表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

さよなら「ジャイロダイン」

作者: まつだ

小学校の卒業記念企画で、クラス全員でスケートに行くことになった。山の中にある、屋外スケート場だった。

当日は快晴で、初めてだったが下手なりに十分に楽しめた。

そこの休憩所にゲームコーナーがあった。テーブル筐体がいくつか並んでいたのだけれど、その中に「ジャイロダイン」があった。そのきれいな青と緑のグラフィックが印象的だった。ファミコン版が発売予定であると知っていたけれど、ゲームセンター版があったろは知らなかったので、発売前に遊べる機会に興奮した。まよわずに100円を入れてプレイ開始。とはいえ、多分、企画のルールとしてゲームで遊んでいいのかは灰色だったのではないだろうか。


ゲームスタート。綺麗な大海原。自機も敵もかっこいい。操縦するだけで愉しかった。ミスった後の再開デモが上から画面が落ちてきて、それもかっこいい。とにかくかっこいいゲームだった。

あまりにむつかしいのですぐに終わったように思う。1人で遊んだので誰とも話をした記憶もないが。やっぱり1人だった。


時はすこし流れて、中学に進学して少したった春も過ぎたころだっただろうか。幼馴染のY君から電話があった。

「Kがジャイロダインを買った」

正直、すっかり忘れていたのだが、その一言でスケートの日のゲームを思い出した。

「やられたあと、上から画面が落ちてくる?!」

まっさきに聞いたのはそれだった。とにかくそこが気になったのだ。ゲームセンターからの移植だ。まず気になるのは、どれくらいゲームセンターに似ているのか、ということだ。ゲームセンター主義者のあきらめと期待が入り混じった気分だった。

「うーん? なんかそうみたい」

なんともあいまいな答えだった。結局、K君の家まで自転車を走らせた。


5分くらいだ。息せき切ってK君宅に上がり込む。K君とY君がいた。

そしてテレビにジャイロダイン。

なんか赤い……。青くない……。

初めて見たのは砂漠だった。そしてミスからゲームセンターと同じ再開デモ。

ゲームセンターと同じだ! それだけでうれしかった。しばらく2人のプレイを見続けた帰宅した。新しいカセットを貸してというのは無理だとわかっていたからだ。


このあと移植ゲームにはいろいろ考えさせられる事故が多いのだけれど、ジャイロダインはいい思い出となった。とはいえ、ゲームセンターで遊んだのはあの1回だけなので、徹底的に比較できなかったのもいい思い出の理由だろう。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