「おおいなるもの」 その真髄
トリアルの仕掛けた罠により、エルサ軍はとらわれてしまう。
罠とは言っても、トラップの類である。トリアルの能力 煉獄は相手に地獄の炎を食らわせるものではあるが、その汎用性は高い。トラップを仕掛け、踏んだ者に爆発を与える、煉獄の威力を高め、業火の壁を作る、などである。だが、今となっては、相手に巻きつく荊を作り出すことができ、その荊に煉獄を纏わせることができるようになった。
これが、彼らの追い求めていた「おおいなるもの」の正体である。
その名も「誇大解釈」という。
本来、与えられた能力は限られた範囲でしか作用しなかった。トリアルの能力である 煉獄を例にすると、その能力の対象は相手がいるかどうかだった。トラップにしろ、業火の壁にしろ、それを受ける対象が必要だ。
つまり、相手の存在があることが条件である。
しかし、「誇大解釈」は違う。それは相手の能力の使用範囲を超えさせるところにある。
そのため、トリアルは今までできなかった、荊に煉獄を纏わせる という行為を可能にしたのである。
能力の使用範囲が相手がいること から 物体全てに変化した。
その気になれば光の世界を煉獄が絶え間なく続く世界に変えることもできる。
「っとまあこんな感じかな。」
「いうまでもないが「おおいなるもの」は貰っていくぜ。
さっき試したけど、その荊なかなか切れないよ。
あともう一つ。大群できて、捕まってくれてありがとう!
今の光の世界には誰が残っているんだろうね?」
とトリアルは言って去って行った。