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8話 外史の扉開く、の事

 


「ギャ…」


一刀の悲鳴は目の前の太い二本の腕に塞がれた


「ごぉしゅじんさま〜、会いたかったわぁぁ!♪」


ぎりぎりと音を立て締め付ける太い腕、なるほど、胸筋の厚さは伊達ではないようだ


(…って冷静に分析してる場合じゃねぇ!!死ぬ!このままいったら行く前に逝く!!)


「あら、ごぉしゅじんさま、こんなにお顔真っ赤にして照れちゃって〜、ウ・ブ・な・ん・だ・か・ら」


巻き付いていた太い腕がようやく解かれると俺は地球の空気に感謝しつつ胸いっぱいに吸い込み続けた


………


……



とりあえず現在移動して俺の部屋、正直『これ』を部屋に上げるのはかなり、かな〜り抵抗が在ったが自分の客に茶の一杯も出せない不心得者とも思われたくないため入ってもらった


「はい、どうぞ、で、あんた何者?何で俺の事知ってる…てゆ〜か何で俺の事ご主人様なんて呼んでるんだ?」


「私の知ってるご主人様は正確にはあなたではないご主人様なの…」


「は?」


「貴方だけど貴方ではない、貴方として存在しているけど貴方としての意識を持たない貴方、それが私のご主人様、この言葉の意味が分かってもらえるかしらん?」


俺として存在しているのに俺という意識はない俺?


「…つまり並行世界の俺って事か?」


 


言うなれば俺の知ってる歴史上の曹操と華琳の違いか


「理解が早いくて助かるわん♪さすがご主人様♪」


…だからしなを作るな、科を…


「…並行世界の俺に仕えてたのか…んでどうして俺の所に?」


「…私はあなたにお願いがあって来たの…」


今までのちゃらけた雰囲気は霧散し一気に空気が変わった


「私の名前は貂蝉、都で踊り子をしてる女、だけどそれは仮の姿、本来は外史を管理し導く管理者と呼ばれる人間よ」


なんですと!?『これ』が三国一の美女ですと!?


いやそもそも外史の管理者って…


「…貂蝉、君は俺を華琳の所へ導いてくれるのか?」 


「それはこちらがお願いしたい事よ、でもご主人様、良く聞いて…管輅の書に書かれていた『暗雲』…これからご主人様が巻き込まれる戦は先の三国統一なんかより大きな戦になるわ」


「相手はいったい何者なんだ?…まさか三国間の同盟が…」


首を横に振る貂蝉


「相手は外史の管理者よ…私達と敵対する側のね」


「敵対する管理者?」


「私達管理者は生まれた外史を見守り、外史を一つの形として残すのを目的としているの、でも彼らは違うわ、外史という不確定要素の中の正史にそぐわない部分を極力『排除』して多少違いのある正史として完結させるのが目的なの」 


身体が震える…それはつまり


「…正史で死んでる人間を…殺すって事か?」


肯定の意味で首を振る貂蝉


「みんなが、…死ぬ?」


天下統一を成したのは曹操の子曹丕だ…歪みを正すならば『根本』から矯正しないといけないはず…


「華琳達をそいつらは狙ってるのか?」


「…曹操ちゃんだけじゃないわ、劉備ちゃんの軍や孫策ちゃんの軍も、歴史上死んでしまった人間は一人残らず彼らは消すわ…」


…決まった、俺のやることは


いや、そもそも決まってた、俺は向こうに帰るんだから、…彼女達との約束を守るんだから


「貂蝉、頼む、俺を…俺を華琳の所へ連れて行ってくれ!」 


地に額を擦りつける程に深い土下座で頼み込む


「やっぱりご主人様にお願いに来て良かったわ…任せて、ご主人様は私が責任持って向こうへ送るわん♪」


そういって何処からか鏡を取り出す貂蝉


…随分古めかしい物だが…


「…鍵たる存在北郷一刀の命により今、扉開かれん!!行くわよ〜ん!!」


持っていく荷物と刀二本を抱え俺はそのまま光へと呑まれた…

次は閑話休題、一度本作の独自設定等を整理させていただきます

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