病院での手伝い ~緊急外来~
これが定期更新いなってしまうかもしれません。2章へとつながる伏線スタートです。
青々と木が茂る森、その森は今は見るも無残な焼け野原となっていた。
そこには二人の少女が立っている。
彼女たちの視線の先には黒の鱗を持ち、邪神系の加護の一つ『破邪龍の氣』を放つ一匹の龍がいた。
「貴様が我を御するはずの主を殺した一派の者だと?笑わせるな。弱い・・・弱すぎる!」
龍はその身体を紫に光らせると一点の強力な光へと変わる。
「・・・だめ。おねがい、元に戻って...」
刀を持った小さな少女は邪龍にそう呼びかける。
「・・・おいカナタ。あれはもうだめだ。パスを伝って完全に取り込まれちまっている」
もう一人の少女がそう言うがカナタと呼ばれた少女は「それでも...」地面に刺さった刀を持ち脇差も引き抜く。
「ふっ、無駄なことを...しかし貴様ら、よく見れば神人形ではないか。中身はさしずめ刀神と闘神か?」
光りはそう言って上空から地面へと降りてくる。
光りの中から少女が出てくる。それはこの地にて英雄とも言われる少女の姿だった。
「・・・シズク」
「シズク?・・・ああ、この体の持ち主の名か。しかし裸体もままと言うのまずいか」
光りの中から現れた少女は自らが何も纏っていないことに気づき、紫と紺の和服を纏う。
本来、夜空のような漆黒の瞳は今は真っ赤に染まり邪神と同じ色をしていた。
「・・・カナタ。あれを使うぞ」
少女の片割れは、そう言ってビー玉サイズの透明な球を取り出した。
「それでは定着しちゃう」
「今は彼女の意識を取り戻させ、協力を願う方が我々として最高の結果とは思わんか?
「・・・わかった」
そう言うと彼女はもっていた刀をしまい、刀身が黄金色の刀を取り出す。
「妖刀:黄金」
するとその刀身から金色のもやが放たれる。その靄がカナタの足元に集まり一匹の黄金色の狐へと変わる。
「纏い」
狐は霧散しカナタの中へ入ると、今度はカナタの体から金色のもやがあふれ出す。
「バレン、私はあの破邪龍の氣を刈り取る。だから・・・」
「わかっている。まかせな」
シズクは刀を構える。
「フフ、秘策あり散った感じだな。いいぞこい。神々よ」
邪龍は手を広げ彼女たち相対する。
始めに動いたのはカナタだった。彼女は目にもとまらぬ速さで邪龍の背後を取ると彼女の纏う氣を切り上げる。
「・・・なっ!」
邪龍に一瞬のすきが生まれる。
そこに叩き込まれるバレンの掌底。その手の甲に会った弾は白銀色に光り、彼女の中に入り込んでゆく。
再びあふれ出した破邪龍の氣は球へと吸収されてゆく。
「あ、あああああああああああああああああああああ・・・」
目の色が赤から元の黒へと戻ると彼女は糸が切れたように崩れる。
「・・・カナタ。ありがとう」
かろうじて目を開けた彼女は助けてくれた刀を使う少女の頬を撫でると意識を失った。
「・・・バレン、シズクの鼓動が弱まってる」
「なに!・・・しかたない。神界に彼女を連れて戻るぞ!」
その日、ガイアスにはオーロラが現れた。
ガイアスではオーロラは不吉とされ、英雄の死を意味する者だった。
その日、ガイアスの人種の地にてひそかに追悼の儀が行われるのであった。
※※※
朋友は大粒の汗を拭きとる。その手に握られたハンカチは汗を吸い込みぐっしょりとなっている。
彼は今しがたちょうど買った冷たいメロンソーダに口をつける。
「ふー、生き返る~」
彼はそのままとある病室に入ると、そこには朋友と同じく汗をかきながらも盤面を必死にじっと見つめる二人の姿があった。
船堀と竜泉は朋友と2面対決を3本行った。しかし結果は惨敗。
向こうで本当の戦争を経験して自分としてはこう言った作戦はもうあっという間に閃くようになってしまった。これは喜ぶべきなのかな?
竜将朋友の二つ名は伊達ではなかった。けどそれだけではないのと朋友は思っていた。
ガイアスでの本当の戦争は将棋のようにとった駒を使えるわけではない。それを知っている朋湯としては以下に被害を最小限にするかいつも頭を悩ませていた。超演算や多重並列思考などもそれにより会得したものだ。今回の将棋では使っていないが、こうした命のなくならない戦いでは朋友はすぐに最善最速を見つけてしまえる、無慈悲な思考に彼は少し心が痛かった。
声が聞こえると病室内を見ると二人はお互いの試合についていろいろ言っており、邪魔するのも悪いと思った朋友はそのまま病室を後にする。
「おつかれさん」
そう言って声を枯れられ振り返るとそこには一人の青年(朋友と同じくらい)が立ていた。
「・・・玖波」
彼は朋友たちと同じ日ノ本大学の生徒会メンバー。2年生で書記を務めている。
「朋友、ちょっとまずいことになっている」
玖波はそう言うと、胸元から波の描かれた横長の紙を朋友に渡す。
「これは空間転移の波を観測するものだ。・・・それで、この波に心当たりはあるか?」
「ちなみに座標は?」
「君の家の近く」
「・・・」
心当たりが多すぎて困る
「・・・はぁー。心当たりがいっぱいあるみたいな顔しているね。まあ、空間に亀裂がはしいたくらい君たち超越者の戦闘だから仕方ないし、あの場にはあの人達がいましたし」
「・・・おお、そうなのか。でもお前が聴きに来たということは違和感がるってことだよな?」
玖波が呆れてため息を吐くと朋友は安堵の域を吐き、少し鋭利な目で玖波を見る。
「話が早くて助かります」
玖波は朋友が話してくれると判断したのかきちんとお礼を言った。
しかし、それが同時に大きな事であるであることであることも察したしたようだった。
玖波の家は由緒正しき陰陽の家系であり、同時に隠密も果たす裏組織である。
しかし、国の管理下ではなくあくまで非政府組織としての立場をとっている。
基本国の管理下の組織は突然変異や偶発的、先祖がえりなどが所属しているため何かと制限が多い。
国としては自ら課した制限が自らの首を絞めることも多いためこういった組織をいくつか認めてはいる。
「・・・ところで君、や―――」
ピリリッ、ピリリッ。
急に朋友の携帯が鳴った。朋友が携帯を見ると玉理からだった。
「?すまん玖波、玉理からだ。緊急かもしれない」
「ああ、かまわないよ」
玖波に理を入れて電話に出るとひどく息を切らし、今にも泣きだしそうな声の玉理が電話に出た。
「トモくん…シズクちゃんが、死んじゃう!」
その言葉に僕は言葉を失なった。
手から滑り落ちる携帯は、朋友の心を移したように静かで床と携帯がぶつかる音は廊下によく反響した。
「・・・シズクがこっちにいるのか?」
今年もあと少しですね~。クリスマスはさびしく過ごすオセロです。誰か慰めてください。
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