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3世代『〇〇』旅行記~異世界行ってチートになっても親父と爺ちゃんには勝てませんでした~  作者: othello
第1章 『まずは仲直りしましょう』→男はあれで語り合う
8/20

№008

評価していただいた方、ブックマークに登録していただいた方、ありがとうございます!

 

 現在、午前3時。

 この時間のこの地区は多少なりとも町明りのあるのだが、現在は家の明かりは一つもついていない。それどころか人の気配すらしない。

 そんな中、ある家の前には多くの人が集まっていた。

 その人たちは2種類にわけられる。

 頭を下げているか、彼らを立って見下ろしているかだ。

「「「「「「「「「「申し訳ありませんでした」」」」」」」」」」」」」

 頭を下げている人たちは一斉にそう言った。

 今、僕達家族の前には暗視ゴーグルに普通とは違うと分かる防護服。日本軍最新試作型機関銃『加具土命(かぐつち)』をもった陸軍特殊工作部隊『鬼軍(きぐん)』の中でも精鋭部隊の人達らしい人たちが土下座をしている。

 またその隣ではスーツのような格好に魔方陣の描かれた手袋をつけた遠目に見ると、コスプレとも思える人たちが膝をつき頭を下げていた。

 彼らは、世界に隠匿された国家魔術師組織『守護者(ガーディアン)』。

 そんな彼らの前に立つ僕達家族の後ろには大量の穴が開き、中の家具はぼろぼろ、ガラスは全部割れてしまった僕の家があった。


 さかのぼること―――――10分前。

 僕がじいちゃんと父さんに褒められ喜びに浸っているとそれに水を差すように家の電気が落ちた。

 ―――ラプラスより身体系スキルに接続。スキル『夜目』を起動します。

 すると、急に明かりを失って何も見えなかった視界が一気にクリアーになる。

 ラプラス、敵の頭上にマーカーをつけろ。また、どの方向にいくつの敵がいるか、殲滅状況を視認できるようにしてくれ。

 ―――了解。要望道理の機能を開始します。

 すると、右上に敵人数と無力化数の表示が現れた。

 敵人数は100+45となっている。

 ラプラス、このプラス数値はどういうことだ?

 ―――ハイ、これは敵航空機に乗っている遊軍と思われる敵の数です。

 なるほど。しかし、彼らがここを狙う目的が分からないな。

 ラプラス、彼らの目的は分かるか?

 ―――推測はできますが、ただ今候補が253件あります。

 多いな!まあそれだけ君が優秀という事だろうけど・・・

 ―――申し訳ありません。何分自分はハイスペックなものでして・・・てへぺロ、、

 前言撤回、こいつはポンコツだ。

 ―――マスター?なんて突っ込みいれてくれないのですか?これでは自分は頭のおかしい奴だと思われてしまうではないですか!

 ・・・すぅー(目線をそらした)

 ―――マスター!

 ・・・うるさい。わかってるよ(お前がポンコツだってことはな)

 ―――なんか、ふくみのある言い方です…。私は成長するです!ほかの能力(スキル)とは違い、成長できるんです!絶対マスターにお前がいてよかったって言わせて見せます!

 ・・・まあ、頑張れ!

 ―――うう、がんばるです・・・

 なんだか軽く落ち込んでいるラプラスはさておき、僕は目を閉じて能力『黒』を起動させ、体内に魔導力を流す。そして身体を固有結界とし、疑似空間として確立する。

 こうすることで、世界の法則から一時的に抜け出すことができるのだ。

 また、疑似空間はある種の固有空間の為ある程度自分の思い通りになる。

 そのため、魔法術式を内部で並列思考にラプラスも加わった神位級演算で構築する。

 固有空間から出すときに領域干渉現象(パーソナルダメージ)と呼ばれる法則の違いによる弱体化や消滅を防ぐため、術式は固有結界内の法則を重視した組立ではなく地球の法則に合わせた組立をしておく。

 実際、魔術は概念曲解現象と呼ばれる自分の常識を歪めて物理法則の領域に干渉し起こすものである。つまり、僕は自分の結界内を術式に合わせた法則にしてあげれば簡易術式でも戦略級に変えることができる。しかし、それを体外に放出した瞬間、世界の概念によって弱体化、最悪消滅させられてしまう。また放出の際、固有結界と現実を繋う際には異世界に飛ぶよりは微弱だが次元を開く。その際、エネルギー態や概念体はその力の一部を次元のはざまに持って行かれてしまう。

 よって干渉を起こさず、エネルギーもとられない術式だけを固有結界内に開きそれを現実に召喚することこそがこの黒の真骨頂ともいえる。

 これはある種の無詠唱魔法ともいえ、言霊を用いる魔術。一定の行動(儀式等)を行う、魔法。精霊契約のもと使用できる精霊術。魔道具を媒介として行う法術。これらとは一線を敷くものである。

