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244 怪物との戦い

「ついに終わりの日が来てしまったようだな……」


 目の前の光景を見た聖人が、その長い髭を弄りながら、こちらに向かって来る怪物を悲しげに見つめて呟く。

 するとトーラスが焦りながら声をかけた。


「エラディオ様、すまない。突破されてしまった……」


「気にするな。トーラスも皆の者も良くやっていたよ。これは時が来たということで必然だったのだ」


「じゃあ、これで終わる可能性があるというのか?」


「うむ、成功して門が完全に閉じるか、又は門を閉じられずに世界が滅ぶか……。それも、終わらせる者に託されている」


 エラディオという聖人はそう言うと私達の方を見た。


「お前達もそうだな」


「私達も?」


「ふむ、まだ準備はできていないということか……。仕方あるまい」


 エラディオはそう言うと持っていた杖を掲げた。


「第八神層領域より我に聖なる力を与えたまえ……ホーリーレイン!」


 エラディオが魔法を唱えると、空に淡く輝く雲が現れ光り輝く雨が降り出し、その雨粒に当たった怪物達の動きが遅くなる。

 それを見たエラディオは髭を弄りながら頷くと私達の方を向いて言ってきた。


「これは時間稼ぎでしかない。だから、時が来るまでここであれを押さえるのだ」


「押さえる?異界の門まで行く必要はないってこと?」


「うむ、あの門に行くのは終わらせる者が来てからだ」


「終わらせる者?」


「今は深い闇に底に落ちているが、お主達と同じように神々に愛された者だ」


 エラディオは私とミランダを見てくるので、終わらせる者が誰だかわかってしまった。


 アレス……いえ、キリクね。

 それより、この人達は何故、彼の事を知っているの?


 私がそう思っているとエラディオが私に微笑む。


「我らが主、聖霊神イシュタリア様から聞いて知っている」


「ああ、勇者の加護には聖霊神イシュタリアの力もあるものね」


「うむ、そしてこれからお前達が必要とされることもな」


「そう、神々も噛んでるのね」


「そうだ。これは神々の戦いでもあるからな。だが、あの方達は直接手が出せない」


「……勝手な言い分ね」


「そう言ってくれるな。神々も後悔をして見えないところで犠牲を払っているんだ」


「別に責めてないわよ。わかったわ」


 私は頷くとブリジットを見た。


「ブリジット、おそらく戦っている途中で呼ばれる可能性があるからここからお願いするわね」


「わかったよ。なんなら、遠くで見てても良いわよ」


「ふふ、冗談言わないで。でも、お言葉に甘えて端でやらせてもらうわ」


「その方がいいよ。あんたらはこの戦いを終わらせられるかもしれない大事な存在だからね。じゃあ、今から白鷲の翼、蒼狼の耳は一緒に行動、紫の角笛はあたしらの後方支援を頼むよ」


 ブリジットがそう指示すると、言われた仲間達は全員頷く。

 その時、第一障壁の周りにいた魔物と戦っていた雷帝騎士団と雪花隊が駆け寄ってきた。

 彼らの表情からみてどうやら魔物は倒せたらしい。

 すると彼らに気づいたファルネリアが嬉しそうに言ってくる。


「ねえ、これなら怪物の足止めじゃなくて押し戻せるんじゃない?」


 ファルネリアが期待を込めながらそう言ってくるとトーラスが残念そうに首を振る。


「いや、無茶はしない方がいい。あの怪物は知恵があり、時々、こちらが想像できない事をしてくるんだ」


「それは、残念ね……」


 ファルネリアががっかりした表情になるとブリジットが武器を構えながら言ってきた。


「まあ、言われた通りあたいらは足止めしよう」


 ブリジットがそう言うと皆んな一斉に武器を構えて頷く。

 そして、ブリジットは怪物達に武器を向けて言った。


「連合軍、足止め開始!」


 ブリジットの号令と共に連合軍は怪物達に向かっていくと、すぐにトーラスを含む魔導兵団と鉄鋼騎士団も向かい始めた。

 そんな中、アンクルにいつ呼ばれるかわからない私達は、いつでも動けるように彼らの後を遅れながら進みだす。

 するとミランダが耳を垂らしながら心配そうな顔で私に声をかけてきた。

 

「先輩、本当にあたし達は呼ばれるんですかね……。サリエラで十分とか言われないよね?」


「大丈夫よ。あなただって十分魅力的よ。まあ、私の足元には及ばないけどね」


 私はそう言ってミランダに笑みを見せると、ミランダはすぐに突っかかってきた。


「あたしの方が百倍魅力あるよ!」


「ふふ、じゃあしっかり見せなさいよ」


 私はそう言ってミランダの頭を撫でると、こっちに向かって来る怪物を見る。


「来たわね」


 私がそう呟くとファルネリアが顎に手を当てて怪物を興味深そうに見る。


「貴族が着るような服を着ているけど、怪物に階級があるのかしら?」


「まあ、階級があろうがなかろうが私達に倒されるだけよ」


「まあ、違いないわね。とりあえず開幕は魔法でいくわね。リリアナ」


「わかった」


 ファルネリアとリリアナは頷きあうと同時に魔法を唱える。


「「第六神層領域より我に炎の力を与えたまえ……ファイアストーム!」」


 二人が唱え終わると同時に火柱が怪物を包み込む。

 そして火柱が消えると共に怪物は消えていた。


「倒したってこと?」


「トーラスが言うには倒すと溶けるらしいからね」


「でも、二人の魔法でいけるなら、一掃できるんじゃない⁉︎」


 ミランダが呑気にそう言うとリリアナが呆れた顔をしながら首を横に振る。


「無理。数を見て」


 リリアナはそう言って第三障壁を指差すと破壊された扉からは次から次へと怪物が出てきていた。

 しかも、皆んなが倒している数より出てきてる数が多いのだ。


「これはまずいわね。とりあえず私達も戦いましょう。ファルネリアにリリアナ、マルーを守りながらお願い」


 私がそう言うと二人は頷いたので、ミランダを見て目で合図すると二人で飛び出した。

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