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072 疑われるスノール国王

 ついでにワーロイ達が落としていった武器などを何本か買い取りしてもらおうと見せたのだが、ナディアはその武器を見ると何故か急に難しい顔をしだした。


「どうした?賊が持っていたものだが、そういうのはここでは買い取りはできないのか?」


 場所によっては賊から奪ったものでも、冒険者ギルドなどに申請してからじゃないと使ったり売買できないとこもある。

 しかし、スノール王国領は大丈夫だったはずだがファレス商会は駄目なのだろうかと思っていると、ナディアが軽く首を横に振る。


「あっ、そういう事じゃないの。これは最近、造られたもの……つまり新品に近いのよね。中に魔力が込められた宝石が入っているし、腕の良い鍛治師じゃないと作れない逸品だから買い取りはさせてもらうわ。ただね、これって私が知ってる鍛治師が作ったものに似てるなぁって思ったのよ。まあ、調べようにも作ったのが誰かバレないように作成者のとこが削ってあるのよね。まあ、鑑定すればわかると思うのだけれど」


「なら、鑑定してわかったら、その鍛治師のいるところに案内してくれないか?俺達を狙ってきた連中の情報もわかるかもしれないからな」


「うーん、いいけど、もし、この武器を造ったのが私が知ってる鍛治師なら、その人がいるのって城内なのよ……」


「なるほど、王国御用達の鍛治師か……。それなら、この武器が新品に近い状態で外に出るのはおかしいな」


 普通、新しく造った武器は真っ先に城の連中に支給されるはずなのだ。


 ここはブレドに聞いてみるか?

 ……いや、最悪あいつが何かしら関わっている可能性もあるか。

 

 俺はそんな事を考えていると店内に人が入ってきた。

 しかもそれは白銀の騎士で、奴は入ってきて俺達の方に歩いてくると、決めポーズをしてきたのだ。


「ふっ、待たせたな、私が白銀の騎士いぃ……ってなんだ⁉︎」


 俺は白銀の騎士が決め台詞を言ってる最中に肩を掴み、近くにあったソファーへと連れていき雑に投げて座らせる。


「は……えっ、な、何をするんだ⁉︎」


「何をするかはお前の答え次第だ」


 そう言いながら俺は目を細めると白銀の騎士はブルッと震えた後、すぐに立ち上がり凄い速さでナディアの後ろに隠れた。

 しかし、俺が黙って見ているとナディアの後ろからゆっくり出てくる。


「な、何が聞きたいんだ?」


「ここだとアレだから、ナディア、また応接室を貸してくれ」


「わかったわ。しかし、キリクさんって本当に何者かしらね……」


「シルバー級、冒険者のキリクだ」


「既に説得力のない台詞ね。別のを考えた方が良いわよ」


 ナディアは呆れた顔で言うと俺達を応接室に案内するのだった。



◇◇◇◇



 応接室に案内された俺は白銀の騎士を尋問した。

 もちろん、ナディアには応接室の外で待ってもらっている。


「確かにこの武器は王国御用達の鍛治師が作ったものに間違いない。だが、私は何も知らんぞ‼︎」


「ふむ。真実の玉もペンデュラムでも嘘はついてないとでてるな」


「ふむじゃない!私がそんな事をする男だと思っていたのか⁉︎」


「念の為だ。お前が気づいてなくても最悪、何者かに操られてる可能性だってある。なんせ、今回は東側の魔王が絡んでるんだしな」


「そ、そうか!確かに狡猾の魔王バーランドならやりかねないな。しかし、これで私の疑いは晴れたわけだな」


「お前はな。だが、城内の者達は操られてる可能性があるかもしれんぞ」


「確かにこの量の武器が造られたなら私や家臣達の耳にも必ず届くはずだ……。たが、報告はなかった」


「まあ、まずはこの武器を造った鍛治師を問いただすのが一番だろうが、おそらく武器に使ってある魔力を込めた宝石をあれだけ沢山揃えるのは鍛治師だけじゃ無理だろう」


「仲間はいると考えた方はいいってことだな。キリク、手伝ってもらえるか?」


「ああ、相手に気づかれないよう、俺達だけで行った方がいいだろう」


「では、行くとしよう……。ふう、この件が終わったら徹底的に腐った連中を炙り出してやる」


「まあ、頑張れよ」


 それから俺達は、王都の中心の丘の上にある城に向かった。

 ちなみにこの白亜の城はネイダール大陸にある城の中でも五本の指に入るほど美しい城として有名である。

 そんな美しい城の正面から今の俺達は入れるわけはなく、王族専用の秘密通路を使い城内に入っていく。

 そして白銀の騎士はこの国の王に戻り、俺は適当に宮廷魔術師の服を借りて、鍛冶場に向かった。


「ブレド、鍛冶場には何人の鍛治師がいるんだ?」


「弟子を含め五人だな」


「なら、全員集めてくれ。それと発注書や納品書があれば見せてほしい」


「わかった」


 それからブレドによって鍛治師と弟子の五人が一室に集められた。


「お前達に質問がある。しかし、その前に思い当たる節がある者がいたなら前に出て喋れ」


 ブレドがそう言うが、冷や汗を垂らしながらも皆んな何も言わず黙りこんでいる。

 そんな六人を睨みながらブレドはワーロイ達が使っていた剣を鍛治師達の前に置く。

 その瞬間、全員の顔が真っ青になり震えだし、そんな連中の姿を見たブレドはがっくりと肩を落とすのだった。


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