第3話 自分で頼んでおいて何だけど・・・・チートにも限度があるだろー!!
能力の説明も済み、ようやく刹那達は訓練を開始する事となり、今刹那はアテナとカグヤをスタンバイしてバトルコートと左腰にナイフ、右腰にサモンラウザーを装備して訓練場と呼ばれる場所にいるのだがそこは訓練場とは言えない狭く白い空間にタッチパネルが有るだけだった。
「此処が訓練場なのか?何も無いじゃないか。」
刹那はお世辞にも広いと言えない訓練場?らしき場所を見て呟いた。そんな疑問にアテナが答える。
「刹那さん、そのタッチパネルの青いボタンを押してみて下さい。」
刹那はアテナに言われた通りタッチパネルを押した。すると、白い空間が突然歪み始めやがて歪みが無くなった。そして今刹那達の目の前には本当に何処までも広大な草原が広がっていた。草原を見て唖然としている刹那にアテナは得意気な声で言葉を続ける。
「此処の部屋は実は巨大な転移装置になっていて場所さえ登録しておけば何処にだって転移できるんですよ!どうです?これ造ったの私ですよ!馬鹿では無いと言うことお分かり頂けましたか?」
刹那はアテナの言葉に驚愕していた。あの自分と同じ位の少女がこの転移装置を1人で造り上げたのだ。
「ああ、凄いよこれは。悪かったなお前の事馬鹿にして、本当に凄いよお前。」
そう言いながら刹那は左腰に付けたアテナのコアが付いている黒と銀のナイフを撫でた。
「えへへへへへ・・・・。/////」
アテナは嬉しそうに笑っていた。そして心なしか彼女のコアが異常に熱いような気がした。そして右腰では、
「うぅ~~~~!」
なんかカグヤがうなり声を上げている。何なんだ一体?まぁとりあえずこれなら練習が思いっきりできるな。まず魔法の基礎と自分の能力を理解しないとな。
「それではこれから訓練を始めます♪」
アテナは未だに嬉しそうな声を出している。そしてハイテンションなアテナの魔法訓練が始まった。
「まず魔力には3つの使い方が有り、1つ目は純粋な魔法のみの戦い方で2つ目は武器に魔力を流し込み威力を上げます。3つ目は魔力を使った身体強化です。今日は試しにこの3つをやってみましょう!まず1つ目の魔法のみです。自分の目の前に魔力の球体が出来るイメージをして下さい。」
刹那は魔力を練り上げ球体をイメージした。すると刹那の周りにサッカーボール位の魔力球が複数出現した。
「ではそれをイメージして動かして下さい。試しに二十秒程続けてみましょう。良いですか?魔法はイメージ次第で威力やコントロールが上がります。常にイメージを絶やさないで下さい。」
刹那は再びイメージを開始する。先程の魔力球を動かす事をひたすらにイメージする。すると魔力球が少しずつ動き始め十秒後にはある程度自在に動かせるようになり、二十秒は余裕でコントロール出来た。刹那が魔力球を解除するとアテナは人間形態になり刹那に賞賛の言葉を送った。
「此処まで出来るなんて凄いです!流石はUNですね!私の予想を遥かに超える才能ですよ!」
前世から中々人に誉められることが無かった所為か刹那は妙に気恥ずかしくなった。だがこれはアテナの教えが有ったからこそだと刹那は思った。
「アテナの説明が有ったからこそだ。ありがとう。」
刹那はアテナに感謝の意を込めて微笑んだ。その笑顔を見たアテナは、
「//////」
頬を赤らめて俯いてしまった。その光景を見てついに限界が来たのか、
「あーもう!アテナ!次は私が教えるから!ほら刹那もこっち見る!」
カグヤの何とも言えないプレッシャーに刹那は言うがままにされるのだった。そして今度はカグヤによる武器に魔力を流し込む練習が始まった。刹那はカグヤから説明を受ける。
「いい?この武器に魔力を流し込むのもアテナの言ってた通りイメージが大事なの。試しに私を使ってみて。サモンラウザーは召還以外にも魔力を流し込む事で魔力の銃弾、魔力弾を撃つことが出きるんだよ。刹那のイメージ次第では魔力弾をマシンガンのように撃ったりスナイパーライフルのように撃ったりできるようになるよ。どのような物をイメージするかは刹那次第だよ。さあ早速やってみよう!」
刹那は右腰からカグヤを抜き草原の向こう側に幾重も連なる山に向かって銃口を向ける。そして刹那はイメージを開始する。
《向こうの山に届く威力をイメージしろ!》
刹那の手の中ではカグヤが形を換え始める。いつの間にか回復したのやらアテナも少し緊張した顔つきで刹那を見守っていた。やがて刹那の手の中で形を換え続けていたカグヤがついにその動きを止めた。そして刹那の手には先程までのリボルバーでは無くロケットランチャーの形をしたカグヤが握られていた。そして刹那はカグヤに魔力を籠め始める。そして刹那は向こう山に向けてロケットランチャーの引き金を引いた。するとロケットランチャーからはとても極太の魔力によるビーム砲が発射された。そのビーム砲は向こう山に届くどころかそのまま目の前の山々を文字どおり消し飛ばした。
「「「ええええええええええええええええええええええ!?」」」
想像以上の威力に3人は驚きを隠せなかった。