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甘く優しい世界で生きるには  作者: 深/深木
本編(完結済み)
166/262

第百六十六話 近衛騎士 リヒター

 ドイル君から報告を受けた僕は、あれからすぐに部下の近衛騎士と騎士、魔術師を連れ、傭兵達が守る前線へと来ていた。

 そうして戦うこと数時間。太陽もすっかり高くなり、あと一時間もすれば中天に辿り着くであろうという時刻、僕達はこの場に来てから二度目となる魔獣の攻撃を受けている。


「リヒター殿、ゴブリンの群れはゴブリンリーダーの指示で二手へ分かれたようです」


 騎士団から派遣されてきた騎士の報告を聞きながら、ゴブリン達へと目を向ける。

 先ほどは、ただゴブリンが群れているだけだった。しかしよくよく見れば、今回は他のゴブリンよりも二回りほど大きいゴブリンリーダーがいる。

 また、あの群れには下位魔獣を手なずけている者がいるようで、絶妙なタイミングでホーンモモンガがゴブリンの群れに近寄ろうとしている傭兵達の進路を妨害していた。

 ドイル君からの報告通り、魔獣達は徐々に組織だった動きをみせており、個体の質も上がってきているということなのだろう。

 しかし、この場にはゴブリン以外にも魔獣が沢山いる。どうしてもマンティコアといった強い種族や新たな種族の登場の方に意識がいきがちなため、ゴブリン達の進歩は言われてみればといった程度の認識にしかならない。

 僕達は事前にドイル君の報告を受け、始めから観察していたためこうして差を感じることができているが、戦いながらこの違いに気が付くのは難しいだろう。

 自身も参戦していながら、魔獣達の微々たる変化を見逃さなかったあたり、ドイル君は流石アギニス公爵家の直系だ。戦闘に関して勘が働くというか、素晴らしい観察眼をもっている。

 ゼノ様やアラン様の面影を感じさせる資質に緩む口元を自覚しながら、僕は騎士達へ告げる。


「――僕らはリーダーのいる右側の群れと戦っている傭兵達の援護に回ります。下位の魔獣を使って妨害工作している者達がいる左の群れは、騎士団と魔術師殿にお任せしていいですか?」

「はっ!」

「任せて下さい」


 そう告げれば、スタラー騎士団団長とヘクセ魔術師団団長から預かった兵達はすぐに左側で群れていたゴブリン達を取り囲む。その姿を横目に僕達も、リーダーがいるところへ向かう。

 しかし、こちらの勝負はすでに終わってしまっていた。


「――お前達のリーダーは仕留めたぞ!」


 ゴブリン達の士気を削ぐため、傭兵の一人が倒したゴブリンリーダーの得物を掲げる。地に伏せたリーダーとその武器を持つ人間の姿に、群れの長が倒されたことを理解したゴブリン達は我先にとその場を離れ散っていった。

 その光景を共に眺めていた部下が、逃げ出してきたゴブリンを斬り捨てながら問う。


「援護するまでもなかったようですが、我々はどうしますか?」

「残党狩りをします。ゴブリン一匹でも一般人には危険なので、森の外には逃がさないように。仕留め切れない奴らは森の奥に追い立ててください」

「「「はい!」」」

「「おう!」」


 部下達の声に続き、傭兵達からも了承の声が上がる。

 彼らの声を聞きながら、僕も剣を抜いた。次いで森の深部へと追い立てながら、ゴブリンの数を減らしていく。その最中、辺りの状況を確認していった。

 どうやら今回の襲撃は粗方片付いているようで、素材の剥ぎ取りに入っている傭兵達の姿がちらほらと見受けられる。

 もともと、前線を守っていた傭兵達の質は高い。そこに騎士や魔術師が加わったため、人間側が優位な戦いが続いているようだ。


「そっち行ったぞ、騎士様」

「了解した。追い立てるから仕上げは頼んだぞ、魔術師殿」

「こっちはいつでも大丈夫ですよ」


 魔獣達の質の向上は気になるが、僕の部下や騎士に魔術師、傭兵の連携もよく士気も高い。この様子ならば、ドイル君達が戻るまで問題なく戦えるだろう。


 ――アラン様達に見せてあげたい。


 傭兵の声に反応した騎士が散らばったゴブリン達を一カ所に追い込み、そこに魔術師が火魔法を放っている光景を、城で帰りを待っている国王陛下や四英傑様方、ここには来なかった部下や騎士団の面々にぜひ見てほしかった。

 対立しているというほどではないが近衛騎士と騎士団、魔術師団はあまり仲がよくない。

 皆、マジェスタのため、国王陛下のためという点は揺るぎないのだが、各師団を支援している貴族間の問題などがある以上、どうしても他の師団を意識せざるをえないのだ。また、己が所属する師団が一番だと思っているというのもある。

