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この作品には 〔ガールズラブ要素〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

PC部!

今日の友人からいただいた3ワード『オフ会』『PCゲーム』『高校受験』でした!

難産でした!




高校受験を終えて、無事に入学できた高校一年生の春。

私は最大の難問にぶち当たっていた。

それは部活選びである。

この選択によっては友人グループが形成されて今後の高校生活に支障がでてしまう。

しかし私は今PCゲームにハマっていた!

ユーフィウムオンライン。

キャラクターの容姿がとても細かく設定できる剣と魔法のゲームでまさかの生産職にまで手を出せる。

PCゲームができる部活があるといいのだけど。

ぱらぱらと部活動紹介の冊子を読んでいる。

「あ」

パソコンゲーム部

PCでゲームを作ったり、遊んだりする部活らしい。

ここにしよう!

そう決めて部室の戸を叩くことにした。


◆◆◆


部室に入ると部長と部員が二人いる。

「入部希望しにきました!」

そう言うと部長は嬉しそうに迎え入れてくれて、残りの二人はPCに向かって何かをしていた。

「君はゲームは作る派かな?ゲームをやる側かな?」

「私は断然ゲームをやる派です!」

「じゃあ丁度よかった。今部活で作っているゲームのテスターが私一人じゃ足りなかったんだ」

部長は嬉しそうにほほ笑んだ。

「作っているゲーム、ですか?」

「そうだよ、そっちの二人が今一生懸命作っているゲームがあってね。次の文化祭までには間に合わせたいんだ」

ちらりと画面を見せてもらったがコードだらけで何を書いているかさっぱりわからなかった。

「じゃあ、こっちに座って。体験入部ということでまずはやってみよう」

そう言って部長の席の隣にノートパソコンが置かれる。

言われた通りにPCを立ち上げて言われた通りにアイコンをクリックした。

するとドット絵がすごい動くRPG系のゲームが始まる。

さらりと私の横にいた部長の髪が流れ落ちてきてふわっとシャンプーの香りが香った。

それに少しどきっとしながらも私はゲームのプレイを始める。

「ちょっとプレイしてみて、おかしい所とか見つけたら教えてちょうだい」

私も隣でプレイするから。と部長も隣のPCで同じゲームをプレイし始めた。

それから放課後のチャイムが鳴るまでプレイに熱中する。

いくつかのバグと気になった点をメモに取り部長へ提出した。

「明日、先生に入部届に印をもらってきてね」

そう言われて私は部室を後にする。

デバックというのを初めてやってみたがとても楽しかった。

明日も楽しみだ。


◆◆◆


家に帰ると私はPCを立ち上げる。

そこに映るのはユーフィウムオンラインがあって、ためらうことなくログインした。

とても可愛らしい女の子のアバターを使用している私は大き目なギルドにも所属している。

「おは~」

「やっほー」

といったチャットが飛んできたのでいちいち返事を返した。

「やぁ、今日も大変そうだね」

そう言って声を掛けてきたのは最近仲良くしてくれる前衛守護騎士のイケメンだった。

この世界のキャラメイクでここまでイケメンに設定できるのなんてこの人くらいじゃないだろうかというくらいのイケメンでよく引っ張りだこにされている。

「あ、こんにちはリーンさん」

「こんにちはシャールさん」

「そういえばギルドのオフ会参加、考えてくれた?」

「あー、そうですね……場所も参加費もなんとかなりそうなので参加はしようと思っています」

大手のギルドのためたまに集まれる人達でオフ会をしているのがこのギルドの好きになれないところだ。

でもリーンさんが参加するなら一度会ってみたいという気持ちもある。

「良かった。俺も参加するからよかったら声かけてくれると嬉しいな」

「はい、ぜひ」

それから二人で狩りに出かけてなんとボスのレアドロを引いて帰ってきた。

ユーフィウムオンラインは私にとってもう一つの居場所みたいなものになる。



◆◆◆



オフ会当日がやってきた。

私はもっている服の中でなるべく目立たないような服を着て参加している。

東京の小さなホールでジュースや、大人はお酒を持ち寄ってワイワイとしていた。

私はまだ未成年なのでお酒は飲めないがジュースを飲みながらギルドメンバーと話していると段々楽しくなってくる。

ふと、何かの視線を感じてそちらの方を見ると見覚えのある人がいた。


「あ、あれ……部長?」

「あなた、なんでここに……」


二人とも困惑しながらもお互い歩み寄る。

「私は地元が近いので……というか部長もユーフィウムオンラインやってたんですね」

「う、うん……」

しかも同じギルドで。

「もしかして一緒に組んでたりしたかもしれませんね~私向こうでは『シャール』って回復職やってます」

「え?!」

名前を告げたら驚かれた。

恐る恐ると言った感じで部長は名乗る。

「私……あの、『リーン』です……」

「えぇ?!」

まさかのことに驚いた。

部長がまさかあのイケメン守護騎士だったなんて!

「い、いつもお世話になってます」

「いえ、こちらこそ回復助かってます」

少しの間お互い見つめ合っているとどちらともなく笑いだしてしまう。

「「ふふ」」


まさか同じ学校の生徒に、しかも知り合ったばかりの部長に会えるなんて世界は狭いなぁと思う。


それから暫くはユーフィウムオンラインの話で盛り上がり、人がまばらになった所でお互い帰路についたのだった。




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