9話:酷い客室
長らくお待たせして申し訳ありませんでした。
息子雷撞が怒涛の勢いで説得し、撞源を折れさせる形でようやく許可を得た。
《仕方あるまい。確かに、全員揃えば嘗ての我々より……》
「じゃ、行こっか☆」
……え?こいつマジで一緒に来る気?
冗談。勘弁してください。
「あなたと一緒には行きたくないわ」
「?どうしてだい?」
「知らないわよ。生理的に受け付けないんだもん」
どうやら今の一言で雷撞の自尊心に多少は傷をつけることができたようだ。
「肩を落とす」とはこういうことをいうんだな、って思うほどしょんぼりしながら部屋を出て行った。
いい気味だわ。
さて、次に向かうのはアクアコートか。
今度はもっとましな人たちだといいな……。
そう思いながらとりあえず席を立ち、部屋を出たのだが。
すでに部屋の外に荷物置いて待ってましたよコイツ。
部屋を出てから2分も経ってないのに。
最初からついてくる気満々だったんだな……。
よくいる説得できないタイプだ。
こうして不本意な形ではあるが、私に仲間ができたらしい。
しかもさっきの二人の話しぶりから、雷撞の仲間がもっといっぱいいるのだろう。
撞源の様子を見た感じでは、おそらくかなりの戦力であるはず。
あまり他人に頼りたくはないんだけどなぁ……。
めんどくさいし。
「それじゃ、行こっか」
「おい!休んでいかないのか?翠蓮にはさっき着いたばかりなんだろう?」
後ろから撞源が声をかける。
そういえばそうだったな。
窓の外の景色は既に紅く染まっている。
「おっと、これは僕としたことが……。おいでベルニカ、部屋へ案内するよ」
雷撞の案内で私は一階の客室へ通された。
ドアを開けた瞬間、ベルニカの目は驚愕(@д@;)……
……こっこれは、なんという部屋か……。
客室がこんなもんでいいのか?
部屋全面ピンクで統一されている。
内装壁床天井果ては窓やドアノブ(!?)まで全てピンク。
…いったい誰のための部屋なんだコレは!?
ここまでピンクが好きなやつがいるのか!!?
「これは僕がやったんだ。うちに女の子が来たらこの部屋を使ってもらうんだよ」
……その女の子たちもさぞ無念だっただろうね。
「せっかくだから、君もこの部屋で休みなよ。じゃ、何か不足があったらいつでも呼んでね」
そう言って雷撞は部屋を出た。
……今の台詞、どこかおかしい……。
気のせいかな?まいっか。
変態の考えることなんてわかるはずがない。
そんな変態を理解することなんて早々に諦め、ベルニカは部屋を見回した。
それはそれは見事なほどに桃色であり、それ以外に形容する言葉が見当たらない。
でも色を無視すればそこまで派手ではないようだ。
しかし撞源もよくこんなの許したな。
……ふぅ、今日はなんだか疲れた。
口では言えないけど、森では大変だったからな……。
ピンクのベッドに大胆に倒れこむ。
ベルニカはそのまま意識が遠のくのを感じ、ゆっくりと目を閉じた。
やっと安定してきたようです(作者が)。
これからは週1か週2ぐらいで更新できればいいかなと思ってます。
次話は完全デレの予定です。




