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自覚
ああ、今日も藤崎先生は可愛いなぁ。
真っ直ぐ見るとまんまるく少し茶色い、奥二重な先生の目。
短く切られた黒髪。
体つきも運動部の顧問をやっているからか、
シャツの上からでも筋肉の肉付きが良いのがわかる。
細い足に細いスーツが良く似合う。
袖をまくられたシャツから出る、細いのに男っぽい少しゴツゴツした腕と手。
そんな先生を見つめながら色々妄想する俺。
そう《俺》
俺は高校2年になって、男の先生を好きになってしまったようだ。
正直、今までは女の子が好きだった。
ふわふわ柔らかくて小さくて可愛い…
俺は中3の時に童貞を卒業した。
相手は昔近所に住んでいた大学生のお姉さん。
卒業したというか、奪われた感じだった。
それからというもの、性に目覚めた俺の生活は酷いものだった。
曜日ごとに女の子をかえ、二股なんて朝飯前だった。
それほど俺はモテる。
皆からはチャラ男と呼ばれている俺もどうやら今回は本気になってしまったらしい。
周りの女の子が可愛く見えない、いや、可愛いのだが、俺の心には響かなくなった。
今俺の目に映っているのは藤崎先生ただ1人なんだ。