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暗闇の中、電子機器が緑色に光を放つ。
ただ単調に蛍光な緑だけが並べられているが、その中で一つだけ、異常信号を示す、赤い光があった。まるで暗闇を裂くように。
No.329は目を開けた。
そこは温かい羊水が入った透明な容器の中だった。
自分に貼り付けられたいくつもの線を見つめ、No.329は何を思うわけでもなく、ただゆっくりと立ち上がる。
その拍子に、貼り付けられていた線がプチプチと軽い音を立て彼の身体から離れていく。
ぼぉ…っと漂う意識の中、No.329は鉄の扉に手を押し当て、扉を開けると力尽きたかのように床に突っ伏した。
研究員が逃げ出す中、隊員が
研究員たちとは逆の方向へ走っていく。
隊員は、耐水・耐熱性の厚手の隊服に身を包み、背中には二つ、高圧気体などが入った円筒容器を背負ってNo.329の部屋に急いだ。