 アラン様とスタラー騎士団団長、ヘクセ魔術師団長の関係は良好だというのに、全体でみると不和があるというは馬鹿げた話だが、ゼノ様やセルリー様が在籍中も同じような感じだったので、組織というものはそういったものなのだろう。そのため、作戦によっては協力し合うこともあるが慣れ合うことはなく、手柄の取り合いは日常茶飯事といった関係が続いている。


 そんな各師団の関係だけでも悩ましいのだが、さらに残念なことに国へ仕える我々と金次第で仕える相手を変える傭兵達は相容れないことが多い。

 アルゴ殿達のようにマジェスタを拠点にしているというのならばまだしも、炎蛇のような国を跨いで活動する者達は状況と金次第で敵にもなるからだ。

 また規律を重んじる騎士と、縛られることを嫌う傭兵ではそりが合わない。

 そんな彼らが自ずと声をかけ合い、協力してこの場を守ろうとしている。

 凄いことだ。アラン様達もこの光景を見たら、きっとそう思うだろう。


 ――そうさせたのは、ドイル君だ。


 ドイル君に、守るためにきたのだと諭すように告げられた時のことを思い出す。

 あの時、子供なのだからと侮った軽率な己を悔いた。

 同時に、国を託すに相応しい男に成長したドイル君に心震えた。

 そして、立派な男に成長した彼に恥ずかしい姿を見せたくないと強く思った。

 だから僕は見えていないとわかっていても、跪いたのだ。過ちを認める人間であることを示したいと思ったし、ドイル君の覚悟と誇り高さに敬意を払いたかったから。

 その感情は国王陛下やアラン様、四英傑様方を前にした時に感じるものとよく似ている。憧れの人にみっともない姿を見せたくないとか、相応しい人間でありたいとか、誠実でありたいと思う感情だ。

 まぁ、要するに、僕は魅せられたのだ。ドイル君の気高さと強い覚悟に。

 だからついつい彼の提案を飲んで、協力まで申し出てしまった。アラン様から、ドイル君とジンが無茶しそうだったら止めるよう命じられていたにも関わらず、だ。

 その結果、目の前の光景があるとはいえ、立派な職務違反である。


 こうして手伝いまでしているし、アラン様になんて報告しよう……。


 城に戻ってからのことを思い少し気が重くなる。しかしすぐに、この地にいる奴らは同罪だし、と気を取り直した。

 そう。成長したドイル君に心打たれたのは、僕だけでなかったのだ。

 一連の流れを僕の隣で見ていた騎士団団長は前線に騎士を送るとドイル君に約束し、魔術師団団長だって魔術師を貸出している。

 命じた相手は異なるが、僕同様二人のお目付け役を命じられていたはずのスタラー殿とヘクセ殿もその役目を放棄したのだ。

 ここまでくれば、僕がドイル君達に甘かったのではない。僕や騎士団団長、魔術師団団長に職務放棄させるほどドイル君が立派な男に成長したということ。喜ばしいじゃないか。


 なんて結論付けたその時、ドンと大きな衝撃が辺りに響く。

 突如感じた魔力に共に来た部下や騎士達、側で魔獣狩りに勤しんでいた傭兵達が一瞬動きを止めた。

 次の瞬間、森の奥から魔力を帯びた風が吹き抜ける。

 どこかで、強力な魔法が使われたのだ。

 大きな魔法の余波が空気を震わせる、という事象は近衛騎士という役職柄、幾度も体験したことがある。ゼノ様やセルリー様が城にいらっしゃった少し前までは、それこそ頻繁にあったし。

 濃い魔力の気配に怯え足を止めた魔獣をこれ幸いと斬り捨てながら、馴染み深いしかし似て非なるその感覚に目を細める。

 今、使われた魔法は英雄と称えられる方々のものと比べ随分と荒々しいが、威力は限りなく近いように感じられた。

 今この地にいる戦力はヘクセ殿やスタラー殿に僕、近衛騎士数名、騎士や魔術師、傭兵、それからドイル君とジンだ。

 この魔法は一体誰が? というのは愚問であろう。

 原因だと思われる二人を脳裏に思い描き、この感じはジンだなと当たりをつける。先日のゼノ様との手合せで見たドイル君の魔法は、もっと丁寧で濃密だった。

 

 そんなことを考えながら、身を竦ませている魔獣達を手早く片付けていく。

 騎士や傭兵達が同様に魔獣を仕留める姿を視界の端に捉えながら、二人がいるだろう方角へ目を向ければ、炎で作られた龍が天へと舞い上がるところだった。

 ぐんぐんと高度を上げる炎龍は、火の粉をまき散らしながら真っ青な空へ吸い込まれるように消える。

 離れた場所で放たれたというのに、はっきり見えた龍の姿。その魔法の規模と威力に一瞬、脳が考えるのを止めた。

 しかし、そこで終わりでなかった。

 思考が再開し、木々に囲まれた森ということを一切考慮に入れていない魔法に絶叫するよりも早く、炎龍の時以上の衝撃が森に響き、行使された魔法の余波が僕達の間を駆け抜ける。先ほどよりも濃密な魔力をまとったその風は、冷たかった。

