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075 デモン・セル

「ほほほほほほっ‼︎驚きましたよ。キリクさん、あなたこれがわかるんですか⁉︎」


「……かじった程度だがな」


「いやいや、加護無しでこれがわかるのは相当でしょう!あなた知識に関しては錬金術の中でも上級レベルはあるんじゃないですか?いやあ、廃れた錬金術を私以外にも学ばれてる方がいるなんてこんなに嬉しい気持ちになったのは久々ですよ!」


「お前と違って俺は嬉しくないな。なんせ、それを作れる奴がいたとは……。お前デモン・セルをいくつ持ってるんだ……?」


「ほほほ、さすがにこれは言えませんね。しかし残念ですよ。あなたとはもうちょっと話をしたかったのですが、そろそろ行かないといけません。だから……」


 タクロムは手に持っていたデモン・セルを軽く投げると地面に落ちたデモン・セルが赤く光りだした。


「この子に私が逃げる時間を稼いでもらいましょう」


 タクロムはそう言うと踵を返すとすぐさま走り出したのだ。


「タクロム、待て!」


 俺はすぐに後を追おうとしたが、赤い光りの中から梟頭で熊の姿をした魔獣、アウルベアが現れ、邪魔をするように俺タクロムの間に立ち威嚇してくる。


 アウルベアか。


 ミスリル級の強さを持つ魔物でとにかくデカくて知性がなく凶暴である。

 だが、目の前のアウルベアはタクロムに飼い慣らされてるのか、主人の逃げる時間を稼いでいるようだった。


 無視をして追うのは無理そうだな。

 こうなったら、やるしかないか。


 俺は剣を抜き、力のアミュレットを発動させるとアウルベアに向かっていく。

 そんな俺にアウルベアはタクロムが逃げれるよう壁になりつつ攻撃をしてきたのだが、その動きは俺が知ってるアウルベアより精細さをかいており、俺には動きが読みやすく攻撃を避けやすかった。


 どうやら、タクロムは飼い慣らす魔物を間違えたようだな。

 そもそもアウルベアはその凶暴さと野性の本能でくる攻撃が怖いんだ。

 魔物に関しての知識はタクロムにはないのかもしれないな。


 俺は攻撃の隙ができたアウルベアの横に回り込むと剣を振り、首を斬り落とすと再びタクロムを追おうとしたのだがもう既に姿も気配も消えてしまっていた。


 やれやれ。

 こいつは立派に仕事をしたということか。

 仕方ない、戻ろう。


 俺はアウルベアの死体を回収した後、ブレド達と合流する為に来た道を引き返していったのだが、ブレド達の方でもどうやら戦闘があったらしく、合流した辺りの地下水路は滅茶苦茶になっていた。


「壁に天井がヒビだらけだな。どんな敵と戦ったんだ?」


「ハイ・グールにされたボナル達だ。数が多くてなかなか大変だったぞ」


「なるほど、ハイ・グールは壁や天井に張り付くからな。ちなみに闇人はいなかったのか?」


「残念ながらいなかった。キリク、そっちはどうだった?」


「捕まえられなかったがギネルバ商会のタクロムがいたぞ」


 俺はタクロムとした会話をブレド達に話す。


「そのタクロムって奴の言うことは信じられねえな。それに闇人がまだこの国にいるわけだろ?なら、国王よ、今日から王都の警戒度は上げておくぞ」


「ベアード、任せる。後、フォウは城内にいる連中を操られていないか今から調べてくれ」


「わかりましたあ」


「しかし、デモン・セルか……。まさか、魔物を携帯できる魔導具があるなんてな。キリク、ちなみにそれは量産できるのか?」


「魔物を揃えたり材料費はかなりかかるが、錬金術師の加護を持つなら可能だ。まあ、デモン・セルを作れる知識ど技量があるのはおそらくタクロムぐらいだろうが……」


「それでも脅威だぞ。奴は魔族と通じてるんだ。もし大量に作られたものを王都の中で使われたら……」


「……ああ、かなりまずいな」


「これは、城に戻って緊急に対策を練らなければならないな。しかし、奴らはこの王都に来て何をしようとしてるんだ?」


「それなら、俺がわかるぞ」


 俺はマルー達と出会ってから冒険者ギルドまで送り届けた話をする。


「そうか、そんな事が……。なら、鍛治師の件の時に話してくれれば良かったではないか」


「あの時はそんな雰囲気じゃなかったし、最悪スノール王国側が魔族と通じてる可能性だってあったんだから喋れるわけないだろう」


 最悪、そうなっていたら、勇者パーティーに説明してマルー達を守ってもらいながら王都を出ようと思っていたからな。


「ぐぬう……」


 俺の説明に何も言えないのか、歯軋りするブレドにベアード達は驚いた顔をする。


「キリクって国王の大事な秘密でも握ってんのか?」


「あれだけ言われて国王も怒らないぐらいですし、ただの冒険者ではないんでしょうねえ。ただ、もうちょっときつく言って欲しいものですよお。がつんとへこむぐらいねえ」


「ああ、良いお灸になるしな」


「くそー‼︎お前ら少しは国王である私の心配をしろ‼︎」


 ブレドに言われ二人は顔を見合わせ首をすくめてみせる。

 そんな三人のやり取りを見て、スノール王国の未来は大丈夫であろうと俺は思うのだった。


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