の言ってる事は至極真っ当だよ、俺一人の為にみんなを待たすべきじゃなかった、すまないみんな」


「一刀さんは悪くないよ!…そもそも私があんな事しなければ…」


…小さくなる桃香、どうも酔っても記憶が飛ばないタイプらしく、昨日の事件を全部覚えていたらしい…逆にかわいそうだ


「桃香、そんなにしょげるなよ、俺ももう気にしてないし」


「だって一刀さん、私せっかく魏のみんなが準備してくれた宴、台なしにしちゃったんだよ…」


「ん?あれはあれで良かったんじゃない?」


「へっ?」


「桃香のおかげであまり湿っぽい別れ方しなくて済んだからね、むしろ感謝してる」


「で、でも!」


「いいんだよ、俺は必ず帰るんだから、さ、行こ行こ、行ってさっさと帰って来ればいいんだから…風、涼華も早く行こう!」


「あぁ、お兄さん、華琳様からの最後のお土産ですよ〜」


馬に乗りながら器用に馬を引いてきた風の手綱の先には


「…絶影!?」


俺が名前を呼んだのがわかったのかブルルルッといななく絶影


「華琳様からの伝言ですが、『この子はしばらく預けるから戻ってくるまでに貴方の言う事を聞くようにしておきなさい』とのことです」


絶影の首筋を撫でながら涼華が言う


「…そっか、腕輪の変わりに預けてくれたのかな?…ハハッ、これじゃわらしべ長者だよ」


絶影の目を見つめる、瞳には強い意志があるが馬独特の優しそうな目元が華琳に似てる気がする


「しばらく厄介になるよ、絶影」


ブルッと鳴いたのは了承だろう


こうして俺は三国界の名馬としばらく旅路をともにする事になったのだった

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