魔力の暴走【2】
あお視点だよ
「ったく国王ったら…」
さっき町で騒ぎがあったと連絡があった。
国王が収めたとか言ってたので迎えに行くのだ。
あの人は放っておくとどこかへ行って帰ってこないことがあるのだ。
「あれ?国王いない?」
「あぁ、国王陛下なら森の方へ飛んでいきましたよ。」
「あ、ありがとうございます。」
国民からの情報を頼りに森へ飛ぶ。
上から見るとブロッコリーの集合体にしか見えない…
そこにポッカリとした穴が…
「湖?」
森の真ん中あたりに湖…降り立ってみると視界の端に白と黒をとらえる。
「国王っ!!」
木の根元にうずくまる国王。息は荒く、額には汗がにじみ出ている。
薄く開いた目はいつもの白と黒のオッドアイでなく、赤と青の瞳…
まるで別人。
「こ、国王…?」
触ろうとすると手を弾かれる。
「さ、わらないで…」
かすれた声で呟く国王。苦しそうだ。
吐息が熱い。これはかなりマズイ。
国王の言うことを無視して手に触れる。
「いっ…!」
魔力が俺の体に流れてくる。煮えたぎった魔力が国王の体の中で暴れてるんだ。
佳奈様に見せないと危ない。
そう直感が告げる。でも国王に触れられない。
「ぃ、や…助け、て…」
見えない何かに向かって拒絶を示す国王。幻影を見ているのだろうか。
とりあえず気休め程度に厚い手袋をつけ、国王を持ち上げる。
少量流れてくるが少量だから大丈夫…
国王を揺らさないように秒速で空へ飛び立った。
青葉君視点主久しぶりだね。お久しぶり〜
ずっと国王だったもんね。
でもなんか大変なことになってるね。
がんばれ。←授業ナウ