 またさらにこの『黒』には違う利点もある。

 ―――マスター。敵、突入してきます。

 ラプラスの声を聴き、僕は目を開ける。

 その瞬間窓ガラスが割れ、兵士10人中5人が外に飛んで行った(・・・・・・)

 無力化数が5となり敵兵95+45に変わる。

「えーと、じいちゃんでいいんだよね?そこの白老鬼は」

「わはは、そうじゃよ。しかし、おまえもなかなかの物じゃな外装では無く体内完結しておる。わしの持つ付与はいらなそうじゃな、ほっ」

「オヤジ、少し力を抜いてください。余波がすごいです・・・ッよ」

「とう・・・さん?」

「どうした朋友?」

 今倒して敵の内訳は僕が二人同時に飛ばして、じいちゃんが僕と同じように二人飛ばすと同時に一人の意識を飛ばして、しゃべりながら不意を衝いてきた一人を倒した。

 父さんはまず光精霊術で敵を拘束して束にし、織田家六式格闘術 『覇拳』に無精霊術による強化を込めた拳をぶつけ4人を吹っ飛ばした。

 僕あらためて二人の風貌を見る。

 じいちゃんの額からは2本の角が生えており、僕の『白』と同様の神気を纏っていた。

 そして、父さん。こっちは、物語の大賢者と大王様を混ぜたような偉大さを感じる服装に5色の精霊石の埋め込まれた手袋。ダイヤモンド似た無色の宝石。『精霊王の宝珠』と呼ばれるアミュレットをつけ、その姿はまさに皇帝。…しかし、闇精霊にて身体強化を図るその姿はどこか大魔王を彷彿とさせた。

「いや、父さんたちってもしかして・・・・・・いや、全然父さんたちに追いつくことはできないんだなーと思ってね」

 僕は肩を落としながらそう言うと、父さんとじいちゃんはお互いに反対の肩を叩く。

「なに言っておる。基本的なエネルギー量はすでに負けておるわ」

「そうだね。伸びしろとしてはあとは器と使い方と応用力かなな?それさえしっかりとしていれば戦闘面では僕たちを超えるんじゃないかな?」

 とんでもないことを言われてしまった。

 ―――ですが事実です。マスターの保有エネルギー量は神々と比べて上位種に匹敵します。まあ、今みたいに封印や流出ではなく完全全制御できればですが。

 うわ、なんかこいつ感じわる!さっきのこと怒っているのかな?

 すまない。そんなに怒るとは思わなくて。もしいやだったらスキル消してもいいぞこっちから強制起動はさせないから。

 すると、がラプラスは焦ったように弁解を始めた。

 ―――!!!い、いや、マスター。別にあなたの元から張られたいわけではなく、(むしろもっとそばに行きたいくらいなのですが)ちょっとした仕返しと言うことで・・・

 わかっているよ。頼りにはしているからな。さっさと殲滅するぞ。術式展開!

 ―――!・・・はい、マスター!

