第11話 刹那と転生者と紅蓮の焔
刹那サイド
俺は突然、蓮花という少女に蹴飛ばされて別荘の庭に落下した。体が無駄に丈夫なお陰で大した怪我は無く、軽い擦り傷で済んだ。
そして俺の目の前に先程の少女がバトルコートを装着し金色の剣を抜きながら降りてきて、
「さぁ、断罪の時間ですわ。」
と俺に剣を向けて言ってきた。俺はさっきの事とアテナ達が手元に無いという絶望に挟まれまともに動けなかった。それでも俺は体に残った力を振り絞り、剣を構えた彼女に意見を言った。
「待ってくれ!何で俺はアンタに断罪されなきゃいけないんだ?」
「アナタが彼女達を脅したのでしょう!まあ男の時点でアウトですけどね。私の目は騙せませんわ!アナタは男の娘でしょう!私は男と男の娘なんて言う輩は大嫌い何です!だから死になさい!」
何なんだコイツは・・・・。
恐怖しているにも関わらず俺は呆れていた。そんな俺を見下ろしながら彼女は剣を振り上げて・・ヤバイ!俺はとっさに横へ跳んだ。
その瞬間、彼女が剣を振り下ろし、辺りを強風が駆け抜けた。その強風に俺は飛ばされる。
そして俺は近くの木に体をぶつけ倒れた。体を起き上がらせながら目の前を見ると、地面が酷く抉れていた。もしさっき跳んでいなかったら・・・そんな事を考えると、体の震えが止まらなかった。そんな中、俺の目の前に彼女が歩いて来た。
「あら、あれを喰らって生きてましたの?手間がかかる輩ですこと。」
彼女は少し関心したような声を出す。
いつの間にか先程の恐怖は消えていた。恐らく人に拒絶される事よりも、死ぬという事に恐怖したからだろう。体も自由に動く様になっていた。
(アテナ達がいない今、練習してきた無属性魔法を使うしかないな。属性魔法は使えないし。だが勝率は低いな。アイツは恐らく風の属性魔法が使えるな。凄い才能だ。)
心の中で関心しながら、刹那は作戦を考えていた。
だが、
「これで終わりですわね。これ以上手間取らせないで下さいな。」
そう言いながら目の前の彼女は剣を振り下ろす。そんな中俺はニヤリと笑った。
「何がおかsキャア!」
彼女が俺を訝しんだ瞬間、彼女の後頭部を俺の魔力弾が捉えた。取り敢えず気絶させればなんとかなると思っていたが威力が足りなかったようで彼女はゆっくりと俯いた頭を上げた。
その顔には憤怒が浮かび上がり俺を憎々しげに睨んでいた。
そして
「テメェよくもやってくれやがったな!?ぶっ殺す!!」
先刻とは全然違う乱暴な言葉使いに驚いた。そして彼女は再び俺に剣を振り下ろすが先程よりスピードが早すぎて俺は突然の衝撃に反応出来なかった。そして俺は吹き飛ばされた。
再び木に叩きつけられた俺は上半身の違和感に気づき、自分の腹部を見た。
俺の胸部には大きな切り傷ができていてそこからは夥しい量の血が出ていた。
「ヒッ!!」
俺は思わずこの光景に恐怖した。そんな俺に追い討ちを掛けるように性格の変貌した少女が歩いて来る。
「オイ!まだ生きてやがったのかテメェ!今度こそぶっ殺してやんよ!」
そう言いながら彼女は剣を振りかざした。
あぁ俺此処で死ぬのかなぁ。転生して1ヶ月も経たない内に死ぬのか・・。
一回死んでるし、変わらないかぁ。
でも・・・・・・・・
やっぱり死にたく無いなぁ・・・・。
その瞬間、俺を紅蓮の焔が包み込んだ。