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2話〜一刀ルート〜

 


…ふぁ〜…ねみぃ〜…昨日も徹夜で文献漁ったからな〜


「かずぴー!隙あり!!」


背中ごしに飛び掛かる及川をいなして


「よぉ、及川」


片手を上げて挨拶を交わす


「かずぴーヒドッ!!せっかく俺がスキンシップ取ろうとしとるのに〜」


「いらん!お前も少しは大学生らしくおかしな事はやめろよ…」


「最近かずぴー俺の相手なんかしてくれないやん、なら俺からスキンシップ取りに行くしかないやろ?」


自分の肩を抱くようにしながらタコの様に唇を伸ばす馬鹿、はっきり言って気色悪い


…確かに最近相手にしてないが…


「仕方ないだろ、お前は普通科、俺は考古学科なんだからさ」 


…すっごいジト目で睨む及川


「…それがおかしいねん…かずぴー高二の後半まで歴史なんか全然興味無かったはずやん」


…まぁそりゃそうだ、冬休みに心変わりの原因があるんだから


「前からそれなりに強いって程度評価やった剣道もめちゃめちゃやる気なって高校の全国大会優勝やろ?」


「お前だけにはそれなりとか言われたくない」


人生をそれなりで生きてる奴より格下とかやってられん


「漢文もクラストップの俺に続いて出来ない子やったのに、いきなり出来る子なりおってからに…俺の立場はどうなんねん!?」


「クラスでビリなの自慢すんな、てかもう高校卒業してるんだからいまさら関係ないだろ」


 


「…なんや機械いじりやらも始めたらしいやん」


…向こうの科学発展の為だ


「んで、これが一番の問題や…」


及川の視線に殺意が篭る


「なんでお前のロッカーにはそんなに大量のラブレター来んねん!!」


ロッカーを開けたらどさどさとラブレターの山が床に散らばる


高三の春位からちょくちょく来はじめ着実に増えてるラブレター


やはり向こうから戻ってから俺は何かしら変わったらしく


ラブレターをくれた同級生の■■ちゃん曰く


『二年の時より凛々しくなった』んだとか


しかし俺はこのラブレター群に色良い返事はしたことはない


…俺には最愛の女性達がいる


だから悪いとは思うが中も開けずに全部捨てる


大半の人間は冷たいとかせめて顔を見てから返事ぐらいしたらという


それができれば俺も苦労は無いのだが…もし目の前で泣かれたりしたら断れなくなりそうな予感がしてどうにも…


ただ釈然としないのは隣にいるこの男だけが


「かずぴーホンマに優し〜な〜」


等とほざく


なんでそういうか聞くと


「だってかずぴー元々振る気やから中読んで相手に期待さすより嫌な奴演じてすぐに諦め付くようにしてるんやろ?」


 


…鋭い考察、及川恐るべし


「でもかずぴー甘いで、そりゃ周りで騒ぐだけのミーハーな子ならすぐにやめるやろけどかずぴーがホンマは優しいの知っとる子には逆効果や、そういう子にははっきり好きな子おるの伝えてあげな」


「お、おい!?おまっ!?なんでそれ!?」


何で好きな娘いるの知ってんの!?


予鈴が響く


「おっと、時間や、ほなな〜かずぴー♪」


「あ!?ま、待て及川!!」


脱兎の如く逃げ出す


「ホントニアイツナニモンダヨ?」


 


先生が歩いて来るのが見える、とりあえず授業受けるか…



………


……



ふぅ…


俺は今資料庫で調べ物をしている


もちろんあの世界に行く方法をだ


後漢末期から三国時代終焉まで文献はあれども行き方なんか書いちゃいない


当たり前だよな、そう簡単に行けるなら今頃日本には考古学マニアなど一人も残っちゃおるまい


「相変わらず熱心ですね、北郷君」

今声をかけて来たのは資料庫の管理担当の吉田先生だ、眼鏡でほっそりとしたスタイルの男の先生で俺は良く資料室にくるのでもう既に顔なじみだ


「あ、もう閉めちゃいますか?」


 


まだ春とはいえ五時過ぎれば日も落ちるか…


「いえいえ、北郷君があまりにも熱心だから少し手助けしたくなりましてね」


…手助け?はて、いったい何だろう?


「管理人室の奥の保管庫をご存知ですか?本来は落丁や表紙の日焼けを防ぐ目的の場所なのですが、珍しい本も多数あるのでもしかしたら北郷君の探している本も見つかるんじゃないかと思いまして」


カツカツと足音を鳴らし歩く後ろを追う、開いた扉から続く長い地下への階段を下り、そこにあったもう一枚の扉を開けば…


「…すげぇ…」


なんという蔵書の数、まさにそこは宝の山だった


「私は上にいますので終わりましたら声をかけて下さい」


 


「…ねぇ、吉田先生、ここの本何冊か借りられないですか?」


吉田先生が苦笑した、やっぱダメか!?


「本来は持ち出し禁止の書籍なのですが…見せると言った手前休憩時間や放課後だけで調べろ、というのは酷な話ですね、良いでしょう、一回に付き一冊ずつならば許します」


「良いんすか!?ありがとうございます!!」


「では私は上にいますのでごゆっくり」


………


……



…結構探したな…目星を付けた本は何冊かあるが開くと何の事はない物ばかり


やっぱり異世界に行く方法なんざ書いてる本があるわけないか…


次の棚で今日は最後に…


隣の列を覗き込む…


ん?なんだあれ? 


整然と並んだ本の中一冊だけ飛び出した本がある、あ〜おまでの棚を見てきたから次はか行か…


本当に何となくだ…

その本を手に取り裏を見た


名前には『管輅』と書いて有った…

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