戦士免許取得試験 ー下ー
ーーー神歴1789年1月10日,戦士免許取得試験,会場---
俺は敵が向かってくる逆方向の西へ逃げた、さっきみたいな戦いを連続で繰り返したって疲れるだけで無意味、人数が減るのを待つべきだ。
西に3kmほど逃げて敵を撒いた、そこには奇跡的に洞穴が存在していて休むことができた。約30分間仮眠を取り、後の戦闘(出来れば避けたい)に有利になれるアイテムが無いか探す。
見つかったのは良くわからない赤い液体の入った瓶と、包帯。とりあえず包帯でさっきの完全には治っていない傷口を塞ぎ、移動した。「残り人数は何人いるんだ...?」確か待機場所には軽く200人はいた気がする。その中の10分の1しか免許を取れないなんて狂ってやがる。
なんてことを考えながら、森を歩き回っていると俺は斧を持っている敵と遭遇した。この距離では逃げるのは非現実的な気がするから、俺は剣を鞘から引き抜き、前方で構えた。
ん?よく見たらこの敵は女の子じゃないか、一瞬手加減しようかと考えたが、それで負けたらそれもそれでどうかと思い、全力で戦うことした。
するとそいつはブーメランのように斧を投げた。俺は咄嗟に避けたが、その斧は持ち主の手の中に戻った。どういうことだ?まさかこれも魔法なのだろうか、本当に何でもできちゃうんだな。だが俺も近づいて剣を振る。そいつは斧の柄の腹で攻撃を防いだ。俺は負けじと力をこめる。だが相手も同じどころかそれ以上の力で押し返してくる。俺は次第に押され切って、弾かれた。
「フェビル・フレイム・アグレッション・アクティベート」
俺は火属性攻撃術を唱え、左手で発動した。だがそいつは簡易防御術を使って攻撃を防いだ。
またもやマズいぞ...腕力勝負では負け、魔法は防がれる。
俺は高速で攻撃することにした。速さには自身がある。
俺はさっきより重みは落ちるが、相手の攻撃回避難易度が跳ね上がる一撃を肩に打ち込んだ、敵は肩を抑え怯んでいる。今だ、俺は重みのある一撃を敵の背中に刻もうとした、だがそれはギリギリで回避された。そいつは俺を蔑んだ目で、どこか必死そうに斧を振りかぶり、頭から体を割ろうとた。
ーー◯ーー□ーー△ーー×ーー
僕はもう既に2キルしている、そして3匹目の獲物が背中を向けて誰かと戦っている。
そいつは斧を持った女の子だった、16歳くらいに見える。
「後ろには気をつけてねー」
そう言うと僕はスナイパーライフルのトリガーを引いて発砲した、ドンッという重低音を大きく鳴らしながら12.7×99mmの弾丸は時速約800mのスピードで真っ直ぐ飛んだ、そのまま弾丸は落ちることなく敵の頭を貫いき、そいつは一瞬で負傷限度値に達し、姿を消した。
「お、いるいるー僕の獲物ー」
そこにいたのは片手剣を装備した男、こちらは18歳くらいに見える
「Your lose.(あなたの負け)」
僕はまたトリガーを引いた。
「.....!?...嘘でしょ...避けたの....?」
ーーSーーW--O--R--D--
戦っていた女の子が消えた、まだ負傷限度値に達する雰囲気はなかったはずだ。
その直後大きな音がして、右側から何かが飛んできていることに気が付いた。俺はバク転してそれをかわした。飛んできたものは細長い弾丸、つまり敵は銃を持っている。そして連射ではなく単発で飛んでくると言うことは、おそらく敵の武器はスナイパーライフル、音から察するに対戦車級のものだ。
だがすぐに二発目は飛んできた、三発目四発目も同様にかわす。だが四発目は隣のちょっとした岩を貫通した。
「これは相当厄介だぞ...」
多分これを避け続けるのは良くない気がする、着弾音を聞きつけた敵はすぐさま俺を殺しに来る。
となると倒すしかないのだが、なんせ相手は狙撃手だ。どこにいるかなんて分からない。だが飛んできた方角は分かるし、角度から考えて山の上から狙っていることは無いだろう。
俺は狙撃手のいるであろう方角に向かって走った。
五発目が飛んできた、
だが俺は横にズレてかわす。
六発目、屈んで避ける。
七発目、バク転で回避。
八発目、側転でかわす。
九発目、剣で防ぐ。
すると銃撃が止まった、リロードに入ったのだろうか。つまり敵の銃は装弾数九弾以上だと言うことだ、その間に俺は速度を上げて走った。
十発目が飛んでくる、だがそれも剣で華麗にかわす。発砲音が響いてから弾丸が届く時間が短くなっている、敵は近い!
そして遂に狙撃手らしきうつ伏せ状態の人物を発見した。
「フェビル・フレイム・ドゥンケル・ミキシング・ブースト・アグレッション・アルマー・アクティベート!!」
俺は術式を早口で唱え、その場で大きく飛び跳ね、落下しながら剣を振りかぶった。
だが狙撃手は背中に隠していた拳銃を取り出し、俺のことを撃った。
結構痛いが落下中なのでどうにも出来ず、姿勢を崩さずそいつを切り込もうとした。
だがその瞬間、意識だけが残留して時が止まった。
「残り人数が10人となりました、大転移門に全回復状態で転送されます。お疲れ様でした。」
そのようなアナウンスと共に俺は身体が砕けるような感覚とともにその場から消え去った。
タイトルを変えました。
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