真昼の帝王切開
「おまえのなんて公衆便所の落書きどころか
その個室の便器の落書きだ」なんて帝王切開みたいだな
逆児だって 未熟児だって皇帝陛下さ
村に加わりたいのなら ネクタイの一本でも買えっていわれた
なるほど平等な社会だ 一張羅の薄い背広が泣く
ベルトの穴がきついなら もう酒飲むのやめろよ
久しぶりに腕時計を巻いたら 枷のように絡みついた
時間に縛られるってことは 多分それくらい不自由だろう
それが鉄の輪なら 電流だってとおるはずだよ
校庭で元気に遊びたかった それくらいは野放図にいたかった
校舎の裏で殴られたかった それくらいは苦労しておけばよかった
電車の中で眠りたかった ただひたすら逃げ出したかった
ただひたすら逃げ出すしかなかった 子羊のように