魔法の使える場所
どうやらこの異世界の王子様であるイケメンのレイヴンに私は一目惚れされたらしい。
しかもイチャイチャしたかったらしい。
私も一応は女の子なので、そう言われてしまうとこう……。
「で、でも特殊能力でもっと変わったことが出来たらって思っていたのに」
「例えば?」
レイヴンに問いかけられた私はちょっと考えてみて、
「レベルが次々と上がっていく能力、とか?」
「レベルか……確か三代ほど前の異世界からいらした花嫁がそのような力があったと聞いたな。俺の曾祖母に当たるのか。あれは凄かったと聞く」
レイヴンがどこか遠い目をして呟いた。
それは一体何があったのでしょう、とは聞けない。
だって特殊能力があったら使ってみたくなるし。
そう私が思っているとそこで、
「だが特殊能力の代わりに、確か異世界には魔法が無いと聞いたが、ミキの世界はそうなのか?」
「そうです!」
「この世界に来た時点で、特殊能力が無いものの魔力が内在しているから、魔法は使えるはずなんだ」
「そ、それはぜひ、使ってみたいです!」
私は興奮しながら答えた。
何しろゲームや物語のような魔法が使えるのだ。
それが出来るならば……と私が思っているとレイヴンが小さく笑う。
そこで私ばかりがはしゃいだと気付いてしまう。
気づけば恥ずかしくなるけれど、そんな私にレイヴンは、
「可愛いミキの様子が見れたから、俺にとっては良かったな。それに異世界に来たのに怖がられても困ると思っていたけれど、楽しそうでよかった」
そう言われて私は、レイヴンに手を握られて、魔法の使える場所に案内するよと言われたのだった。
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