不死の病−1
「あの、私を殺してもらえませんか?」
変なヤツに声をかけられるのは慣れていた。
正直またかと思った。
多分殴っていた。そこが渋谷の大通りじゃなければ。
その日、ニート満喫中の俺は渋谷をぶらついていた。
大通りを抜けようとしたそのときだ。
背後から肩をつかまれ、誰かが耳元でささやいた。
「突然すみません。少しお話を聞いて頂けないでしょうか?」
「アンケート?」
「いや・・・あの、私を殺してもらえませんか?」
俺は後ろを振り向いた。そこに立っていたのは50歳くらいの男性だ。
「いやいや。そんなことしたら俺捕まっちゃうじゃん。」
「お願いです、あの、お話だけでも・・・」
全く、いい加減にしてくれよ・・・
「私、死ねないんです。」
流石にここまで変わった方は初めてだ。
「え、意味が分かんないいんですけど?」
ってか変わってるというか変だ。
「えぇ、ですからお話だけでも・・・」
「いやいや、明らか怪しいから。」
「お茶ぐらいなら出しますんで。」
「お茶って・・・」
「和菓子もつけましょう。」
・・・和菓子か、きわどいな。
「ダメ、ですよね・・・?」
まぁどうせ暇だし、少しくらいならいいか。
「ふぅ・・・じゃ話ぐらいならいいよ。」
全く、暇ってのはいいねぇ。
「本当ですか?信じてもらえたんですね!」
え、何?俺はもう協力することになってんの?
「い、いや・・・そういうわけじゃ・・・」
「ありがとうございます!」
「誰がそんなこと言っ・・・ちょ、頭上げろって!みんな見てるから!」
・・・クソめんどうなことになっちまったなぁ・・・
んー、暇つぶしには程遠いですねぇ。
まぁまだ完全に本編に入ったわけじゃないですしね(笑




