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金平糖  作者: 篩
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さよなら世界

脱皮した彼女の殻は、

置いていかれたワタシ。

あの子は、きのうまでの世界なんて

忘れてしまって、

ネオンのなかをきらきら笑って

歩いてゆくの。



さよならさよなら

きのうのワタシはもういない。



ちょっとしたメイクを覚えて、

かわいい服につつまれて、

もう急いで走ったりなんかしないの。

だってワタシは女の子だから。

彼女の武器は、

かわいさという名の

無敵の鎧。



さよならさよなら。

だってワタシは女の子。

かわいくなきゃ生きていけない。

うまく泳いでいかなきゃ

きっと息もできなくなる。



彼女はまるできのうまでの自分を

暗闇だと恐れ、

思い出そうともしない。

あかぬけないみつあみ姿の

自分を過去のものにしたがってる。



さよならさよなら

今のワタシが正しくて

過去のワタシは誤り(まちがい)よ。

忘れて、君、忘れてしまって、

今のワタシ以外、見てしまわないで。



彼女の言動のひとつ、ひとつには

今までの自分があるはずなのに

それさえもけしさろうとして。



さよならさよなら

女子だったワタシ。

女の子のワタシは汚いものは

触れない。

だって、だって、男の子はワタシに

女の子を期待する。

だから、女の子は女の子じゃなきゃ

生きていけない。



さよならさよなら

もういちどあいたいよ。

もう無理なのかな。



さよならさよなら

さよなら世界。





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