闇の世界
というわけで話はエルサ軍が無の世界に到着する前まで遡る。
「おおいなるもの」を求めてドグラ軍もまた、動き出していたのだった。
ドグラが治める闇の世界は煉獄やら地獄やらで表現できうる世界だ。
いつも暗く、闇の民は貧しい生活をしている。
それもそのはず、ドグラの魔力は闇属性の中でも最高位、「破壊」であるからだ。
魔力を受けたものはその強大な魔力故にその人生を「破壊」させられてしまうのである。
ドグラの魔力は底知れず、つきることはない。また、闇の民は光の世界には簡単には行くことができない。
そう、地獄の世界なのである。
その世界を象徴するのが闇の城、通称「魔王城」である。魔王城の目下には闇の民が住む城下町、そしてさらに奥に進むと太刀打ちができないほどの熱が襲う。闇の世界の民は魔王城と城下町しか住むことができず、闇の世界についてはまだ全貌がわからない。
だが、その熱を操る存在がいる。ドグラから直接「破壊」の力を授かり、熱自体を「破壊」させ煉獄と変えうる能力を持つもの、闇の使徒だ。
彼らは10の存在から成り立つ、ドグラを守護するものだ。一人一人が特殊能力とドグラから授かりし力を持っている。
その中でもひときわ煉獄に愛されし者が、一つ。 トリアル という。
見た目は少年のようだが実際はわからない。闇の使徒は姿形を自由に変えうるからだ。
さて、エルサ軍が無の世界に行く前、ドグラ軍はある計画を立てていた。
そのためにはトリアルの力が必要だったのだ。
「というわけだ。」「お前の力を貸してもらう。異存はないな?」
少しの間沈黙するトリアル。
「まあ、いいですよ〜〜(逆らうと面倒だし)」
「それでなにをしたらいい?」
「簡単なことだ。もうじきエルサ軍が無の世界へやってくる。」
「お前の力で奴らを捕らえて欲しいのだ。」
そして今に至る。