 次の瞬間、先ほどの龍よりも一回りは大きい氷の龍が悠然と姿を現す。陽光を浴び煌めくその姿は水晶やダイヤモンドのように美しく、思わず目を奪われた。

 優美な龍が砕け散り、その破片が森一帯に降り注ぐ。炎龍の出現と共に上がり始めていた煙がかき消されていく光景を、僕達は唯々茫然と見つめる。


「――――まじかよ」


 冷たい細氷が舞い散る中、そう言ったのは誰だったか。

 部下か騎士団の者だったかもしれないし、魔術師か傭兵の誰かだったかもしれない。ただ一つ確かなのは、ぽつりと呟かれたその言葉がこの場にいる全員の心を代弁していたということだ。


 ――君達は一体なにと戦っているんだ? 


 脳裏をちらつく深淵の森の半分くらいならば焼き尽くせそうだった炎龍と、それを相殺するために慌てて作られただろう馬鹿でかい氷龍の姿につぅと冷たい汗が背をつたう。


 あれほどの魔法を必要とする敵がいたのか? だったらすぐに救援に行くべきだ。いや、でもドイル君が放った氷龍はどう見てもジンが放った炎龍の後始末用といった感じだった。ジンがやり過ぎてしまっただけなのかも……しかし、本当に強敵と対峙していたら?

 僕は持ち場を離れるわけには行かないから、一先ずヘクセ殿達と連絡をとらなくてはっ。


 瞬く間に展開した考えに、僕は通信用の魔道具を急いで取り出す。

 呼び出すために魔力を流すまでもなく、魔道具はすでに滅茶苦茶点滅していた。チカチカチカチカチカッと、今まで目にしたこともないほどの速さで瞬いているそれに、ヘクセ殿達の焦りを感じた僕は慌てて呼び出しに応じる。

 通信が繋がった途端、僕が「はい」と最後まで言い切る間もなく、ヘクセ殿とスタラー殿の声が響き渡った。


『リヒター殿ですか? 先ほどの龍は見ましたか? 一体、今森ではなにが起こっているんですか?』

『アギニス殿とジンは無事なのか? 送りだしておいて勝手なのは重々承知しているが、二人の身に万が一があったら俺はゼノ様とシュピーツに会わせる顔がない! すぐに探査隊を組んで――』


 人間、自分以上に取り乱している人がいると逆に冷静になるものらしく、僕以上に取り乱している二人の声に思考がスッと落ち着いていくのを感じた。

 龍達の衝撃が大きすぎて忘れていたが、深淵の森に来るにあたりドイル君達には近衛騎士や騎士団、魔術師団で使われる緊急信号をそれぞれ持たせ、使い方を教えたという報告を受けた覚えがある。

 二人とも通信用の魔道具も持っているし、緊急信号を使う暇がない時は一番簡単な光球を打ち上げるよう伝えているはずだ。

 それらがないということは、戦闘中の可能性は高いが自力で戦える相手だということ。大体ゼノ様を倒せるドイル君がいるのだから、命の危険にさらされるようなことは滅多にないだろう。

 状況把握は必要だが、慌てふためく状況ではない。

 くどいようだが、ドイル君はあのアギニス家直系なのだ。勇者を二代続けてだした一族に聖女の血まで加わっている子が、こんなところでくたばるはずがない。

 冷えた頭で考えた結果、心配ないと思えた僕はヘクセ殿とスタラー殿に優しく語りかける。


「二人とも落ち着いて。あの龍には驚きましたが、炎の方は空に消え氷は明らかに消火を目的とする動きをしていた点を省みると、ジンがやらかしてドイル君が後始末してあげた可能性が高い。それに、あのような使い方をするくらいです。彼らにとって龍を模した魔法は簡単なものに入るとも考えられます。魔法を使った以上、彼らがなんらかの敵と遭遇したのは確かですが、救援を求める知らせは一つも上がってないし、彼らからの連絡もありません。ああ見えて戦闘に関してジンは大変頼もしいし、ドイル君はゼノ様を下せるほどの強さを持っていると証明したばかりです。状況確認は必要ですが、過度の心配は不要かと」


