閑話:戦いの後の朝
朝行っていた閑話です
目が覚めると、そこには青空が広がっていた。
そして僕は、目元を抑える。
「・・・修繕しないとな」
ここは僕の家だ。夜の戦いで父さんの結界をすり抜けた一撃(僕の放った神威・明けの明星を爺さんがカウンターで打ち上げたやつ)が何と運の悪いことにこの家にぶつかって屋根が吹き飛んだ。僕の部屋は2階にある。
一回のソファで寝ようとしたところ、体が心配だと玉理がついてきて、それならと礼人と彩音もついてきた。そして、いつの間にかコンビニ袋を持って爺ちゃん達が入ってきた。
下ではお酒を飲んで語り明かしたのであろう大人たちが寝ている。
隣では勇気と礼人が昨日の遅くまで一緒にやっていたオセロをはさんで寝ていた。
「いい勝負だったようだな」
僕はそういうと二人の掛布団をけ直し、下の階へと降りる。
リビングのドアの窓から見えた奥の状況に僕はこめかみを抑える。
まずは掃除かな?
そんなことを考えて扉を開けると油で何かを約いい匂いがする。
「あ、おはようございます」
「朋友様、おはようございます」
リビングにいる大人たちをの隙間をうまく踏み、台所に顔を出すとそこには玉理と綾香が朝食を作っていた。
「ああ、おはよう。って、やはり絆はこの時間じゃ起きないか」
今は朝の7:00ちょうど。あの戦闘終了から5時間しかたっていない。
みんな基本疲れているのだろう。まあ、あの後興奮しすぎて寝付けなくて遊んでいたがな。
それにしても礼人に勇気も太陽の光を浴びても起きなかったな。よほど疲れたんだろう。
「俺も顔洗ったら手伝うよ・・・いやそれよりあの人たちをどうにかし方がいいか?」
そう聞くと、玉理と綾香は苦笑いで「お願いします」と言ってきた。
まあ、さすがにあの怪物を女子のなんとかさせるのはよくないよね。
僕は顔を洗うと、内側であいつに呼び掛ける。
―――ふわぁ~。あ、マスター、おはようございます。
ああ、おはよう。ラプラス、しばらくマテリアル状態でいいか?周辺状況や情報統制について確認して欲しいことがたくさんある。
『旦那、ならば自分も手伝おうか?』
ソロモンか。ああ、よければ手伝ってくれ。
『ならば、私もマテリアル化を頼む』
僕はそういうと、ソロモンとラプラスをマテリアル化した。
両方とも前回同様、サングラスと指輪だ。
ラプラス、これ眼鏡にできるか?これは少し不自然すぎる。
―――りょーかーい。
すると、少し細めのフレームの眼鏡となった。
「む、こうすると髪が邪魔だな」
眼鏡によって髪が横見分けられないため仕方なく、前髪を適度に切り、目に少しかかるくらいの長さでやめるとそれを後ろに流した。
素人で切っておかしくならないのはこのくらいまでだろう。
―――え?マスター?
『・・・旦那。そりゃねえぞ』
ラプラスとソロモンが先から何か言っているがよくわからないし、声も聞こえなくなったので僕は台所へ向かう。
「玉理、綾香。父さんたちは奥の部屋に寝かせとく」
「あ、お願いし・・・」
僕は玉理からの了承が取れたので酔いつぶれて寝てしまった大人達をこの家で一番大きな和室に運び、来客用の布団をかけておく。
綾香は、相変わらず和食は得意なようで、味噌汁のいい匂いがする。
自分も彼女に和食を習い、それなりにできるが彼女の方が美味しいし、見た目は綺麗だ。
「久々に綾音ーーー様の料理ですね。楽しみです」
僕はそう言って父さん達が飲み散らかしたビール瓶や缶を絶妙なバランス感覚で運ぶ。さながら大道芸のようだ。
「ふふ、楽しみにしてください。それにお酒の消化に少しでも助けになる具材を入れましたからね・・・ふぇ?」
こちらに笑顔で振り替えた綾音が僕の顔を見るなり固まった。
よく見れば、玉理チラチラこっちを見て、朋友よね?と呟いている。
僕の顔に何かついているだろうか?・・・あ、髪切ったか。
「あれ?そんな髪おかしい?眼鏡かけるのに切ったんだけど・・・」
すると、二人は頬を真っ赤に染めて俯きながら小さな声で「ちょ、直視できない」「胸がときめきます・・・」 などと言っている。少し可愛いな。
しかし、完全に料理のことが頭から抜けていて少し危険だ。
「玉理、綾音様。料理の最中ですよ。良ければ、何か手伝うかい?」と聞いてみる。
「ああ、少し温め過ぎました。まあ誤差の範囲ですから大丈夫でしょう」
「あ、危なかった。あとすこしでフランベするところだった」
二人の慌てる姿は実に珍しい。
僕は思わず笑ってしまった。
ぶすっー。
二人はリスのように頬を膨らませ、抗議してきたが可愛いのであまり怒ってないことはすぐに察した。
僕は台拭きを取り、テーブルを拭く。
すると、絆と勇気、それに礼人が起きてきた。
「ちゃんと顔あらってこい」
「ふぁ〜い」
勇気と絆は眠そうな目をこすりながら洗面所へと向かうが、礼人は僕の顔を見るなり嘘だろ?という表情をとった。
ええ!?そんなに髪型おかしくなちゃったかな?
僕は少し落ち込み、今日中に床屋、いや、彼にとって所に行こうと決めた。
「兄さん(兄様)!?」
弟達にまで否定されてしまった。
そんなに驚かなくてもいいじゃないか。
これでも最善は尽くしたにだから。
僕は惚ける3人を無視してさっさと朝食の準備をする。
匂いにつられてか、まずじいちゃん2人が起きてきて、母さんとばあちゃんが起きてきた。
「おはよー」
「おはようさん」
そう言って4人は席に座る。
しかし久しぶりの来客で折りたたみのテーブル出したがそれでも狭い。
ここの父さんがいないとしても全員で10人。
それだけの人数の食事ともなれば量もかなりの物となる。
一応、あの飯島がちょうど箱で食料品を送りつけていたから良かったものの、この量は少し壮観だ。
僕はそう思いながらも、和室を除く。
父さん達はまだ爆睡していたので、そっとして置くことにした。
食卓に戻り席に着くと、爺ちゃんが首を傾げている。
どうかしたのかな?あ、まさか爺ちゃんまでこの髪型を・・・もうそっとして置いてください。
僕はそう思うと、前を向く。正面には玉理と綾音が並んでおり、コチラの視線に気付くと頬を真っ赤に染めて視線をそらされる。
え、そんな顔赤くして笑いこらえるほど酷いの!?
僕はただ落ち込むしかなった。なので、すぐ切り替えて挨拶する。
「今日の朝食は玉理と綾音様が作ってくれました。感謝してちゃんと味わって食べましょう。いただきます」
「いただきます」
どうだ!と、ちょっと仕返しのつもりで言ったが表情は変わらず顔を赤くして俯いていた。
もしかして仕返しってバレてた?
そうなると、かなり恥ずかしくなる。
僕は諦めて朝食をしっかり味わった。
うん、二人の料理は美味しいな。
僕はそう現実逃避するしかなかった。
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