第6話 少女と秘密と救世主
少女サイド
お茶の間の皆さん、こんにちは。私の名前は[斑鳩 咲夜]と言います。・・・・。やっぱり敬語は言いにくいわ。悪いけど素で話させてもらうわね。実は私は前世の記憶を持って転生してるの。所謂、転生者という奴ね。私は神に間違われて殺されてこの世界に転生したわ。転生特典にそこそこの魔力と人の形態になれるバトルコートを貰ったわ。ランクは6よ。そして私の隣にいるもう一人の少女は[エミリー・R<ローズ>・橘]、私の親友にして同じ転生者よ。この子も私と同じ特典を貰って同じランクよ。流石親友という所かしら?ちなみにこの世界の私達は斑鳩グループという大手企業とローズ財団という石油会社の娘なの。普段は黒服のボディーガードがいるんだけど今日は彼等の目を盗んで二人で散歩に来たの。でもまさか誘拐されるとは思ってもいなかったわ。エミリーは一度、誘拐されたことがあってそれ以来ショックで声が出なくなってしまったの。私はとても後悔した。親友に昔と同じ目にあわせてしまったのだから・・・・。今日は二人共バトルコートを忘れてしまったからまともに魔法が使えない上に、転生して私達は6歳だから腕力で彼等には勝てない。今の私にできることはエミリーに大丈夫と声を掛けることだった。そんな中私達を乗せた車はどこかの倉庫へ着いたようだ。当たりは夜で暗く、月明かりだけが倉庫を照らしている。倉庫はもう使われていないようで古臭く不気味だった。
「おら!降りろ!」
そう言いながら一人の男がエミリーの手を無理矢理引っ張った。それに私は激怒する。
「止めて!エミリーに乱暴しないd「うるせぇこのクソガキ!」キャッ!」
男達の一人が私をぶった。私はその場に崩れ落ちる。エミリーが涙を流しながら私を見る。ごめんね・・・・。私のせいでこんな事になって・・・・。ああ、神様お願いします。私はどうなってもいい。だから彼女は・・・・、エミリーだけは助けて・・・・。お願いだから・・・・。
「助けて!」
そう叫んだ瞬間、凄まじい音がして男達の一人が突然飛んで来た白い閃光に吹き飛ばされた。私は何が起きたか理解できなくて先程ぶたれたダメージのせいか意識が遠くなってきた。先程の閃光に目を向けるとそこには、長い白い髪をし、赤い血のような目をした少女・・・・いや、少年がバトルコートを纏い、右手にナイフを持ちながら月明かりに照らされ立っていた。少年は私に向かって
「大丈夫だ。あの子は俺が助ける。だからお前は休んでいろ。」
そう言って少年は私の頭を撫でてきた。少し気持ちいいかも/////。そして私はここで意識を落とした。
少女サイド 終了