ゾのつく言葉を言うな!
思い付いてから十五分程度で書いた作品です。
ストーリーも何も無いので期待はしないでください。
ゆっくりと歩く僕は冷蔵庫の前で立ち止まる。
何か食べ物は無いかと冷蔵庫の中を見る。
「これといった、食べ物が無い」
ゆっくりと歩いて玄関へ向かう。
向かうのは近くのコンビニ、徒歩五分ぐらいだ。
靴を履いてから気づく。
「あ、財布と鍵」
財布と鍵を持っていなかった。
少し迷ってから靴のまま鍵と財布を取りに行く。
どうせ靴で部屋を歩き回った現場を見られていなければ怒られない。
足跡だって残さないように注意して歩く。
「あー、行くか」
今度こそ忘れ物はない。
外に出て鍵をしめる。
太陽がギラギラ輝き、非常に暑い。
「あー、あー、暑いー」
頭がボーっとする。
暑さでうんうん唸っているとコンビニに到着する。
店内は空調がきいている。
とても涼しい。
「さー、ごはん」
数人のお客さんの横を通り抜け、弁当コーナーに向かう。
久しぶりにちょっといいモノでも食べよう。
そう思って手を伸ばしたのは少し高い弁当だ。
「あー、これー、なにニク?」
「あ、お客さん。そっちは違いますよ」
品出しをしていた店員さんが僕に気づいて声をかけてきた。
店員さんの言いたいことは分かる。
このニクは僕のようなニンゲンの食べるニクじゃない。
「えー、違う?どれ?」
「はい、お客さんはゾン―
「ゾのつく言葉で僕を呼ぶな!」
言われたくない言葉を言われそうになって大声で店員の声を遮る。
僕の声に反応して周りのお客さんが僕を見る。
ハッとして僕は周りのお客さんに頭を下げる。
「失礼しました。お客さん用のはこっちのコーナーですね」
「あー、いえー、こちらこそ大声出してすみませんー」
大声を出した僕に対して、丁寧に頭を下げて店員さんは案内してくれた。
確かにそこにあるニクは僕好みのニクだった。
「あー、このニク。これがいいかなー」
手に取って僕はレジに向かう。
レジには若い女性の店員さんがいた。
とても綺麗で、とても美味しそうなニク付きだ。
しかし、僕には生きているニクを食べる趣味は無い。
「おねがいします」
「こちら温めますか?」
「いえー、いいです」
「1点で780円です」
「あー、細かいのないー」
「1,000円ですね。お釣りの方、220円です。ありがとうございました」
コンビニのレジ袋に入っているごはんを帰って食べる。
それを想像しただけでお腹が鳴りそうだ。
早く帰って、ニクを食べよう。
ゾンゾンしてきましたね。
ええ、ゾンゾンしてきました。
この思い付きの作品の世界観?
いや、そんなものあまり考えていないですよ。
ただただ、ゾンゾンしてきたので書いたのです。