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23話 拠点フェイズ3日目(昼)



三人娘は明け方帰って行った


「隊長…ありがとうございました」


凪が頭を下げる


「隊長、気持ち良かったで〜」


…そりゃどうも


「あうぅ…隊長激しいのぉ…」


…ごめんなさい


「隊長…多分一月程だとは思いますが…」


「うん、待ってるからね」


「…隊長、あんま浮気したらあかんで♪」


「…善処するよ」


「あうぅ…寂しいのぉ…」


「大丈夫…ちゃんと待ってるから…三人の事…」


「それじゃ隊長、そろそろお暇するで」


「隊長、ありがとうございましたなの〜」


「それでは明日は準備で忙しいと思いますので、あさっての出発の前の宴の席で…」


「三人共、少しは休めよ、無理して体壊したら許さないからな」


カチャリと扉が閉まる


途端睡魔が…


…ぐぅ



……


………


カチャ…


…誰か入って来たな…どれくらい寝てたんだろ…


カチャカチャと食器をいじる音と共にいい香がしてくる…


ゆさゆさと身体を揺さぶる感触を感じ一言


「起きて下さい♪兄上…」


「…ん、涼華か?…」


「はい♪おはようございます♪」


眠い目を擦りながらテーブルを見れば色とりどりの料理が置いてある


「涼華、あれ一人で?けっこう仕込みに時間かかったんじゃないか?」


自分で料理をするようになって気が付いた事それは仕込みには味に見合うだけの時間が必要だという事だ


そしてこの料理は間違いなく随分と時間がかかってるはずだ


…なにより香りがそれを物語る


「二人分って事はご飯まだなんだね、じゃ一緒に食べよう」


作り付けの椅子を彼女の方へ渡し、いそいそと執務用の椅子を持ってくる


「さ、座って、一緒にご飯にしよう」


…なかなか椅子に座らない彼女の様子を不審に思い顔を上げた瞬間、俺はドキリとした、


…彼女が大粒の涙を零していたのだ


「ど、どうしたんだ!?涼華!?」


「え、あ、ご、ごめんなさい!な、何でもないので心配しないで下さい!」


あせあせと座り


「さ、どうぞ!おかわりもありますから!」


急いでご飯を盛ってくれてるがさっきのが気になってしょうがない


「俺…何か傷付けるような事言っちゃった?…」だとしたら最低だ…傷付けた原因を相手に聞いてる時点で阿呆だ…しかし原因がわからないようでは改善しようがないし…


「いえ!そんな事!」


「じゃあどうして?」


…何か考えるようなそぶりをする涼華、意を決したように顔を上げると


「…兄上の事はお話しましたよね?…私兄上と二人で食事をしたことがあまりなくて、ご飯の時は何時も一人でした…朝は早く、夜は遅くまで仕事をしてた兄上は私の為に必死に頑張ってるのはわかっていたんです…でも…それがなにより寂しくて…目の前で私の料理を食べてくれようとしてる北郷様の姿を見ていたらつい…」


喋ってる間に目の端にまた涙が溜まる…


「…そっか、涼華は寂しかったんだね…」


彼女を抱きしめる


「ちょっ!北郷様!?」


「…兄上って呼んでくれ…涼華が寂しい時は今は俺がいる…飯、一緒に食べよう!」


この娘は悪い娘ではない、少し愛情表現が苦手なのだ…それがちゃんと出来るまで俺が傍にいる…


「!!!…はい!兄上!」


…俺達は笑顔で食卓についたのだった

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