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皆さんはじっとりとした暑さは嫌いでしょうが、私は好きです。湿気で濡れた衣服が肌につく、そして女子高生の下着が透ける、考えた事はありませんか?エロ?そうですエロです。夏はエロなんです。狭い空間で二人きり、じっとりとした空気、嫌に肌にくっつく髪と衣服、そして張りつきあう肌、ポタポタと垂れる汗、チラチラ見える胸元、徐々に速くなる心拍数、彼女の吐息………す、好きだぁー!!!!そういう意味でも好きですが私は救いがない変態…そう、HENTAI……☆☆☆自分の肌に衣服がくっつきもぞもぞ、虫が這ったようで気持ち悪いけど背筋がゾクッってなるよ。全身鳥肌立ったらゾクゾクッ。そして安定の白目である。(<゜>∀<゜>)あふん、熱弁しすぎたすみません…ふぅ………。




7月、最高気温34°

外ではうるさく蝉が鳴いている。

二人はボロアパートに住んでいるのだ、もちろんエアコンという快適なモノはない。

なのでとにかく暑い。


少年はじっとりとした暑さの中リズムよく足を揺すって汗をだらだらと流しているが、女性の方は汗一つかいていない。


少年はあまりの蝉の鬱陶しさに更にリズムを速めた。女性は微動だにせず何かを考え込んでいる様子だった。

いつも彼女の思いつきにより少年は動き出す。


「そうだ、ちょいと広瀬くん」

「…なんですか深沢さん」

「私の首を絞めたまえ」

「いいですけど…意味あるんですか?」

「あるある、ありまくる」

「手加減しませんよ」

「よろしい」


ギュッ


「苦しいですか?」

「いや、全く苦しくないがこれは随分喋りにくな」

「もっと強くしていいですか?」

「もちろん」


ギュウッ


「………全く苦しくないぞ」

「あれー?結構力入れてるんですけどー」

「まぁ、一般人が広瀬くんに絞められたらすぐ泡吐き出して死ぬだろうが」

「やっぱり深沢さんはおかしいです」




死なない体なんて




「私も好きでこんな体やってるワケじゃない」

「ですよねぇ」

「広瀬くん、ちょって頼まれてくれないか?」

「はい、なにか」

「頑丈なロープが欲しい」

「なるほど、わかりました」

「待ってるよ」

「すぐに帰ってきます、いってきます」





「……暇だ」


お湯を沸かしてみる。

押し入れに篭ってみる。

逆立ちをしてみる。

カップ麺にお湯を注ぐ。

テレビを見てみる。

ヨガをしてみる。

カップ麺を食べる。


「メンマがまずい……」


広瀬くんのゲームをする。




ガチャッ



「ただいま戻りましたー」

「おかえり」

「そのゲーム難しくないですか?」

「ははっ、難しくないよ」

「ま、頑張ってください」

「ロープはそこらに置いててくれよ」

「わかりましたよ」

「このゲーム…ボスよりこのザコキャラの方が強くないか?」

「そうですね」

「ふむ、ザコキャラが強くて話しにならん、やめる」

「あ、拗ねた」

「拗ねてなどない!ただ勝てなくてちょっと悔しかっただけだ!!」

「ふーん…で、このロープどうするんですか」

「こうやってこうやって…はい、即席首吊りセットの完成」

「おぉ…すごい……」

「私がいいよーって言ったらこの机退かしてくれ」

「わかりましたー」


ドカッ


「わっ、まだいいよって言ってないぞ」

「いいんです」


ギュウゥゥ


「貴女は首を吊っても死なないから」

「わからないじゃないか、もしかしたら死ねるかも」

「ほら、深沢さん、今も貴女はぷらんぷらんぶら下がりながら苦しむ事なく平然と話しています」

「うっ…ぐ、ぐるし…ぃ……」

「今更下手な演技ですか」

「………やだぁ、広瀬くんに殺されたいのにぃ…」

「僕だって深沢さんを殺したいです」

「殺して……」

「殺せません」

「広瀬くん……」

「だから、殺せませんってば…」

「降ろして…」

「あ、」

「自分じゃ降りれない…」

「もう、わかりましたよ」



死ねない体は不便で死にたくて死ねない。殺されたくて仕方ない、殺したくて仕方ない。


そんな体必要ありますか。


死にたい。


一体どれだけの方法を、


殺したい。


君は私より先に死んでしまうよ。




暑さで二人の頭はおかしくなる。

顔に張り付く濡れて乱れた髪から頬に顎にと伝って垂れた汗がポタリと落ちた瞬間だ。


紫はふと…その汗を見た。

そしてニヤリと笑った。


「広瀬くん、イイ事を思い付いたぞ」



「イイ事って何ですか?」


「明日か明後日に教える」



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