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20話 拠点フェイズ(昼)

華琳SIDE


今日は朝一からの軍議の席で気になる発言をした人物の様子を見に来た


なのに…


「…これはどういう事?」


彼女の部隊が訓練しているはずの練兵場では何故か季衣が代わりに訓練をしていた…彼女、春蘭の部隊を…


状況を見れば春蘭が訓練を放り出しいなくなったようにしか見えない


「…季衣、春蘭は何処?」


「あ、あわゎ…華琳様ぁ」


…できうる限り優しく聞いたのに季衣の顔は強張るばかりだ


「季衣、もう一度聞くわ…春蘭は何処?」


「はひぃ!しゅ…春蘭様はお部屋で書き物をしてます!」


…書き物?あの勉強嫌いで字を書くのも嫌う彼女が書き物?


「…季衣、春蘭を庇う貴女は嫌いではないわ、でもそんなつまらない冗談は今回限りにしなさい」


「華琳様ぁ、ほんとなんですよ〜、疑うならお部屋に行ってみて下さい、『華琳様に見せられる書簡を書く、もし部屋にいなかったら稟か風の部屋にいる』って言ってました」


「…わかったわ」



……


………


「何よコレ…」


春蘭の部屋に入り唖然とした華琳、まさか秋蘭ではなく春蘭の部屋で書簡の山を目撃するとは…


「まさか…本当に?」


どうやら春蘭の筆跡の様だ、ミミズがのたくったような文字が連綿と連なる書簡は全部書きかけでやめた物ばかりらしい


「えぇと…『新訓練取り入れについての草案』…へぇ…」


思ったより内容はきちんとしている、この山すべてほぼ同じ内容の様だ


「…誤字、脱字の類いで全部書き直してた様ね…」


そこは春蘭らしい


「季衣の話では稟か風の部屋だったわね…」


間違いの添削でも頼んでいるのだろう


「部屋で待った方が良さそうね」


春蘭の草案、華琳は期待して待つ事にした…




風SIDE


「…もう策はなりました、後は風の掌で躍るのみ…」


「…風、それは私の台詞なんですが…」


「はわわ、策が成功しちゃいましたぁ〜」


「それは朱里殿…」


「あわわ…

「もう良いっ!!」」


スパンッ!!


「おぉっ!稟ちゃん、素晴らしいツッコミですよ〜」


「…で、もう策は動いた様ですね」


「ふふふ、華琳様はもう風の術中なのですよ、今はもう春蘭ちゃんを待つ為お部屋で待機しながらお仕事中なのですよ」


「受動策を得意とする風にしては珍しい行動策ですね、風」


「策って?何の話だよ?二人共?」


「ふふっ、風はどうやってお兄さんを風の魅力で落とすか策を練ったのですよ、それが今目の前で発動中の『普段は素直になれない風が積極的にしたらお兄さんは落とせる』の計ですよ」


「何と恐ろしい!もう俺は風の術中に嵌まってたのか!!」


「ふふふのふ、もうお兄さんは風の虜ですよ〜」


「あ〜…素直な風なら策だろうが嵌まってたいかも」


自分の膝の上に座る風を抱きしめる


「あぅ〜…お兄さん苦しいのですよ〜…」


しかし、嫌そうではない


「風は北郷殿には素直に甘えられて羨ましいですね」


稟は苦笑している


「稟ちゃんはあまのじゃくさんですから華琳様に甘えたくとも甘えられなくて風に嫉妬してるのですよ〜」


「ふっ、風っ!!」


「おぉ!怖いですよ〜、お兄さん〜」


しがみついて来る風はいたずらっぽく微笑んでいる、稟をからかって遊んでいるのだ


「風、稟をからかっちゃだめだよ、稟にとってはかなり深刻な問題なんだからさ、な?稟」


「は、はい…ありがとうございます、北郷殿…」


「そうでしたね稟ちゃん、申し訳ありません、しかし稟ちゃん、風はお兄さんが帰ってきた今が良い機会だと思っているのですよ」


「それはいったいどういう…」


「せっかくお兄さんが帰ってきたのですよ、前の様にお兄さんで特訓を…」


さっきまで膝で丸くなっていた家猫はいつの間にか獲物を狙う虎へと変身していた…


「ふっ、風!お、落ち着いて下さい!前の時は結局失敗に…」


「ふっふっふっ、あれから風は考えたのです、どうも稟ちゃんは華琳様をあまりにも神格化し過ぎているようですね、華琳様をもっと身近に感じられるようにお兄さんと二人、たっぷりと鍛えてあげますですよ〜…さぁ、お兄さん、手始めに稟ちゃんを脱がしますよ〜!」


「ちょ!風!…あ…待って…て、あ、きゃ〜!」


…こうして俺は真昼間から風と稟とで楽しい時間を過ごしたのだった…いや、役得だね

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