 僕の言葉のどこかに納得するところがあったのか、途中から二人の声が聞こえなくなっていたが気にせず考えを伝える。

 するとしばしの沈黙のあと、返答が聞こえてきた。


『――――言われてみれば、確かにその通りですね。ドイル様達の魔力量を考えれば、あの程度の龍を創りだしたところでたいした影響はないはずです』

『…………そうだな。そういえば、アギニス殿はあのゼノ様を下したんだよな。魔王級が二、三匹同時に、なんてことがないかぎり大丈夫そうなゼノ様を』


 ヘクセ殿の魔力評価にも驚いたが、続いたスタラー殿の言葉に耳を疑った。

 動揺の末、思わず出てしまった言葉なのか、本気でそう思っているのか。どちらにしても、生真面目な騎士団団長にここまで言わせるなんて、ゼノ様は騎士団の面々にどれほどの恐怖を植え付けているのか。気になるが確認する勇気が持てない疑問が脳裏を過る。なんだか、見てはいけないものを見てしまった気分だ。

 垣間見たスタラー殿の本音にもやっとした感情を抱きつつ、僕は努めて明るい声を出す。


「そうです。ドイル君達はその辺の新人騎士よりよっぽど優秀ですし、肝も据わっています。二人なら問題ないと判断したから、安心して送りだしたんです。信じて待つのが、礼儀でしょう」

『そうですね。とりあえず、感知系の魔法に優れた者を見繕って調べさせてみます』

『俺はいつでも救援を出せるよう、騎士をいくらか控えさせておくことにする』

「では、そのように。こちらでなにかわかったら連絡します」

『了解です』

『了解した』


 そんな会話を最後に、ふっと魔道具が光を失う。

 なんだか、どっと疲れた。

 はぁと溜息を零しつつ辺りを見渡せば、魔獣の残党狩りだけでなく素材の剥ぎ取りも終わっていたらしいく、傭兵達がこちらを見ていた。


「なにか?」

「いや、若様は随分大事にされてんだなと」

「当然です。彼は、この国を担っていく――」


 傭兵の言葉に答える最中、『大事な子供』と言おうとした己に気が付き口を閉ざす。もう子供扱いするような相手ではないと思い知ったはずなのに、長年のくせとは恐ろしい。

 大きくなったドイル君の姿を思い浮べ、いままで名を聞く度に思い出していた小さな姿を消すように、己の記憶を上塗りしていく。


 ――アラン様達にもドイル君、いやドイル様はもう守るべき子供ではないとお伝えしなければな。


 僕では到底使えないだろう魔法によって生み出された氷龍が、天に昇る様を脳裏に思い描きながらそんなことを考える。

 同時に、胸がうずいた。

 それは昔夢見た未来図が、現実味を帯びてきたからにほかならず。

 グレイ殿下とドイル様。

 楽しげに走り回る二人を眺めながら、彼らの下につき支える日が来るのを夢見ていた騎士は多かった。なにを隠そう僕もその口だ。

 頻繁に訪れていた鍛錬場にも顔を出さなくなったドイル様に、潰えたと思いあきらめた未来が、気が付けばもうそこまで来ている。

 僕だけでなく、ヘクセ魔術師団団長やスタラー騎士団団長さえ動かし協力させた姿を見てしまった今、期待はさらに膨らんだ。

 仲間達と酒の肴に語っていた夢が、叶うかもしれないこの状況。

 心躍らないといったら嘘になる。


 ドイル様が戻ってきたと知った時、皆と語り合った未来図を現実にしたいと思った。でも、そんな僕達の身勝手な期待が彼を城から遠ざけていたと知り、言えなくなった。

 また傷つけたらと思うと、口にすることが憚られたんだ。

 しかしドイル様は、僕が想像していた以上に立派な男へと成長していた。今の彼ならば、ついぞ語れなかった僕達の身勝手な夢を口にしても、笑って受け止めてくれる気がする。


 ――貴方が王と共に思い描くマジェスタを僕も見たいと、ドイル様に言ってみようか。


 彼はどんな顔をするだろうかなどと考えながら、僕は緩む口元をそのままに言葉の続きを待ってくれている傭兵と向かい合う。


「彼はこの国を担う王を支える存在として、僕達を率いて歩んでくれる新たな英雄として、皆がその成長を待ち望んだ人です。大事に決まっている」


 そして、僕は傭兵にそう告げた。

 同時に、ずっと胸に秘めていたその夢を噛みしめる。


 グレイ殿下やドイル様と共に国を担い、生きるのが夢だった。

 ドイル君が英雄と呼ばれるようになる瞬間に、立ち会いたいものだと皆で笑い合った。

 それは決して夢語りなんかではなかったと、今日実感した。


「さっすが、若様。人気者だな」

「皆、楽しみにしていたので。今日の一件でもう子供じゃないとわかりましたから、私兵志願者や部下希望者が殺到すると思います。ドイル様はこれから忙しくなりますよ」

「そりゃ大変だ。若様、頑張らなきゃな」

「ええ」

「で、あんたも行くのか?」


 傭兵のその言葉に、僕は笑みを浮かべて頷いた。


ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

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