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19話 内の軍師さん…の事



薄暗い部屋の中、集まる魏の中枢の人物達、と言っても脳というべき人間は現在北郷一刀とにゃんにゃんの真っ最中である


「皆さん、集まりましたか〜」


今日の招集をかけた人物が進行の為人数を確認する


「ひぃ、ふぅ、みぃ…おや?華琳様が抜けて人数十一人のはずが何故十二人ですか?」


皆に緊張が走る…華琳にばれたのかと構えたが


「す、すみません!」


その謝った声に聞き覚えのある数名が反応する


「…その声は涼華か?」


「は、はい!秋蘭様」


「何故この場に?この会は古参の人間しか知らないはずだが…」


「いえ、それが…」


「あぁ、すっかり忘れてました、涼華ちゃんを呼んだのは風でした」


「ふっ風様ぁ〜(泣)」


「風、事情を説明してもらえるか?」


「今日の会議の議題を聞けばわかるのですよ、…では会議を始めましょ〜、今日の議題は『華琳様のお兄さん独り占めにして我々との会話を禁止した件』についてですよ」


「「「「!!!」」」」


皆は思った…あぁ、みんな同じ疑問、持ってたんだなと


「風は少しご立腹なのですよ、華琳様のお休みが次の週までないのは承知していましたがまさかあのような暴挙に出てお兄さんとの時間を1番に得ようとは」


いつもの眠そうな半眼は怒気+で半ばキレている様に見える…


「ウチも今回は風の意見に賛成や、ウチもこのやり方は気に入らんわ」


一刀が帰って来たというのに一刀が女の子との直接の接触を禁止された為苛立ちから酒の量が普段の3倍〜5倍に増えていた(ツケはすべて華琳につけてはいたが一刀の占有料にしては安いと思いもう少し飲もうと思っている)


「申し訳ありませんが私も風様に賛同します」


「私もなの〜」


「ま、魏の種馬が女に手ぇ出した位で出入りおしゃべり禁止した大将には賛成できへんな」


三羽烏も風に従う


「ねぇ流琉?」


「どうしたの?季衣」


「兄ちゃんに甘えたいならどっちに賛成すれば良いの?」


「季衣ちゃん、風の方に来ればお兄さんとの楽しい時間を約束するですよ」


「わ〜い♪風様に賛せ〜い!」


「季衣!そんな簡単に…」


「流琉ちゃん、流琉ちゃんはお兄さんに甘えたくはないのですか?」


…流琉の体は風の方に流れた


開始10分足らずで半数の人間が風の元に着いた


だが一人、北郷程度では揺らがない魏の頭脳に最も近い(と自負する)ねこみみフード軍師が立ち塞がったのだ!


「…北郷の一件で何を企むか知らないけど、華琳様への謀反は認めないわ、この企て、華琳様へ報告し、然るべき処罰を貴女達に与えるわ」


スッと席を立つねこみみフード


が、風が何も策もなくこの場に桂花を呼ぶ訳がない


「…桂花ちゃん、この話は桂花ちゃんには悪い話にはならないのですよ」


ピタリと足を止める桂花、ここで足を止めた時点で風の勝利は確定した


「風達はお兄さんを手に入れる事を目的としています、つまり『華琳様からお兄さんを離す』というのも目的の一つなのですよ」


ビクッと桂花の肩が震えた


「…桂花ちゃん、風の策を理解して頂けて風はうれしいですよ」


悪魔の微笑みだ


「…ちゃんと策は有るんでしょうね?」


…華琳との時間に半分トリップしているねこみみ軍師は気付かない


ガラガラと木箱から木簡を取り出す風


「この一週間自分のお仕事がない時間にためた新しい案件や華琳様に目を通して欲しい案件の束ですよ、これをいくつかに分けて華琳様へと見せにいけば…」


桂花の目が輝く


「桂花ちゃん、協力をお願いしたいのですよ」


「…華琳様の傍へと北郷を近付けないようにするためには仕方ないわね」


…ねこみみフード軍師、あっさり陥落


「後この華琳様の引き留め役は稟ちゃんと春蘭ちゃんと秋蘭ちゃんにもお願いするですよ」


「わ、私もですか!?」


「わたしもか?」


「なるほど、毎日同じ人間では華琳様に怪しまれる、か」


「はい〜、武将からに見える案件もありますので華琳様の寵愛を受けてる四人が日替わりならば華琳様も話を聞かざる負えないでしょう、よろしくお願いしますですよ」


「なぁ秋蘭…」


「風は姉者に華琳様の寵愛を受ける事のできる方法を教えてくれるそうだ」


「何っ!?本当か!?風!!」


「はい〜、ではお耳を拝借…ごにょごにょ…」


「ふむふむ、これを渡しながら…ふむふむ…良し分かった!それを明日からやれば良いのだな!」


「はい〜、それと明日の午前中の訓練は春蘭ちゃん抜きにするよう指示を季衣ちゃんが春蘭ちゃんの隊に伝えるですよ〜」


「は〜い」


「…では明日から段取りの通りみんな動きますですよ、昼間は風と稟ちゃんが、夜は霞ちゃんと秋蘭ちゃん、お兄さんのお相手ですよ、明日以降の順番は随時連絡を取り合ってですよ〜」


こうして居眠り軍師の策略は彼女の予定通りに幕を開けた

…風黒かったですね…お好きな方ゴメンなさいm(__)m作者も大好きです、でもなんか嫉妬してほしかったんです…

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