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ちいさい鳥
鳥かごの中の小鳥は
窓の外にいるカラスに憧れるだろうか
ただ弱々しく鳴くだけの小鳥は
鳥かごの中で何を思うのだろう
人間達は優しい言葉をかけて
羽根を切られた自分に「自由」を与える
手のひらの上でじっと人間の瞳を見つめる
そこに映る自分の姿
与えられるものを拒むことも出来ず
薄い膜で仕切られた「外」に焦がれて
無人の部屋 「外」を謳歌する黒い鳥
それは「自由」の象徴
小さな止まり木の上の自分
細い電線の上の黒い鳥
どうして自分は檻の中にいるんだろう
どうして黒い鳥は「外」にいるんだろう
黄色や青の翼なんていらないから
「自由」を掴める黒い翼が欲しかった
可愛らしい声なんていらないから
「自由」を叫べる低い声が欲しかった
人間達は小鳥を愛でる
餌を与え水を与える
人間達は小鳥の命を手のひらにのせる
生かすも殺すも思いのままに