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白き獣の幸せ探し  作者: 取兜
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第0.6話 プロローグ7 転生

死んだ筈の少年は謎の白い空間で目を覚ました。


「何処だ・・・・此処?」


そして辺りを見回すと、少年の後ろには土下座をしている少女がいた。容姿は少年と同じくらいだ。少年は何故目の前で少女が土下座しているのか解らなく動揺していた。そして少年は勇気を振り絞り少女に話し掛けた。

  

「何してるんだお前?」


すると少女は


「すみません!すみません!すみません!すみません!」


とひたすらに謝って来た。少年は何の事か検討が着かなく何故謝るのか聞くも少女は只々謝り続けるので少年はやがて苛々してきていた。そして遂に彼の我慢が限界に達した。


「オイ、人の話しを聞けこの糞○○が。XXをОΔして口Δしてやろうか?えぇ?」


あれ?、俺ってこんなに暴言とかいえたっけ?少年はふと疑問に思った。そんな少年に少女は・・・・


「ヒィー!すみせんでしたー!どうか命だけは、命だけはご容赦をー!」


めっさビビっていた。


「あー悪い少し言い過ぎた。お互い一端落ち着いて話しをしよう。」


少年はなるべく優しい声を掛けながら提案する。少女も涙と鼻水に濡れた顔で頷いた。そして、数分後お互い落ち着いたので少女の話しを聞くことにした。少女は再び土下座をし、少年に謝罪した。そして少年も改めて質問し始めた。何故謝るのかと。そして少女は語り始めた。その理由を。


「まず自己紹介から始めますね?初めまして。私の名前はアテナと言います。よろしくお願いします。一応神をやっています。」


少年は驚いた。何せ目の前に居る自分と同じくらいの少女が神だと言うのだから。だがこの白い空間を見ると恐らく彼女の言うことは本当なのだろう。とりあえず少年は少女の話しを聞くことにした。


「私は生と死を司る神の仕事をしていて、人の人生を書類にしてそれを管理しするのが私の仕事でした。私は時にその中で悪人の方を裁く仕事もしています。それが、死を司る仕事です。ですがある日、書類を間違って処理してしまいたした。本当は大悪人の男に天罰を下すつもりがあなたの人生を台無しにしてしまいたした。本当にごめんなさい!」


少女は少年に再び謝罪した。少年はその話しを聞き驚愕した。今まで自分はこの神の所為で人生を狂わされたのだ。だが少年は怒りとはまた別の感情が芽生えていた。そして少年は少女に近づき、


「ふぇ?」


その頭をなでながら


「気にするな。」


そう言ったのだ。


「ふぇーーーー!?」


少女、アテナは驚愕した。少年は人生を狂わされた相手をたったの五文字で許したのだ。


少年は少女にこういった。


「確かに最初はあんたに怒りが湧いたさ。でも誰にだってミスだってあるし、それに・・・・」


少年は少し間をおき言葉を続けた。


「俺は彼女に会うことが出来た。そんなに仲はよく無かったけど最後の最後で彼女を知ることが出来た。彼女に対しての誤解を説くことが出来たんだよ。俺は最後に笑う事が出来たんだ。だから怒り四割、感謝六割ってところかな?俺は君を許すよ。」


「私を・・・・許してくれるのですか?あなたの人生を狂わせてしまったこの私を・・・・。」


アテナは少年に聞いた。普通ならあり得ないだろう。だが少年は不安そうなアテナを見て


「もう怒ってないから安心しろ。」


と再びアテナを撫で始めた。そしてアテナは、


「本当に、本当にごめんなさい・・・・。」


少年に抱きつき泣き始めた。少年はアテナの頭を撫でながら、抱きついて来たその体を抱きしめ返した。そして時間が立ち、アテナはようやく泣き止み少年から離れた。少年が離れたとき少し残念そうな顔をしたのは気のせいだろう。そしてアテナは少年に言った。  


「あなたの人生を台無しにしてしまった事のお詫びとして、あなたには転生してもらいます。」  


アテナの言葉に少年は


「いらん。とっとと地獄にでも煉獄にでも連れて行ってくれ。」


と返した。


「ふぇーーーー!?」


あれ?なんかデジャヴ?


