第4話 ヤバい!これはヤバい!(汗)
現在刹那は焦っていた。彼だけではなく自分の両腰にあるパートナー達も動揺していた。彼等の視線の先にはごっそりと削れた山々が連なっていた。元の山の内、大体四分の三が削れている。
「おいいいぃ!これどうすんだよ!もう取り返し付かないレベルだぞ!」
「しかもこれ仮想空間じゃなくて現実だから絶対ニュースとかになるよ~!」
「何でロケットランチャーなんてどえらい物出しちゃったんですか!もっと普通の物とか有ったでしょう!あなた自分のランク解ってます!?」
「うるさい!こんな事になるなんて僕だって思わなかったんだよ!」
「刹那!口調前世に戻ってる!落ち着いて!」
三人共凄くパニックになっている中刹那が急に動きを止めた。
「何か聞こえる。」
二人も刹那の言葉に耳をすませる。するとバラバラバラ!とプロペラ音が聞こえて来る。
「まずい!アテナ!カグヤ!転移だ!」
そう言いながら刹那はタッチパネルを取り出し青いボタンの隣の帰還と書いてあるボタンを押した。その瞬間、彼等は草原から姿を消し五分後にニュースのヘリコプターが到着した。
冴島家 リビング
ギリギリバレずに戻ってこれた刹那達は疲労のあまりテーブルに突っ伏していた。
「何だろう。訓練より最後の方が疲れた気がする・・・・。」
「私もです・・・・。」
「本当だよ~・・・・。」
「「「ハアァ~~~~・・・・・・。」」」
三人共疲労困憊である。この日はもう寝ることにした。そして翌日、彼等はテレビを見て頭を抱えた。そこには、
《見てください!この削がれた山々を!》
アナウンサーらしきお姉さんが昨日の山を見てレポートしていた。それを見ながら刹那は心の中でごめん!それ俺です!と謝っていた。
「やっちゃったな・・・・・・。」
「だ、大丈夫ですよ!幸い被害者は居ないんですし!」
「そ、そうだよ~。しかもまだ最初の訓練だったんだからしょうがないよ~。」
「あの被害のレベルでミスって言うのか・・・・。」
「大丈夫ですよ!私なんてミスしてあなた殺しちゃいましたから!」
「胸張って言うんじゃねぇ!!」
二人のフォローになってない言葉に刹那は苛立ちを隠さない。この日以来、ニュースで山の話が出る間刹那は胃痛に悩まされた。