6話:ミーナ
撞源の構える槍はすでにガーランドの首に触れていて、血が滲んでいる。
痛い!!!
なんで父さんの仲間に会いに来てこんな目に!?
神様僕なにか悪いことした!!!?
なんなの!!!?
名前を聞いて撞源が眉をひそませる。
「……レイゲンとは?」
【おい撞源、今微かに声が震えたぞ。でもガーランドは気づかなかったようだ。よかったな】
ガーランドの頭の中では悪魔と悪魔が闘っている。
何故か悪い策しか思いつかないほど追い込まれているのだ。
ほら、(汗)の数が尋常じゃないでしょ?
それに撞源に対して殺意まで抱き始めたし(←だから天使が出てこない)。
「……養女……」
……(汗汗汗汗汗汗汗汗)ヤバいもう後戻りできないよこれどーすんのねえ父さん助けてコイツ殺していい!!?
「……あぁ、そういえば最後にレイゲンやアデリアと会ったときに赤子を連れてたっけな!あのときの子か!!」
……へ?
それってもしかして、ミーナのことかな?(汗汗)
今になって思い出した。
母さんが話してくれた、イリスに帰る前に拾った女の子。
僕が生まれる前に病気で死んだって言ってた。
仲間たちには教えてなかったのか……?
ミーナの名前を知らないのは好都合だ。
ミーナには悪いけど、しょうがないよね。ここは娘オーラをアピッとかないと。
「……父は私のこと、本当の娘のように、育ててくれました」
そう、僕はか弱い女の子、とこれからは思わなきゃいけないんだよね?
【でも腰に下げている刀のせいで、全部台無しだ】
「ふむ、あれは子どもが好きだったからな。しかしあの時のチビがこんなに大きくなるとは!時流は疾風の如く……(合ってるか?)……それで?両親と義弟はどうした?弟は確かガーランドとかいったな」
先ずは槍を下ろせよ。……はぁ、こうなったらとことん貫き通すしかない。
「両親は14年前、殺されました。ガーランドも、そのときに魔物に浚われて……」
「……」
驚きが僅かに表情から漏れている。撞源はどうやら何も知らなかったようだ。
伝えに行く人がいないから当然か。
「……お前はアデリアのことは知っているのか?」
「え?あ、魔女だってことですか?」
だから槍下ろせってば。
今更だけど、アデリアってのは母さんのことだ。
魔女だけど結構おっちょこちょいなんだ。人間と何も変わらない。
「うむ。アデリアは紛れもなく魔王の娘。その魔力はすさまじいものだった。なれば、奴らがその息子を狙うのは必然だ。ガーランドは確かに魔王の器だった。生まれ落ちた瞬間、一瞬だがイリスは恐ろしいほどの魔力に包まれた。今でも身震いがするほどにな。私はその場にいたからわかる。しかし、あのレイゲンとアデリアが死ぬとは、いったい何があった?」
【】の中は作者のつっこみなので気にしなくてもいいですよ。
さて、すでに知っている人もいるかと思いますが「レイゲン」とは、かの有名なウィリアム・スタンリー・ミリガンの交代人格の一人、「レイゲン・ヴァダスコヴィニッチ」です。彼は「憎悪の管理者」と言われ、アドレナリンの操作によって途方も無い力を発揮し子どもたちを守ったといわれています。
魔物と闘うときのレイゲンの姿から、彼をモデルにさせてもらいました。