「な、何で断るのですかー!?て言うか何でリクエストが下何ですかー!?せめて天国ですよね!?」


「いや、俺さっきまで何人も殺してたし、地獄か煉獄くらいしか行けるところ無いだろ。と言うより、死んでるのなら彼女に会わせろ。今すぐ会わせろ。それができれば転生なんていらねえ。さぁハリー、ハリー!」


「他の神から転生の許可は貰っているんです!あなた心の中身は綺麗だから今回は何も言われませんでしたよ。と言うより本気で転生してください!でないと私の中の罪悪感や何やらが色々凄い事になりそうなんです!後私も罰で人間として転生することになったんです!転生の特典として彼女を生き返らせて良いとも言われているので一緒に3人で転生しましょう!?ね!?」


「いいよ。」


「軽っ!?」


彼女の事を出した瞬間少年は転生することにした。そしてアテナは少年に転生についての説明を始めた。


「まず、転生する世界の説明をします。私達がこれから転生する世界は魔法が存在する現代世界です。その世界には魔法を使うマジシャンが存在します。彼らはその力を操作する為に専用の学園に通います。あなたには其処に通って貰います。ですがその学校に通うには魔法の資質が絶対条件です。そして魔法で怪我をしても大丈夫なようにサポート用の機械が必要です。その名をバトルコートと言います。私と彼女はそのバトルコートとして転生することになります。そしてあなたが私達を使いその世界を生きるということです。後・・・・他の神のミスで死んだ人が3人居ます。」


「他の神もミスしたのか・・・・?じゃあ他の神も転生しているのか?」


「いえ。その神は3人ミスで殺してしまった後、食中毒で死にました。」


「マジか!?」


て言うか神って食中毒とかあんの!?脆い!神脆い!少年は神の意外な事実に驚いていた。


「取りあえずあなたは転生してから私達を使ってバトルコートと魔法を使えるようになって下さい。彼女は既に転生先で待機してもらって居ます。」


アテナは既に転生の準備をしていたようだ。そんな事を思っていた時、アテナは何かを思い出したようで少年に話し掛けた。


「すみませんでした!今からあなたの転生特典を決めます!私の最後の大仕事ですよー!」


はて?転生特典は彼女の転生をプラスでは無いのだろうか?


「あなたへの転生特典は全てで7つあるんですよ。先程のは他の神達のオマケなので今7つ決めてください。」


「そんな急に言われてもなぁ。少し待ってくれ。」


少年はアテナに待ってと声を掛け1人悩み始めた。数分立ち、少年は特典を決め、アテナに特典を書く紙をもらい特典を書いてアテナに渡した。そこにはこう書いてあった。


1.その世界で生き残れるくらいの魔力


2.安定した生活環境


3.バトルコートなどを強化したり出来る工房


4.何かペット的な生き物[出来ればモフモフ系]


5.自分と彼女の名前[これはアテナが決めてくれ]


6.才能と体力の限界無し


7.特殊能力


本当は自分の容姿を変えたかったのだがそれは出来ないらしい。せめて髪を切りたかったのだがアテナがそのままで良いと言ったのでそのままにした。 そして今から特典の付与を開始するところだ。アテナは今、少年の目の前で付与の為の儀式をしている。しばらくするとアテナの手から光が7つ現れて一つは少年の手に残りは体の中へ溶け込むように入っていった。そしてアテナは儀式が終わると少年の所へ行き手のひらにある光の説明をした。


「これはあなたのペット的な生き物という特典が形になったもので、これで転生先の世界で魔法生物を使い魔にしてください。力でねじ伏せるか、お互いの同意で契約するかで使い魔にすることが出来ます。その光はその使い魔の収納と召還用です。それではあなたが使うための形態をイメージしてください。バトルコートもイメージで服と武器になります。」


アテナの話しを聞き、少年は銃のイメージを始めた。少年の手にある光の輝きが増した。そして光が消えた時、少年の手には一丁の黒と銀で装飾された。リボルバー型の銃があった。銃口には星の型のような陣が小さく形成されていた。


「それがあなたの召還銃、《サモンラウザー》です!」


アテナは少年の銃を見てどうですかこのネーミングセンス、と言わんばかりにドヤ顔を見せつけてくる。そんなアテナに少年は


「ビミョー。」


一言で斬り伏せた。


「まぁ、それでいいか。めんどくさいし。」


しかも面倒なので採用だ。アテナは涙目になって真っ白な足下を指でなぞり始めた。


「悪かったって、そこまでひどくはないよ?思ってたよりはさ?」


「フォローになってません!て言うかあなたは私がどんな名前付けると思ってたんですか!?目をそらさないで正直に言って下さい!」


アテナは必死に少年に訴えるが少年は目を合わせようとしない。この2人、先に誰かが待っていることを忘れていないだろうか?そして数分後、2人はやっと落ち着いた。そしてアテナは少年に転生を始めると合図した。その瞬間、二人の体が消え始めた。この後、転生する世界に送られるらしい。体が消えていく中、アテナは少年に言った。


「あなたの特典の名前を考えました。正直、私が付けていいのか悩みましたが、精一杯考えました。あなたの名前は・・・・。」


体が完全に消えそうなその瞬間、


「あなたの名前は《冴島 刹那》です!」


そして少年と神は白い空間から消え、もう一人の仲間の待つ新たな世界へと旅立って行った。

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