歴史年表と世界情勢
【 天合暦 】
人類は暗黒の地上を離れ、厚く覆われた雲海の遥か彼方──天空に幾つもの浮遊する国家を築く。嘗て人類が天空へと移住した事が天合暦の始まりであると言われ、暗黒時代の夜明けと共に長きに渡る戦乱の世が幕を開けた。
天空へ移住した人類と地上に取り残された堕天の天地を別つ争いは激化の一途を辿り、そして“旧約星書”に記された『アルヴァの日』を境に人類は、地上に蠢く堕天を星霊の加護によって撃ち滅ぼす。
やがて世界は平和を取り戻し、現在は世界政府の統治下によってその秩序は保たれている。
〈紀元前1世紀〉
・伝染病:黒膚病の蔓延。
嘗て人類は、地上で高度な文明社会を築いていた。しかし、黒膚病の蔓延によって世界人口の約半数が死亡。黒膚病の感染から逃れる為、人類は地上を離れ、大気の薄い天空へと移住する。
過酷な環境に適応する為、一部の富裕層だけが遺伝子操作を行った結果──多くの種が生まれた。
・突然変異:堕天
地上に取り残された人類は衰退し、滅亡への一途を辿る中で突然変異を起こした。それはまるで悪魔の様な姿に変異し、次々と天空を目指して飛び立ってゆく。
〈天合暦012年〉
・暗天戦争、勃発
地上の堕天と天空へ移住した世界財閥の天地を別つ争い。
〈天合暦212年〉
・暗天戦争、終結──別名:アルヴァの日
約200年もの間続いた大戦乱は世界財閥の手にした“叡智の力”によって終わりを告げた。星霊の加護を授かった世界財閥は、地上を厚い雲海によって覆い隠す。
そして、雲海の深層には霊素の結界が張られた。以降は堕天が天空へと訪れる事はなくなり、世界に平和な時代が訪れる。
〈天合暦215年〉
・世界政府:星十字騎士教団の創設
世界を統治する宮廷協議会に12の王政国家が加盟。
各国の主要都市で“星教教会”の大聖堂『GRAND LODGE』が建設される。
〈天合暦660年〉
・白霧の国、第13代:白の王──暗殺
そして、第2王女失踪の噂が出回り、白霧の国は時代の変革に呑み込まれてゆく。
〈天合暦662年〉
・白霧の国、第14代:白の王──戴冠式
空白の2年を経て、第1王女がその玉座に即位する。
教団内部でも異例の大招集が行われ、時を同じくして、長年その姿を隠していた黒が遂に動きを始めた。
・メファリスの堕天
王都からの帰宅途中、祖母であるコーランド夫人から頼まれていた、薬草を摘む為に森の果てへと出掛ける。そこで、1人の星騎士と出会い、更には堕天の始祖である黒と遭遇してしまう。
星騎士は懸命にメファリスを守りながら戦うも、黒の前に敗れてしまった。そして、黒はメファリスに選択を迫る。
星騎士を喰い、生きるか──ここで、死ぬか。
・幽霊屋敷の惨劇
星騎士の腹ワタを喰い、何とか生き延びたメファリスは星騎士の遺体を引きずって家へと戻る。しかし、次第におかしくなってゆく感覚に、異常なまでの飢餓感が襲う。
そして、遂に祖母を喰い殺すとメファリスは、完全に自我を失ってしまった。
その様子を伺っていた黒は組織の一員であるメルティに引き続き、監視を命じる。しかし、メルティはキッチンの物を食い荒らし、監視そっちのけで遊んでばかり。
数日が経ち──カフラス達がやって来ると慌てて幻影に身を隠し、その一部始終を見つめていた。
・孤児院、襲撃
堕天化したメファリスは自我を失い、家族同然に育った子供達を次々に喰い殺してゆく。
エミリア・オルティス・ニフロ・カフラス・ダンの5人がその命を落とし、レイス・フロド・アレクの3人もまた重傷の深傷を負った。
そして、ザック・ナルバ・ジュリアの3人は修道女アマンダと共に、その姿を消すのである。行方不明となった家族を追い求めて、生き残った5人は教団を目指す事に……。
≪星十字騎士教団:入団編≫