第33話 あとがき
さて、ここで突然ですが問題です!
俺は今何をしていると思いますか?
料理?バイト?魔法の特訓?修業?休息?
残念!違います。
正解は、罰を受けています。魔王様の説教です。
なんでかって?では、続けて問題です!でぇでん!
なぜ、涼君は説教されているのでしょう?
1.一般人に対して変態魔法を行使したから?
2.パラスにあんな事をしたから?
3.店の手伝いをサボったから?
4.マスターさんをけしかけたから?
残念!違うんですよ。
正解は、アテナちゃんと二人きりで会話をしたからです。
どうしてこうなったんだろうね?いや本当に。
俺はあの後、傷の回復の為3日ほど寝込んだ。もちろん腹の傷だよ!心の傷じゃないよ……うん。
その間にマスターさんに事のあらましを聞きましたよ。
クロは見事憲兵を捲き逃走に成功し、マスターさんはおやっさんとの戦闘後に俺を助けに来てくれた。そして、治療の為俺を研究所に運んだらしい。なぜ治癒院ではないのかは疑問だが、まぁ生きてたし問題ないだろう。
それで俺を刺したバリーは、駆けつけた憲兵たちに見るも無残な姿で発見されたらしい。バリーはマスターさんと一緒に同行したおやっさんの逆鱗に触れたらしく、生きてはいたが……な感じらしい。恐ろしいね、まったく。
それで俺たちの正体だけど、パラスにローブを渡した時に仮面だけの姿を見られたので、危うく正体がバレたかと思った。たが、幸いなことに今俺が無事なことから、どうやら俺の正体には気づいてはないらしい。
しかも、世間では俺たちの事が『義賊ルーエ』と言われている。原因はマスターさんが落書きしたせいだ。本人は「アレは落書きじゃねぇ!芸術だ!」と、どこぞの壁に絵を描く不良みたいな言い訳をしている。でも、世間的には俺たちが、バリーみたいな極悪犯を捕まえる為に行動していたと勘違いされているらしい。良い感じのデマが流れてくれてよかった。
俺たちの行動が世間的には『正義の味方』となっているけど、憲兵的には『賊』であることには変わりない。油断はできないが、まぁでもなんとかなるかな?皆好きだもんな『正義の味方』ってやつがさ。
とまぁ、これまでの説明をしてみたが、皆が気になっているのは俺の今の状況だろう。
どうやら俺は、あのオペレーション『逢魔時』の日よりおやっさんに、マスターさんと同様に教育上悪影響与えるであろう要注意人物にランクインしました。
てか、マスターさんは前から単独TOPだったらしい。今は俺とのツートップだ。マスターさんやっぱりアンタもかよ!
「おとうさん?リョーお兄ちゃんはわるいことしたの?」
「アテナ、お前は向こうに行っておれ。リョーはな……お前の教育上良くないのだ」
「そうなの?リョーお兄ちゃんはやさしいよ?」
「そうかも知れんが、こればかりは……リョー何か申し開きはあるか?」
俺を見るおやっさんは怖い。凄いプレッシャーだ。もう、俺が紳士である事がバレているので、何を答えても意味はないだろう。しかしだ!どうしても言わなければならない事もあるのだ!
「では、おやっさん、言わせていただきましょう!俺の存在は健全そのものです。害なんてこれっぽっちもありません。……あとアテナちゃんを嫁に下さい(ボソッ)」
俺の言葉を聞き、おやっさんは右手を高々と振り上げる。だが、ここで止める訳にはいかない!
「そして覚えていて下さい。もし俺をここで倒しても、第2第3の涼君がまた現れるであろうことを!!……あとアテナちゃんを嫁に下さい(ボソッ)」
この後、何が起こったのかは皆が一番よくわかるんじゃないかな?
みなまで語る必要はないよね!
さて、今回のお話はここでお終いだよ。
どうだっただろうか?英雄ではない俺のお話。
ちょっとはカッコいい所を見せられたかな?俺的には結構頑張ったと思うんだ。
ほら、なかなかの噛ませ犬っぷりだったでしょ?
まだ、マスターさんみたいに強くはないけど、これからもっと修業して、あの人の顔面をグーで殴れるぐらいにはなりたいね!
え?恩人じゃないのかって?
まぁ俺の命の恩人だけど、これとそれは別だよ!別腹だよ!女の子は、どんなにご飯食べていてもスイーツは別腹じゃん?
アレと一緒だよ!つまりは理屈じゃないんだよ!
こちとら、イライラゲージがMAXまで溜まったから、そろそろゲージを消費したいんだよ!
おっと、ごめんよ。また熱くなってしまった。俺はあの元プロテニスプレイヤーじゃないからね。
では、ここら辺で一旦幕を下ろしましょうかね。
いや~今回も冒険しなかったね、俺はいつ冒険するんだろうか?
まぁ、いつかは冒険の話をしたいよね。
次に会う時は今よりもっとカッコいい所を見せたいな。
じゃあ、またね。
皆の人生に幸多からんことを。
次、幕間を挟んで第一章終わりです。
どうだったでしょうか?
涼君はまだまだ進化する……予定です。




