第0.3話 プロローグ4
第0.4話 プロローグ4
そして少年達の殺し合いが始まった。まず最初に女達が狙われた。確実に殺せるのを狙い始めるのは当然であろう。どんどん女達の屍が増えてゆく中、3人の少女だけは違った。 それどころか逆に男達をとてつもない勢いで殺して行く。いつしか男達は3人を筆頭に少女達に逆転されて行った。やがて男達は全て倒れ伏した。一人の白髪の少年を残して。だが少女達も痛手を受けた様でその数はわずか20人程だった。そんな中一人の少女の声が施設の訓練所の中に響いた。 「後は貴方を殺せば男は全滅。そしてみる限り貴方の武器はそのナイフだけ。さぁ死になさい。」 少女達が一斉に少年へ銃口を向ける。そんな中、少年は思った。 《シニタクナイ!》 その瞬間、少年の世界は変わった。何故なら弾丸が全て亀の様な速さで動いているからだ。その後の少年の動き早かった。一瞬で少女達の一人に近付き右手に握ったナイフを首目掛けて突き刺した。少女は信じられない物を見たような目で苦しみ始めながらも銃口を少年へ向けるが今の少年の前ではそんなもの無意味であった。すかさず少年は少女の銃を持った腕をナイフが切り裂いた。少年は今まで刃物を使った事が無くナイフを使ったのもやけっぱちだった。 だが少年のナイフはまるでそこには何も無いような軽さで少女の腕を切断した。そして少女はそのまま訓練所の床に倒れ伏し、新たな屍となった。 そして少年はそのまま少女達の中に突撃して行く。それから五分程で少年は10人近く少女達を殺して行った。相手の首と腕や足を切り裂いて。そして少女達の人数が一桁あたりに入ろうとした時、教師から止めと言う言葉が掛かった。そして教師の方に降り向くとそこには、ある人物が立って此方を見ていた。 「流石は私の育てた子供達だ!」 少年達の育ての親だった。そしてその男は続けざまにこう言った。 「この殺し合いに勝利した君達に名前を付けよう。」 少年達には名前が無かった。男に一回だけ名前を付けて欲しいと頼んだ事があったのだが、男は 「君達にはそのうち付けてあげる」 と言われたままだった。だから少年達の中の数人が歓喜の声を上げた。そして男は少年達の前へ近いて行く。少年達は先ほどまで殺し合いをしていたのにもかかわらず名前を付けて貰うのを楽しみにしている。そして男は少年の前に立ち口を開いた。 「今日から君の名前は・・」 この時少年達は気づいた。自分達には幸せなど来ない事を。 「ホワイトビーストだ。」 少年達が貰ったのは名前なんて物では無く、コードネームと言うまさに殺しの道具としての肩書きだった。 この日から数ヶ月後、少年達は遂に戦場へ投下される事となる。