第9話 目覚めと転生者と蘇る恐怖
アテナサイド
私達は昨晩、咲夜さんの家の別荘で睡眠を取り、朝の8時頃に目を覚ましましたが、まだ刹那さんとエミリーさんが起きて無かったのでそっとしておくことにし、現在は別荘のリビングで咲夜さんとカグヤと私でお話しをしています。
ちなみに現在私達はスタンバイフォームになっています。・・・・実は、アウトロールは凄く疲れるんです。そんな感じで話をしている中、四人の男女が突然部屋に入って来て、
「「「「大丈夫か(なの)!?(咲夜!)(エミリー!)
」」」」と言いました。
「お父さん!お母さん!それにおじ様達も!?皆仕事で外国の筈じゃ?」
「娘が誘拐されて黙って要られるか!」
「そうよ!仕事なんてキャンセルしてきたわ!」
「私達もだよ。咲夜ちゃん。」
「エミリーが誘拐されたと伝えたら取引先の人達も分かってくれたわ。」
彼等の話を聞くとどうやら咲夜さん達のご両親のようですね。カグヤも彼等を見て、「咲夜のお父さん達だ~。」と言っています。
そんな中、リビングのドアが開き目蓋を擦りながらエミリーさんを背負った刹那さんが入って来ました。
「此処で良いみたいだな。」
「とうちゃ~く・・zzzz」
「オイ、寝るな。そして降りろ。お前見かけに寄らず中々重・・いっふぇえ!」
「悪いこと言うのはこの口か~!」
「わふぁっふぁふぁらひゃめろ~!」(分かったから止めろ~!)
「「「「エミリー(ちゃん)何故声が!?」」」」
「え!?パパ!?ママ!?おじ様達も何で!?」
「良いから俺の上から降りろーーーーー!!!!」
こうして改めて全員揃った私達は、どんな事があったのか話すことになりました。
アテナサイド終了
刹那サイド
俺は目覚めた後、自分の隣に寝ていた少女に状況を聞いた。そしてアテナ達はおそらくリビングだと聞き、行こうとしたのだが、少女が突然俺の袖を引っ張り、
「おぶって~。」
と寝ぼけていたので着いたらすぐ降ろすという約束でリビングまで来たのだ。そして彼女達の親らしき人達と昨日の事を話す事になり今説明が終わった所だ。
「冴島君、本当にありがとう!娘達を救ってくれて!」
咲夜の父親が俺に頭を下げてきた。今までにそんな経験が無かった俺はどうしたら良いか分からなくなっていた。
「そ、そんな!頭を上げて下さい!俺みたいな奴に頭を下げたらダメですって!」
「そんな事は無いよ。君は誇れる事をしたんだ。」
「そうよ。あなたは私達の恩人よ。」
「だからそんな卑屈にならないで?」
咲夜達の両親からそんな言葉が出てありがとうと言おうとした時、部屋の向こうから足音が聞こえてきた。そして足音はこちらに近ずき、リビングの前で止まった。するとドアが開き、金髪でオッドアイの少女が入って来て
「咲夜さん!エミリーさん!大丈夫ですか!?」
と叫びながらこちらに歩き出し、
「邪魔ですわ!薄汚い犬如きが!早く出て行きなさい!」
と俺を押しのけた。そしてその瞬間、俺の頭の中で昨日の町の人の事を思い出し、体が震え始めた。・・・・やっぱり・・・・俺は何処に行っても扱いは変わらないんだな・・・・。コワイ・・・・。マタダレカニヒテイサレルノガコワイ・・・・!
「イヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダイヤダ」
俺はもう自分が何を考えればいいのか分からなかった。今は只膝を抱えて震える事しかできなかった。
刹那サイド終了