№14
定期更新です
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それは上空からそれを見ていた。
「・・・あれが、新たなる神と超越者。それに準神を得た精霊の帝ですか」
彼女は連絡を受け、それを見ていた。
そこで見たのは彼女の想像を絶する戦い。
こんな戦いはこんな場所で見れるとは思っていなかった彼女は主より連絡が来るまで呆けてしまった。
「…了解しました。ではこれよりかの3名とこの地の管理者に接触します」
そう言って、『一羽の青きカラス』は彼らの下へと向かう。
それは新たなる物語の始まりであり、旅の始まりを知らせる導きの鳥。
神代の時代に生き、それを受け継ぐ古き家のかの者はその鳥をこう呼ぶ。
――――――――――――八咫烏と
※※※
初めにそれに気が付いたのは朋友だった。
徐々に体力や機能が回復して行き、目の回復を遅らせる代わりに索敵系スキルをラプラス(もう一度再起動させてちゃんとさせた(なおちょっとポンコツは直らなかった))を補助に使っていた。
なにしろ、この国頂点の一族がこの場に4人もいるのだ。
何かあってからでは困る。まあ、国防十二支の1番が控えているので安心だが...
というか、何かあったら2番のあの人やそれを理由にあの戦闘凶が襲っておるに違いない。
・・・考えただけで面倒くっさと吐き捨てたくなる状況だった。
まあ、ここで何か事件でも起こったらどうなるかはさておき、今は上空8000メートルから落ちてきている謎の鳥?・・・あっ、人型になった。とりあえずあれをどうするかだな。
迎撃?でも、人型だよ?
『じゃあ、捕獲すればいいじゃないか』
ソロモンにそう言われ、ちょっと加速度がえげつないことになっている奴に向かって手を伸ばす。
『紋章起動:暴食。エネルギーイーター』
そう言って、奴から速度を奪う。
『紋章切り替え:強欲。アポーツ』
すると、朋友ののばして手の先に少し大きめの強欲紋章が現れ、朋友はそこに手を入れる。
そして、奴を取り出した。
「ぐべっ!」
奴は女の子の恰好をしており、見た目は朋友より2つ下くらいに見える。
しかし、彼女の持つ潜在能力に朋友の周りは警戒を示した。
それは、神気。神とそれに連なるもののみに発することのできる氣。
「・・・我と一戦交えようというのか?」
彼女は殺気を感じ取り彼らを一睨みする。
全員が息をのんだ。
倒すことが不可能とは言えない。だが、こちらが無傷で済むとは思えなかった。
「『魔帝』解放。紋章起動:傲慢。言霊使用。付与『支配』―――」
朋友がいくつかに能力を起動させる。
『―――全員落ち着いて、座りなさい』
「ッ!」
「兄さん(兄様・朋友様・トモ君)!?」
その瞬間、戦闘態勢の全員の殺気は瞬く間に消え、全員その場に体育座りとなった。
いや、正しくは・・・朋友の周りにいた全員だ。
「おお、これは儂が来る必要はなかったかの?」
「どうじゃ?我が孫は。すごいじゃろ?心の弱さも克服したようだし、これからもう少し伸びるぞ!」
「おぬしは少し黙っておれ。そんな叫ぶと心臓止まるぞ」
靖国は仁に肩を貸してもらいながら朋友の下まで来ると嬉しそうにそう叫び、仁は呆れたようにそれを注意する。
「仁。おぬしからこれを解くように言ってくれ」
「いいのですか?―――神の使い様」
「神の使い?・・・ああ、眷属か。だから、神気が使えたのか」
朋友はいまだ光ひどらぬその目で彼女を見る。
「・・・だって、今の彼。・・・物凄くこわいんだもん」
彼女が直接文句を言わなかった理由はいたって簡単だった。
ゆえに・・・
「「ぷっ、ははっはっははは」」
朋友と靖国は笑った。
「なんだい!笑うなんてひどいじゃないか、私は最高神の眷属だぞ!!」
「いいや、すまないのう。君は強がるにしては弱い面をよく見せるものだから威厳が無いんじゃよ。・・・それと、朋友をこわいなんて言っているとは。あっちも随分と甘くなったのう・・・フッ!」
すると靖国の目が一瞬だけ銀色となり、銀の波動が周囲に広がった。
「「「「「「ッ!」」」」」
全員の背筋に悪寒が走る。垣間見えし伝説の男の力。その力に朋友の言霊も解けてしまった。
全員がその場いたほとんどがその場にへたれこむ。
「おおぉ。叡二や信影、仁…様は当然じゃが朋友も平然と・・・それに万里加も余裕そうじゃのう」
そう言って立っている物を見たあと、座り込んでいる物を見る。
一応全員意識はあるが、状態はまちまちだ。
「ここにいる者みな、気を失ってはいないか・・・よく鍛えているようじゃの」
「これが、・・・鬼神の覇気」
「これが!?幾億戦の戦場にて無血開城を果たした鬼神の睨み...」
かろうじて口の利ける程度に耐えた栄一郎と礼人がそうつぶやくのが聞こえ、周りのみんなは息を整え驚いたように聞いていた。
「・・・もういやだ」
そう言ったのは神の眷属である彼女。
「あ、やばい」
その時、朋友は察した。
この手のプライドの高い子のプライドをずたずたにしたときに何が起こるか。
「・・・うっ、」
「う?」
「うぇ――――――ン!もうお前ら知らない。私、八咫烏ことヤタは帰る!お前ら、主に言いつけやるからな!」
そう言って彼女は漆黒の羽根をはやす。
「そうだ。主より伝言。そこの6人」
そう言って、ヤタは朋友、靖国、叡二、万里加、佳奈、玉理を順に指差す。
「2週間後、『江戸の裏門』にて集まるようにとのことです!」
「はて、どこかで聞いたことが・・・あ、江戸の裏門!」
「靖国、まさか...」
「叡二、今度は東京のようだな」
「だが、私達6人と言うのが気になる」
「江戸の裏門?・・・父さんたちは何か知っているようだが...ところで玉理。そろそろどいてくれないか?視界はもう戻った。」
「だめです。これはお医者さんの言うこと聞かない子にはなにをしましょうかな~?」
「・・・」
朋友と玉理がお父さんたちにはなっている緊張感をものともしない気の緩むような会話に思わず、気のゆる面々といら立ちを見せる二人の女性。
「お兄様!ここでは体も休まらぬでしょう。それに、兄様の家も半壊して居りますし、ここは実家に戻られてはいかがでしょう?ですのであなたはもう帰って結構ですよ玉理様?」
「そんな仰々し呼び方しないで。義理の姉となるんだから玉理でいいよ」
「絶対に呼ばせません!」
三者三様の対を見せ喧嘩をしている3人。
朋友はふと忘れていたあの子のいたところを見上げるとそこにはもう誰もいなかった。
その場所を眺めていると朋友の目の前には一枚の黒い羽根が落ちてきた。
そこには彼女に似た顔に少女があかんべーとやっている絵が乗っていた。
・・・本当に子どものようなやつ。
朋友は少しずつ見えてきた視界で周りを見渡す。
・・・あいつ友達いなさそうだな。
朋友はかつての自分を思い出し、空に笑顔を向けてその羽の落書きを指ではじく。
「次、合ったときは友達になれるといいな」
朋友のその呟きは周りの騒ぎの声に掻き消え、唯一膝枕をしていた玉理がうれしそうに小さな声でそうですね。とつぶやいた。
玉理の圧倒的嫁力!




