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屋根裏は閉店しました

作者: 路明(ロア)

 ネットのとある記事で、自分の住むアパートの屋根裏がすべて繋がってると知った。

 それからというもの俺は、毎夜こっそりと屋根裏を通り他の住人の部屋へと忍びこんでいた。

 食料や飲み物、財布の金を盗む。

 住人の間では何度か空き巣について話題になり、戸締まりに気をつけましょうという貼り紙が何度か掲示板に貼られてたが、同じアパート住人の俺が犯人だとは誰も気づいていないようだ。

 俺も室内に置いた財布から金がなくなることが時々あった。

 ここには他にも窃盗を働いてる奴がいるのだと思っている。

 屋根裏という手口の奴はまだいないみたいだが。




 今日も俺は、押し入れの天板を外し屋根裏に忍びこんだ。

 (ほこり)だらけの屋根裏には、俺の足跡が無数についている。

 警察が踏みこめばすぐに辿られてしまうだろうが、誰かが気づいて通報したらコッソリ(ほうき)で掃きでもすればいい。

 暗い屋根裏を懐中電灯で照らし忍び足で進む。少し行った先に、今日はいつもと違うものがあった。

 近づいて照らす。

 足元に貼られた「本日は閉店いたしました」という貼り紙。

 どういうことだと眉をよせる。

 閉店を告げる表記の下には、今まで盗みに入った部屋の番号、そこから盗んだものの一覧が記されていた。

 「お財布の中の金額が不足しておりましたので、お支払いになられてから次のご利用をお待ちしております」

 俺は青ざめた。


 財布から無くなっていた金は。

 全員、俺を相手に商売していたのか。



 終





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