25話 大丈夫…三人娘の旅立ちの事
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「楽進、李典、于禁、三名とも引き継ぎを終え都に帰還した後は再度北郷警備隊への配属となるわ、己が責務を果たし早期帰還をなさい…私や一刀も待っているわ」
「「「はっ!」」」
儀礼的な挨拶を交わした後は何時もの如く賑やかな別れが待っている
「涼華、戻るまで隊の方を頼む」
「任せて下さい、凪様も早く戻って下さいね」
「あぁ、なるべく早く引き継ぎを済ませてくる」
涼華と凪は互いの健闘を祈り
「真桜、お主の造った『華蝶の仮面・改(認識阻害効果強化版)』はこれから魏と蜀の平和の為に役立つ事だろう、今後も平和の為に共に戦ってゆこう!真桜博士!」
「任しとき!次蜀行くまでに秘密兵器造っとくで!」
聞きたくもない単語が聞こえがっちりと握手を交わす二人…真桜、お前何時から博士になった…
「紫苑さ〜ん、また今度璃々ちゃんの服の組み合わせのお話しようなの〜」
「えぇ、でも今度は沙和ちゃんのお洋服仕立てたいから寸法、測らせてね?」
「わ〜い♪お願いしますなの〜♪」
沙和はいつものように女の子女の子した話題に花を咲かせる
何時もとなに一つ変わらない光景
でも何故か俺はその三人の様子が不安で仕方なかった…
「三人共!」
三人がこっちに集まってくる
俺は一言…
「無事で、帰って来てくれよ」
で
二人に笑われた
「あ、あはは!た、隊長!大袈裟やで!」
「そ、そうなの〜、隊ちょ〜心配し過ぎなの〜」
「うん、俺もそう思う、でもどうしても胸騒ぎがするんだ…」
「隊長、大丈夫です」
「凪…」
「そやで、ウチらは魏の三羽烏、三人一緒ならどんな事になったって大丈夫や」
「真桜…」
「隊長、心配してくれてありがとうなの、隊長に心配してもらえたからもう大丈夫なの♪」
「沙和…そうだね、ありがとう三人共」
「ええんや、隊長はウチら心配してくれたんやろ?」
「隊長の方こそありがとうございます」
「隊ちょ〜、それじゃ行ってきますなの〜」
三人が馬に跨がる
「あぁ!早く帰って来いよ!」
…俺達は彼女の姿が見えなくなるまで眺めていた
「行っちゃったね…」
「桃香様、これでお別れという訳ではありません、次の魏の訪問までには三人共帰って来ているはずです」
「そっか♪それじゃ精一杯お出迎えの用意しないとね!」
「桃香様!呉の訪問の方が先です!」
「桃香お姉ちゃんはやっぱり抜けてるのだ」
みんなに笑いが起こるなか俺は一人…
「…真桜、頼んだよ」
去った部下に思いを馳せる
この別れがこれから起こる大乱をさらに混迷させるとはこの時誰も知るよしもなかった…
次回から物語の雰囲気がしばらく変わりますので今までは〜の事というアニメのタイトル形式でしたが変わります