魔法の暴走
国王視点です
「っ!何事?!」
とりあえず国民を避難させないと…
「誰か…た、すけ…」
「黙れ!早く車と金を持ってこい!さもねぇと…こいつを殺すぞ!」
黒ずくめの男は定番の言葉を叫ぶと人質の小さな女の子の首筋にナイフを当てる。
首筋からツ…とアカイモノがつたっているのが見える。
許さない…あんな小さい子を傷つけて…
フツフツと怒りが湧いてくる。
「た、助けて…こわ、いよ…」
小さな女の子はあまりの怖さにポロポロと大粒の涙をこぼす。
大丈夫…今すぐ助けてあげるから…
群がる人々をかき分けて騒ぎの真ん中へ向かう。
「お、おい!止まれ!こいつが死んでもいいのか?!」
あぁ、煩い。耳障りだ。
魔力を目に灯して男を睨みつける。
「ぐっ…うがぁ…い、きが…苦し…」
苦しそうに声を上げる男。そんなの御構い無しに締め上げる。
このまま私が手を握ってしまえばこいつは死ぬ。
でも小さな子の前でそんな殺傷ことをしてしまったら一生のトラウマになってしまうだろう。
そう思った矢先だった…
「っ…?!」
急に目が熱くなる。身体中の魔力が煮えたぎる。
思わず手を握り締めそうになる。「ぐえっ」とカエルを潰したような変な悲鳴が聞こえ慌てて手を緩める。
そのまま男は気を失う。目を離されるので男は床に落ちた。
「ありがとう国王陛下!」
「国民を守るのが仕事だからね!」
頑張って平然を装って親の元へ送り返してあげる。
「じゃあね。」
「バイバーイ!」
満面の笑顔でこちらに手を振る女の子。ぺこりと深くお辞儀をする母親。
いいな…私もあんな風になりたかった…
そんな悠長なことを思ってる場合ではない。急いで森に飛ぶ。
限界はすぐにきた。
私は膝から崩れ落ちる。目の前が真っ赤に染まる。
悲鳴、泣き声、呻き声…色々な声が聞こえる。
警報がガンガン鳴る。
あぁ、煩い…うるさいウルサイ!!!黙って!!!
最後に見えたのは赤く染まったナイフだった。
なーんか大変なことになってるね。大丈夫かなー(棒読み)
次回が楽しみだねー
バイバーイ




