さて、これからの事を考えよう
すいません、遅くなりました。
突然の光景に、俺は呆然としてしまった。この10年の間に何があったのか、俺の妹は生きているのか?疑問は尽きない。
でも、時間はそれを許さない。
ドゥラララララララ!!!!
「うわーー!?」
いきなりの発砲音。一般人の俺には聞き慣れない音だ。何とか避ける事が出来た。俺の悪運も捨てた物じゃないな。その際、発生した砂ぼこりを目眩ましにして、病院に逃げ込んだ。
すると、上から何かが降りて来た。それを見て、俺は感動した。
そこにあったのは、人より大きい体、力強さ溢れる腕と足。どこからどう見ても、あれはロボットだ。
感動した、俺は昔からロボットが大好きだった。あの言葉に言い表せないかっこよさに魅了された。
しかし・・・んっ?何か言ってる?
「・・・こちらPR―59。生存者らしき影を【プラント6】周辺で発見。確認のため、発砲しましたが、見失いました」
「おーーーい!?何をしてるんですか!?先輩、すぐ発砲する癖を無くしてくださいって、いつも言ってますよね!?」
な、何て危険な奴なんだ・・・
でも、この声は・・・
「そこには、私のお兄ちゃんがいるんですから気をつけてくださいよね!」
それを聞いて、俺は体の底から震えた。
この声は間違いない。この声は、妹だ。
妹の名前は、霧条 美香。俺と違って元気な子で、頭も良かった。だから俺がカプセルに入る前に、外国に【新たなエネルギー資源】の調査に行っていた。
そんな事を考えていると、あのロボットはいなくなっていた。
「しかし、これからどうするか?」
あのロボットを追うにしても、美香の所に行くにも、移動手段と食料が必要だ。
という訳で、病院の中を片っ端から探しまくった。けど、何にも無かった。一ヶ所を除いて。
「はぁー。何でこんな物が病院にあるの?」
エレベーターを降りた先にあったのは、鋼鉄の扉。しかも、なにやら・・・
「何で、バーコード・リーダーがあるんだ?」
まごうことなきバーコード・リーダーがある。何を読み取れば良いんだ・・・あれ?
「これか?」
俺の腕には、バーコードが記してあった。これは、【化病】感染者に埋め込まれる管理端末だ。もしかすると・・・
ピッ!
「登録番号001コードネーム『終末の希望』ヲ確認シマシタ。扉、開キマス」
パシューーー!
ザ・近未来の扉の開く音がした。しかし、コードネームが・・・厨二病かよ。
開いた扉の先にあったのは・・・
「うわー、すごい数の食料だ」
というより、自然界が地下にあるようだ。鳥が飛び、動物が地に足をつけ、魚は海を泳いでいる。外とは大違いだ。
「まるで、地上がああなることを予測していたみたいだけど、まぁ気にしなくてもいいだろう」
そして、中を探索していると建物が見つかった。研究所のように見えるけど、中に人がいるかもしれない。
そう思ったのだが・・・
「誰も居なさそうだな」
断言できる自信があった。人の気配を全く感じないのだ。10年前は、そんなの分からなかったのに。
「せめて、通信機みたいな奴があれば、外に連絡できるんだけど・・・」
ん、待てよ?確か、映画だと大体こういう時は警備室にあるはずだ。確か、1階の奥にあったはず。行ってみるか・・・
「あった、あった。全部で10個あるか」
いっぱいあるに越したことはない。しかし、この建物を全部探索するのは、骨が折れる。
「監視カメラを使って、色々見ていくか」
そんな訳で、全監視カメラを片っ端から見ていく。
「んー、なかなかこれと言った物はないな」
まぁ、必要最低限の物はあったからいいか・・・
「あれ?これってもしかして・・・」
それは、とある保管施設の映像だ。そこにあったのは、複数のロボットだ。
「よっしゃ!!ロボットゲットだぜ!!」
決してポケットに入る化物を手にいれる時に言うセリフじゃないよ。
さっそく行くとしますか。待ってろ、俺のロボット!!
と言って来たが、扉が開かない。バーコード・リーダーは、無かった。おそらく、パスワードが必要なんだろう。しかし、そんな事で憧れのロボットを諦めない!!
パーン!!
銃で、パスワード入力端末を撃ち抜く。えっ、銃をどこで手にいれたかって?実は警備室にあった銃を拝借してきたのだよ。最低限の自衛手段は欲しいからね。
「オーーーー!!スゲーーーー!!」
そこには、男の子なら誰もが一度は夢見るだろう光景が広がっていた。ロボットのパーツをそれぞれ組み立てる生産ライン。完成したロボットを置いておく格納庫。などの施設があった。
「うーん、どれが良いかな?なかなか、これと言った物がないなー・・・ん?」
俺が見つけたのは一つのPCだ。何故か、これだけが電源がついている。
見てみると・・・
「何々?・・・IF?・・・これは興味深い機体があるぞ」
というのも、そこに書かれている事は凄まじい物だった。
そこにあったのは、ロボットの設計図だ。騎士のように見える機体だ。
「いいなー、この機体欲しいなー」
『なら、造りましょうか?』
「あー、よろし・・・えっ!?」
俺の後ろ、つまり誰もいないはずの空間に人がいた。普通に美少女と言っても過言ではないほどかわいい。銀色の髪で、青い瞳。年は、12歳ぐらいかな?でも・・・
「君、人間じゃないな」
だって透けてるし・・・
『よく分かりましたね、流石ご主人様ですね』
ん!?ちょっと待て、何で俺がご主人様!?
『何でかと言いますと、ご主人様のおかげで私は再起動することができたからですね』
「へー、そうなのか。まぁ、なっちまったものは仕方ない。えーと、名前は?」
『アイアです』
「そうか、よろしくな。アイア!」
『はい』
「ところで、この機体は造れるのか?」
『はい、材料も十分足りますので大丈夫です』
「じゃあ、よろしく頼む」
『はい。では、機兵【IF-00 ムーン・ナイト】製造開始します』
こうして、俺のロボット・・・いや【機兵】が完成した。黒と銀がメインカラーの機体が目の前に立っている。何か、感動で涙が出そう。まぁ、それは置いといて。攻撃性能、防御性能、速度性能を上げた機体にした。武器は・・・
「なあ、アイア?武器は造れるか?」
『はい、可能です』
「じゃあ、・・・・・・・・」
『・・・ご主人様。これを向けられる敵が可哀想です。まぁ、可能な限り試して見ますね』
「あぁ、頼ん・・・」
ズゥーーン!!!!
「うわ、何だ、急に!?」
『爆撃です。これは、2つの機兵小隊ですね』
何で分かるの?あれか?外にカメラでもあるのかな?
『映像、出します』
いきなり何もない空間に映像が出ていた。おお、何て未来感溢れる装置だ。
しかし、そんな事で感動している場合ではない。そこには、6機の機兵が爆撃を行っていた。
1ヶ月後に出します




