狐のお面
国王視点です
いつもの蜂蜜色の瞳は無く、紅に染まった瞳がゆらりと揺れる。
次の瞬間…
突然敵兵の首が吹っ飛ぶ。
血の噴水が出来上がり、地面を濡らす。
目にも留まらぬ速さで殺し回るモモ。
いつもの殺し方とちがう。ナイフを使わず、己の爪と牙で敵を殺してる…
「モモ!」
名前を呼んだって気付かない。
目を爛々と輝かせ、ただただ殺し回るモモ。
これじゃゴットマザーと同じになってしまう…!
ゴットマザーは遠距離の拳銃だからまだいい。
でも…モモは肉弾戦だ。素手だから迂闊に近づけない。小回りがきくし、何より戦い慣れているから隙が無い。
「国王…どうすれば…」
顔を強張らせて狐のお面を抱きしめるあお。
つけてあげたいみたいだが、いつもより素早くて近づけない。
…どう、すれば。動きを止めればお面付けられるかな…
そうだ…!
モモの動きをジッと見て動きを読む。
次の着地する場所に瞬間移動して、モモを真正面から抱きしめる。
「え…国王?!」
突然の動きにあおが何か言っていたが離さないように抱きしめるのに精一杯で聞こえない。
モモは私のことがわからないのだろう。離してもらうために私の腕の中で暴れ回る。
背中を引っ掻いて、肩に噛み付いて…野獣のような呻き声をあげるモモ。
多分痛いんだろう。でも、心を殺せば痛覚なんて無くなる。
「いいよ。私のことどれだけ傷つけても…それで貴方が止まるなら。」
攻撃は止まらない。あおに目だけで指示を出す。
あおは困惑したような複雑な顔をして頷いてくれた。
「戻っておいで。モモ…」
一瞬、怯んだように攻撃が止まる。
「あお!今!」
「ごめんな。モモ。」
背後に回り、首に手刀をを叩き込む。
カクン、と糸が切れたように気を失うモモ。
「終わったぁぁ…」
「よし、付けられた。合ってるかな?」
紐を結んでお面をつけ直す。
眠るモモを抱き上げて城へ帰る。
前線はあおの隊に任せて平気だろう。かなり殲滅させたし。
「え…何があった?」
「あはは…ちょっと色々ね?」
血だらけで帰ってきた私達にギョッとする佳奈。
そりゃそっか。いつもかすり傷程度だもんね…
ヘラヘラと笑いながらモモをベッドに寝かせる。
安心したのか身体中に痛みが走る。
あ、これあかん奴や…疲れた…
ぐらっと視界が揺れる。
最後に見たのは真っ白な床が近づいてきているのだった…
国王つお
レノ「ここどこ?」
あ、レノのこと飛ばしたまんまだった…