 ラプラスの嬉しそうな声が脳内に響く中、朋友は固有結界より待機させた術式を展開する。

 一般人などいない町の一角で小さな争いが始まったのであった。


 ※※※


 そのころ、敵は焦っていた。それな入りの精鋭をそろえたはずの突入斑が1分を待たずとして壊滅したのだ。

 それを上空から監視していた男は無線を取ると全員の連絡を入れる。

「突入第1部隊、壊滅。敵、英雄クラス最低3名と推測。うち一人は精霊術師と思われる。プランβに移行。航空部隊爆撃開始。全員。緊急退避!」

『リーダーに次ぐ。その必要はない。』

「なに!?どういうことだ。・・・いや、まて貴様、所属を応えろ!」

『所属?あー元、皇宮防衛12支 第13席 天空。現在、建造物等損壊罪を犯した犯人グループを現行犯逮捕中でーす』

「な、皇宮防衛12支の13番目(ロストナンバー)だと?笑わせるな。その席は4年前より空席だ!冗談もほどほどにしろ!」

『だから、〝元″だから。まあいいや。とりあえず陸上部隊の殲滅は終わったよ「リーダーさん」』

 声が二重に聞こえその声を追うように彼は後ろを振り返る。

 そしてそこには、18くらいの青年がいた。

 リーダーである男は彼が何者出るかすぐに悟った。

 しかし、遅い。取り出そうとした拳銃は彼の手にあり、解体されていた。

「な、なめるな。これでもあの鬼神に鍛えられているんだ。肉体能力を甘く見るな」

「は?じいちゃんに?」

 青年の言葉はすでに男の耳には入っておらず彼に殴り掛かった。

 彼は今、戦いの修羅『凶戦士』の先にある『準英雄』へ片足をつ込んでいた。

 しかし彼の拳を受け流しながす。フェイントをよけ、足刈りを距離で封じ。常に一定の距離を保ってくる。

「仕方ない。気功第三門開口。破点の拳」

 彼の纏う空気が2倍に膨れ上がり、足さばきと強化され身体能力により、彼の身体は音速を超えた。

「!?」

 しかし、彼は気づく。手ごたえの無さ。そして、技が発動しかけて突然力が抜けたのだ。

「織田家六式 護衛術 息抜き」

 そして男はこれまで張りつめていた力がゆっくりと抜けていく感覚を感じながらが眠るように意識を落とした。



 ※※※


 朋友は今倒した男を見つめ、どうしてこんなことになったかを悟った。

「・・・なんて面倒なことを」

 朋友はため息をついて肩を落とす。すると、突如としてヘリの自動制御システムが切られた。

 ・・・自爆システムか!ラプラス、操縦のサポート頼む!

 ―――了解、マスターに疑似能力(スキル)『騎乗』を付与します。

 なんか、今ラプラスの恐ろしいところを垣間見た気がした。

 え?疑似能力?何それ?

 ―――マスターに名をもらったことにより私はマスターの眷属となり概念神核『神智学(マナス)』へと至りました。その際、マスターの魔力を取り込み得られる神格を介入改造しました。

 なんか地味にすごいことしてる。それで疑似能力と?

 ―――はい。これが一番お助けになると思いましたので。

 へぇーすごいなー。そう言うのって創造新とかの物じゃないの?…あ、でもそれなら疑似とかいらないか。

 ―――私のあくまで疑似であり1度使うと消えてしまい、次に能力構成できるのは3時間後になります。

 それでもすごいよ。さて、じゃあその騎乗スキルとやらを使ってみますか。あ、あとあれも。

「紋章起動:七つの大罪『傲慢』。スキル発動:『騎乗』」

 すると左の手に傲慢を示す紋章が現れた。左下には『紋章:傲慢 能力:騎乗』と表示されきちんと起動していることが確認できた。

「さて、これでこのヘリの使い方がわかるといいんだけど」

 そう言って操縦席に座ると、急に頭の中に大量の情報が流れてきた。

 ―――こちらで対処します

 ああ、頼む。

 すると、すぐに頭が軽くなった。さすがラプラス。

 そして整理された情報を受け取った僕はすぐにオートモードを切るとヘリを操縦して近くの公園に向かった。

 その公園には大量の敵が縛られていた。僕がヘリを降ろそうとすると、ラプラスが高エネルギー反応あり、友軍がこちらを狙っている物かと!と焦った様子で報告してきた。

 そして誰かがヘリに乗ってきたと思ったら・・・

「あれ、朋友?」

「…母さん、ばあちゃんにこれは鹵獲したって言ってちょうだい」

 僕は思わずため息をこぼした。

 先ほど感じた高エネルギーあれはばあちゃんの武器だろう。

 さすがにこの状況でそんなもの使われたら僕とてひとたまりもないだろう。

 僕はそんなことを思いながらヘリを着陸させるのであった。


「ばあちゃん、僕ヘリ一機任せてといったでしょ?」

「い、いやー、普通殲滅だと思うのだけど。まさか鹵獲とは、ね」

 そう言ったばあちゃんの後ろにはヘリの残骸が山となっていた。

「確かこのヘリコプター、ばあちゃんのところで開発された奴じゃないの?」

「こんな柔いもん作るわけないよ!」

 なんか怒られてしまった。触らぬ神にたたりなし。とりあえずほおっておこう。

「お、終わったのか?朋友」

「実にいい身のこなしだ。織田家六式も覚えていたようだしのう」

「一つ質問していい?もしかしてこの人たち…」

 すると、ヘリで無力化した人が目が覚めこちらを見ていることに気が付いた。

 彼は口をパクパクしながらこちらわ見ている。

「鬼神様、皇帝…まさか、俺たちは織田家の分家に攻撃を・・・?」

 なんかそんなことをつぶやいて顔が真っ青になっている。

「・・・じいちゃんと父さんのお弟子さん?」

 確か、鬼神が中心となってつくた特殊工作員部隊と皇帝の指示のもと選抜された特殊部隊があると聞いたことがある。

「うん?気づいておったか。そうじゃ、これには皇様もかかわっていてな。わざとこっちに送ってもらったのじゃ。訓練兼お主のはかりにするために」

「だけど、朋友すごいね。彼らじゃ比較対象にもならなかったよ」

「うーん、これは喜んでおけばいいのかな?それともふざけすぎと怒った方がいいのかな?」

「じゃあ、喧嘩しようかのう」


 僕は、じいちゃんの言葉に呆けてしまった。


お読みいただきありがとうございました!

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